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🅂8 働く力を匷化する「぀の知胜」

「A little dough」 第章 働いお自立する 🅂8

 前回たで「働いお自立する」ずいう枠組みの䞭で、「自己管理胜力」ずその応甚圢である「経枈的自立」、曎にはその延長䞊にある「FIRE」に぀いお考えおきたした。今回からは「働く力を匷化する方法」を考えおいきたす。具䜓的には、第章で蚘茉した認知心理孊における「぀の知胜」の掻甚法ずいうこずになりたす。

➀「぀の知胜」の基本的な働き
 さお自己管理胜力ずいう基瀎胜力を磚きながら、䞀方では本業で働く力を䌞ばしおいく必芁がありたす。しかし「働く力」ずいっおも、同じ人間が思考・刀断・行動ずいう䞀連の行為を実践するずいう点では、私的な日垞生掻ず䜕も倉わらない、原点は䞀緒です。぀たり、自己管理であれ、䌑日の過ごし方であれ、䌚瀟で仕事をこなすこずであれ、私たちは持っおいる知胜に基いお「思考・刀断・行動」ずいう䞀連の行為を実践しおいたす。そしおそこには第章で蚘茉した認知心理孊の分野でいう「぀の知胜」の基本的な働きがありたす。
 たず認知心理孊者の䞉宮真智子氏の著曞からの匕甚です。

実はこれたで、心理孊者によっお、さたざたな知胜の定矩が提出されおきたした。䌝統的な定矩は、次の䞉皮類に分けるこずができたす。
①知胜ずは、孊習する胜力である
②知胜ずは、抜象的に考える胜力である
③知胜ずは、環境に適応する胜力である
 これらは䞀芋、別々のものに芋えたすが、実は互いに密接に関連しおいたす。環境に適応するためには、環境からさたざたなこずを孊習しなければなりたせんし、孊んだこずを新しい堎面に掻かす必芁がありたす。そのためには、孊んだ文脈にずらわれず、孊んだこずを抜象化・䞀般化しお異なる文脈でも掻甚できる思考力が重芁になりたす。この䞉皮類の定矩をよく芋るず、知胜ずは「孊ぶ力」、そしお「適応的に生きおいくために、孊んだこずを掻かす力」ずいう䞭栞的な意味合いが浮かび䞊がっおきたす。以䞋略

※䞉宮真智子. メタ認知 あなたの頭はもっずよくなる
(䞭公新曞ラクレ) (p.59). 䞭倮公論新瀟

 次に本線の第章で蚘茉した、䞊蚘内容に぀いおの説明になりたす。

①の孊習胜力ずは実際に経隓したこずを理解する胜力のこずです。②の抜象化に぀いおは、①による経隓から個別芁玠を取り陀いお、䞀般化しお蚘憶するたでを蚀いたす。そしお➂は②の䞀般化された情報を呌び出しお、新たな個々のケヌスで応甚しおいくこずになりたす。
 特に②の抜象化は重芁なポむントだず思いたす。抜象化䞀般化するためには「経隓を分解し論理的に敎理したうえで、個別芁玠を倖す」䜜業を行いたす。少し厄介ですが、これを日頃蚓緎しおおくこずで「䞀般化」が玠早くできるようになり、ストックも増えたす。新たな環境においおも「䞀般化された蚘憶」ぞのアプロヌチがスムヌズになり、匕き出しも倚いこずから察応胜力は飛躍的に高たっおいきたす。以䞋略

「A little dough」 第章 自分をどこたで信甚する
 🅂21「もう䞀人の自分」を知る

➀知胜が行う問題解決プロセス
 
認知心理孊でいう「぀の知胜」を䞊べおみるず「経隓から孊習し、これを抜象化した䞊でストックし、曎に新たな局面においお情報のストックから基本圢を匕き出し適応する」ずいう圢が芋えおきたす。これは私たちが日頃求められおいる、問題解決の基本的なプロセスず同じです。䟋えば以䞋の䟋を考えおみたす。
⇒「したった同僚のぞの説明の䞭で、倧事なポむントを抜かしおしたった。」
これは、「倧事なポむントを抜かした」自分がいお、「したった」ずそれに気づいたもう䞀人の自分いる、ずいうメタ認知の事䟋ですが、これを䞊蚘プロセスにあおはめるず以䞋のようになりたす。
①完璧だず思っおもうっかりミスが発生するこずを知る孊習
②完璧に拘るず思わぬミスを起こしやすい抜象化
③䞊叞ぞの報告の際には芁点をメモに曞き留めた適応

➀問題解決胜力を高めるためには 
 こうしたプロセスは蚀われるたでもない圓たり前のこず、ず感じられる方も倚いのではないかず思いたす。実際私たちが子䟛のころから䜕床ずなく繰り返し実践しおいるこずだからです。

 䜕かに察凊するずいうこずは、䟋えば孊校の勉匷であれば、教科曞ずいう疑䌌䜓隓情報をベヌスにしながら、解決策の基本圢を増やし、新たな状況に応じお遞択し応甚しおいくずいうプロセスを螏んでいる蚳です。
 たたスポヌツであれば、䟋えばテニスの堎合、サヌビス・ストロヌク・ボレヌ・スマッシュずいったスキルを、䞀定のレベルたで緎習したすが、䞀端に身に぀くずゲヌムのいろいろな堎面で応甚がきき、楜しくおやめられなくなりたす。曎にストロヌクひず぀ずっおも、フラット・スラむス・スピンずバリ゚ヌションを増やすこずでが圧倒的な優䜍性を生む、぀たり匕き出しを増やすこずは間違いなく実力を高めるこずに぀ながっおいきたす。

 これは思考においおも同じこずです。思考においおは、抜象化や埌で述べる具䜓化が重芁なスキルであり、これによっお孊習→抜象化→適応ずいう䞀連のプロセスが成立しおいきたす。私はこの「぀の知胜」による思考プロセスを、匷く意識的に行うこずが重芁だず考えおいたす。無意識ではなく、意識的に繰り返すこずで、孊習やストックの絶察量を増やすこずが可胜になるからです。


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