コロナ禍下のクールな名前もうひとつ~Foldit!

 前回のインシリコスクリーニングのことを考えてたときに、10年前読んだ新聞記事のことを思い出しました。

朝日新聞2010/8/6
科学欄より
たんぱく質解析パズル
直感で構造を予測
コンピューターしのぐ

 人間の直感は時としてコンピューターをしのぐ。米ワシントン大などの研究チームがそんな論文をまとめた。たんぱく質の複雑な形状を予測する問題をパズルゲームに仕立ててネットで公開したところ、専門知識を持だない参加者たちが、コンピューターの自動プログラムより高い得点をたたき出した。英科学誌ネイチャーで発表された。
 たんぱく質は、アミノ酸がつながってできたひも状の分子が、複雑に折りだたまれた形をしている。同じたんぱく質でも、可能な折りたたみ方は無数にある。研究者はコンピューターで実際の形をより正確に予測し、新薬開発などに役立てている。
 研究チームは、画面に立体表示されたたんぱく質をマウスの操作で勤かし、正しい形を目指して折りたたむパズルゲームをつくった。化学的に安定した形状ほど得点が高くなる。ネットで08年に公開し、5万人以上が参加。多くは生化学の専門知識がなかったが、時には互いに連絡を取り合い、協力しながら、用意されたたんぱく質10個の形状を解き進んだ。
 結果は、参加者の得点が上回ったのが5個、コンピューターが上回ったのが2個。3個は同程度だった。
 人間だと、得点が稼げるとわかれば、現在の安定した構造を崩して一時的に点を失うこともためらわない。だがコ
ンピューターにはこうした大胆な組み替えができなかった。研究チームは、科学の他の分野にも、同様のゲームを使った研究法が応用できる可能性があるとしている。
 東京工業大の田口英樹教授 (たんぱく質科学)は「非常にユニークな研究。たんぱく質の構造予測がいかに複雑かを一般人に実感してもらう一種の遊びと思っていた。科学的にも実を結ぶとは驚きだ」と話している。(小宮山亮磨)

 前回の棋士のひらめきにも通じるものがありますね。

これコロナには生かせない?と思ってググったのですがプロジェクトはちゃんと稼働してたらしい。

★ワシントン大学、市民が抗ウイルスタンパク質の折りたたみ構造解析に参加できるパズルゲームをローンチ★

が、
残念なのはこのプロジェクトがほとんどバズってなかったことです。この手のプロジェクトは参加者がたくさんいてナンボですから。
 AIも有望だけどこーいうソーシャルゲームもなんか未知の可能性がありそうです。
 そもそも前回ふれたインシリコスクリーニングも一番とか二番とかいってないで手分けすればよかったんです。

 なんか「Foldit」ってMacのユーテリティにありそうな名前ですね。
「~It」ってうのはとりあえずネーミングのためのひとつの雛形として備えておくべきアイテムといえます。チャンスがあったら使いましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?