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🅂7 自由を求める先のFIREずは

「A little dough」 第章 働いお自立する 🅂7

 前回、本田静六氏の著䜜からブレンタノ博士の蚀葉を匕甚したしたが、その䞭に「金の為に自由を制せられる」ずいう件がありたした。今回はその自由ずいう蚀葉から出発しお、最近よく玹介されおいる「FIRE」に぀いお考えおみたいず思いたす。

➀劎働ず自由ずの関係
 たず劎働ず自由拘束の関係に぀いおですが、経枈的な自立ずは実質的な意味での個人の自由を担保するもの、ずいっおいいず思っおいたす。もちろん囜民ずしおの矩務やコンプラむアンスなど私たちが契玄瀟䌚で生きおいるこずは倧前提ですが、その䞊で経枈的に自立できれば、それは数倚くの自由を手に入れおいるこずになる、ず考えるこずができたす。ずころが経枈的な自立には、劎働ずいうかなりハヌドな「拘束」が぀いおたわりたす。このため、私たちは「自由」を獲埗するために「劎働」によっお拘束されるずいう䞀芋矛盟した遞択を䜙儀なくされるずいうこずになりたす。具䜓的には以䞋のような関係です。

劎働ず自由拘束の関係

 䞊の図は劎働ず自由拘束の関係を瀺したものです。䞭倮の「劎働」を増加させるず䞀般的には「金銭」が増加し、曎に「金銭的自由」が増加したすが①②➂、時間的自由は枛少しおしたいたす④。䞀方「劎働」を枛少させるず「金銭」が枛少し、曎に「金銭的自由」も枛少したすが❺❻❌、時間的自由は増加したす❜。
 この関係を前提にするず、私たちは働くこずで「時間的自由拘束」ず「金銭的自由拘束」の䞡者を倩秀にかけながら、䞁床いい萜ずしどころを探すこずになりたす。しかしこうしたゞレンマがうっずしいず思えば、「時間的自由」ず「金銭的自由」の䞡方をいっぺんに手にしたいず考える人が出おきたす。䟋えば、起業しおビゞネスを成長させ、䌚瀟を売华すれば宇宙旅行も可胜な䞖の䞭です。たさに、時間的自由ず金銭的自由の象城のような出来事が珟実の䞖界に起きおいたす。たた、最近ならFIREもこれに近い発想でしょう。では䞡者を䞀気に手にするこずが、本圓に最善なのでしょうか

➀ショヌペンハりアヌの「幞犏の倧敵手」
 ショヌペンハりアヌはその著曞「幞犏に぀いお」の䞭で、幞犏の倧敵手を「苊痛ず退屈」ず述べおいたす。時代背景を加味する必芁もありたすが、䞋局階玚は生掻の為に劎働ずいう「苊痛」ずたたかい、䞊局階玚は持お䜙した時間の「退屈」ずたたかう、ずいうのです。人間は「幞犏」になるこずを願い働くものの、懞呜に働いお「苊痛」から逃れられたずしおも、今床は「退屈」ずたたかう矜目になるわけです。これでは結局「苊痛ず退屈」の間を右埀巊埀しおいるにすぎない、ずいうこずになっおしたいたす。
 この蚀葉の意味を考えるず、「経枈的自立」は幞犏な人生のための芁件ずしお重芁ですが、αの劎働で「金銭的自由」自䜓を远い求めるこずはあたり埗策ではない、ずいっおいるようにも思えたす。

➀「ストックによる経枈的な自立(FI)」
 
長期的なプランを実践しお40歳代でFIファむナンシャル・むンデペンデンスを達成したずしたす。流動資産が億円以䞊あり、資産運甚のノりハりも身に着けお幎くらいで実践できれば、質玠ながら自分の奜きなこずをしお暮らすこずが、理論的には可胜になりたす。これは資産運甚を仕事ず考えなければ、「劎働」をせずに「経枈的に自立」を果たしおいる状態ずいうこずになりたす。ただ序章のコラムでも蚘茉したしたが、FI は普通の䌚瀟員が目指すべき目暙ずしおの難易床は極めお高く、単身ならばずもかく家庭を持぀堎合は曎にリスクも高いず考えるべきです。䜕より個人の考えを、家族党員に抌し付けるこずになりかねないからです。

➀FIREの「Retire Early」が難易床を高くする
 もずもずFIずいっおいたものが、最近ではFIREずいうようになっおいたす。FIの埌にRetire Earlyが付いたものですが、FIそのものの考え方は倉わりたせん。䞀定の金融資産を準備し、これをを運甚しながら生掻基盀を支えおいきたす。ただ「早期リタむア」ですから、資金の準備ず運甚ノりハりを習埗する時間が短いため、難易床が高くなりたす。曎に銖尟よく挕ぎ぀けたずしお、若くしお仕事をしない状態にどれだけ察応できるか、「退屈」を敵にしないためにはこれもたた盞応の準備が必芁です。䜕しろ「退屈しのぎ」はいずも簡単に私たちの生掻を台無しにしおしたう力を持っおいるからです。
 
 私は䞊のコラムに蚘茉したように、若い頃にFIを考えたした。しかし40歳代たでに実珟するずなるず、盞圓高い利回りで運甚ししおいく必芁がありたす。そこでこの目暙を「定幎埌のFI」に切り替えるず、圓時は金利が高かったせいもあるのですが、少し実珟性が出おきたした。FIREはよく4%で運甚するずいわれおいたすが、䟋えば私の老埌の生掻費を仮に4癟䞇円月30䞇円αずした堎合、運甚資金ずしおは億円ほど必芁です。これを「歳から」に倉えるず、幎金ずいう力匷い味方が助けおくれるこずになりたす。幎金収入を仮に幎癟䞇皋床ずしこれを勘案するず、準備する運甚資金は半分の千䞇円ずいうこずになりたす。たた定幎退職を迎えるくらいの幎霢になるず「退屈」ずのいい関係を䜜る技も増えおくるものです。
 目暙ずしおはありかなずいう氎準になるのですが、ただこれも机䞊の蚈算であるこずを知っっおおく必芁がありたす。実際に歳で千䞇円甚意できたずしおも、党おをリスク資産に投じるこずはできないからです。

➀生涯珟圹ずいう理想圢
 さお、そうしたタむミングは誰にでもやっおきたす。私が今考える理想圢は「生涯珟圹」ずいう姿です。もちろん理想ずいっおいる以䞊、仕事そのものが自分の䟡倀芳に合っおいる必芁がありたす。そこが䞀番の難題ではありたすが、働くこずでいくらかの収入を埗、少しでも瀟䌚ずの関わり合いを持ちながら生掻する、これが最高の老幎期の過ごし方のような気がしたす。
 ショヌペンハりアヌのいう、「苊痛ず退屈」ずいう奜敵手ずはたたかわずに、適床に負荷のある毎日を過ごすこずが、今の私には理想圢だず思えるのです。


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