クラブチームで働く中で得た、大きな学びと気づき
接骨院勤務をしていた時に、憧れていたサッカー界でのトレーナー活動に声がかかった高須真央(たかす まお)さん。
「まだ接骨院で学びたいこともあった」と振り返るものの、このタイミングを逃してはと単身で仙台に渡り、WE.リーグクラブの一員となりました。
現在はアカデミーを担当するトレーナーとして、朝から晩まで選手に付き添う高須さん。仕事の中での葛藤や、その中で得た大きな学びについて伺いました。
現在とこれまでの働き方
自己紹介をお願いします。
マイナビ仙台レディースのトレーナーとして、アカデミー部門を担当している高須真央です。ここに来る前は接骨院で働いていました。
現在のお仕事について内容を教えてください。
トレーナーとして、アカデミーに所属するユース(U-18)とジュニアユース(U-15)の選手を見ています。火曜~金曜は毎日練習に立ち会い、それ以外の時間で個々の病院に付き添うこともあります。土日は試合スケジュールに応じて動きますし、全体的にとてもハードな毎日です。
前職はどういったお仕事をされていましたか?
接骨院に努めていました。元々トレーナーになりたいとは思っていたのですが、専門学校の学びだけでは、想定される症状に対しての手段が自分には足りないと感じていて。いつか現場に出るにしても、治療の技術や、治療に至るまでの確かな判断を身に着ける必要があると感じていたんです。
当時、私の中では「2,3年接骨院で働いて、ある程度学んだと言えるタイミングでスポーツの現場に出られたらいいな」と考えていました。ただ1年ちょっと働いたタイミングで、以前から知り合いだった方から今の職場に繋がるお話をいただいて。
結構迷いました、だってまだ接骨院で学びたいことがありましたから。ただ、募集が出るのも声を掛けてもらえるのも“タイミング”。「今だ」と思う時に同じようなお誘いがあるとは限りません。なかなか難しい選択でしたが、最終的には仙台へ転居し、マイナビ仙台レディースの一員として働くことに決めました。
学生時代
学生時代に学んでいたことを教えてください。
高校時代にサッカーをしていた時の経験から、進路を決める時点でトレーナーになりたいと思っていました。ただ、いざ進学した大学はトレーナーの資格が取れないとわかって。とりあえず卒業して一般職に就いたのですが、このまま続けるかトレーナーになるために学び直すかは、働きながら考えることにしました。
結局諦めきれず、専門学校に入学。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーと鍼灸師の資格を取ることができました。
働き方について
接骨院からクラブチームへ移ってみて、率直な感想を教えてください。
私自身もサッカーはしていましたが、大きいクラブチームで働くと言うのは当然初めてです。特にスタッフ間の連携ではこの1年悩むことが多かったように感じます。
私のいるクラブはスタッフの数も限られていますし、各々がこれまでのキャリアを強い信念で築いてきた方ばかりです。それぞれが意見を持つ中で1つのチームとして動くわけですから、お互いを尊重すること、一方できちんと自分の意思も伝えること、双方のバランスが大事だと学びました。
経験が浅いとどうしても自分から「言う」より「言われる」報が多くなってしまいがちですが、一方的に言われてばかりでは何も変化しないと途中で気づきました。悩んだ時は専門学校の先生や接骨院時代の先輩に相談しながら、少しずつ環境に順応していった感じです。
運営しているAscenders株式会社について
Ascendersとの関わりは?
もともと別のコミュニティがきっかけで、今Ascendersにいらっしゃる方々との接点がありました。それで今回のトレーナーの案件もご紹介いただいたり、Ascenders Collegeにも入会して勉強をしたりするようになりました。
普通、自分で勉強をしようとすると本や教材を買わないといけませんが、Ascendersにいれば好きな時にオンライン講義が見られます。時間を見つけて受講できるように心掛けているところです。
最後にトレーナーを目指す人へメッセージをお願いします。
私が実際に働いて強く感じたことは、「準備が9割」ということ。現場で本当に即時の対応が求められることは感覚的に1割程度です。
過去の私もそうでしたが、トレーナーの仕事を思い浮かべると“その場、その場で対応する”というイメージが強いかもしれません。ただ実際は、練習にせよ試合にせよ、リハビリテーションにせよ、準備が結果を生むと実感しています。1つの事象に対して起こりうることを蜘蛛状に考えていって、最高と最悪の場合、事象Bが加わったときなど、全てのパターンを考えて準備をしておく。そうすることで初めて対応がスムーズに行える世界です。
あとは私のようなクラブチームで働く人に向けては「人間力」の大切さを伝えたいです。先ほども触れたように、ここでは各々がプライドを持って仕事をしていて、個性も強いです。まずは受け入れる、リクエストに応える、その中で自分の意見も伝える。こういったことができないと、クラブの中で潰れていってしまうように感じます。
大変なこともありつつ、様々な経験を積むことはどこへ行っても輝ける素地になるはずです。一緒に頑張りましょう!
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