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苦手な人

N先生が怖い。

なぜだろう。

あのスパッとした
言い方なのか、目力なのか。

とにかく話しかけられると
身がすくむ思いがする。

威圧的にしている気は、
全くないのだろうけど、
あの圧というか相手を委縮させる
オーラは、どこから来るのだろう。


声は低い方だと思う。
ただ、笑うときは甲高い声で
「あっはっは!」と笑う。

魔女のように。


話し方は、白黒はっきりとしている。
もし私だったら、
聞くのに躊躇してしまうような内容も
容赦なく真正面から聞いてくる。

それは、仕事仲間として信頼できる、
という頼もしさでもあるが、


「どうしてですか?」

「どうしてそうなったの?」

「そうしなかったのは、なぜ?」

「なら、どうするの?」

ある意味、尋問のような。


そして、その時の目力はすごい。
N先生と話しているとき、
瞬きをしているところを
見たことがない気がする。
カッと開いた眼光から、
真っすぐに私を見据える。


だからだろうか。

委縮してしまうのだ。

私の友達には、絶対いないタイプ。
というか、
私から静かにそっと距離を取るタイプ。



京都出身の友人Eは、言っていた。


「私な、人を簡単に
嫌いにならないようにしてんねん。
合いそうにないなって人でも
絶対一つは良いところがあって、
たった一面を見て
もう話さないっていうのは
もったいないから、
絶対ある良い面を探して
好きになるようにしてんねん。」


Eには知る由もなく、
今も、その言葉は私の中で生きている。


素敵な友人たちに出会えたおかげもあり、
幸い私もN先生を嫌いではない。

「苦手」だけど、むしろ尊敬している。




仕事だと、本当に色んな人に出会う。
なかなか得られない刺激である。




京都の友人Eに感謝を込めて。

記事を見つけて下さり、最後まで読んでいただきありがとうございます。 少しでもなにか心に残るものを届けられていましたら、こんなにも嬉しいことはありません。