贈り物はいつだって自分を映す鏡かもしれない

今回は初めてお題に基づく記事を書いてみたいと思う。

テーマは「おすすめギフト」

大学生の頃だった。私はフリーペーパーを作る学生団体に所属しており、その先輩後輩でのちょっとした女子会が催される機会があった。その時たまたま私と先輩の一人の誕生日が近く、皆さまからとある贈り物をいただくことができた。

プレゼントとしていただいたのは花束だった。しかし、普通の花束ではない。ちょっと工夫が凝らされた、面白い趣向の花束だった。

参加者は皆、事前にこのようにリクエストされていた。

「贈る相手からイメージする花を一輪だけ買ってきてください。」

色も種類も、自由。ただ、贈る相手のイメージを思い浮かべ、各々これだ!と思う一輪を持ち寄るというもの。会の最後にそれぞれが選んだ花を発表して答え合わせ。集めると、みんなから見た先輩と私のイメージを表す花束が二つ、出来上がった。

興味深かったのは、わたしに対してはほぼ全員が黄色い花を買ってきていたこと。確か一人だけピンクを買っていて、「わたしだけ違う~」と皆で笑った記憶がある。黄色もピンクは実は、私が普段身に着けにくい色だった。私は青系の色が大好きで青ばかり買ってしまう傾向にあったのだが、みんなはわたしから柔らかく温かみのある色をイメージしてくれたようだった。しかし、数ある色の中でそこまで黄色に偏るのはすごい・・

当時、その団体で作るフリーペーパーで贈り物についての企画をしたことがあった。企画で伝えたかったメッセージは、贈り物をすることの意義はただ物をあげるということではなく、相手のことをいつになく真剣に考え、頭を悩ます素敵な時間そのものにある、ということだった。

この花束エピソードは、その実践系としてすごくシンプルで美しいと思う。考える要素は花の色や見た目という単純なものだけど、選ぶ過程ではその人の雰囲気だけでなく内面の個性、自分にもたらしてくれるものなどを抽出し、その要素を一輪の花に凝縮する。

団体の中で合同でプレゼントを用意しようとなった時、誰かが代表で用意することが多いと思う。それも決して悪くはないが、全員の思いを無理なく自然な形で盛り込めるこの花束作戦は素晴らしいなと、当時受け取る側として感動してしまった。普段気づかない自分の印象を感じさせてくれ、綺麗にバランスが取られた花束以上のものがあった。

ひょっとしたら私が知らないだけでよくあるやり方なのかもしれないけど、今回のお題でふと思い出した、ちょっと面白いプレゼントでした。私みたいに単色ではなく、それぞれ全く違う色を持ち寄って七色の花束になる人もいるのかな。見る人や角度によって印象が違う玉虫色の人物ということが判明したら、それはそれで面白いかも?

仲の良い職場でやってみるのも楽しそうですね。パーティーなんかだったら、受け付けで花を集めて入口の花瓶に生けていく、みたいなのもイベント的で楽しいのかも。

ではまた。



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