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糸を手にしてから織物ができるまで。

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日々の仕事風景をすこしづつ切り取って、つづっています。 下絵→図案→紋意匠図→紋図→糸を選ぶ配色→機場で製織→完成! これらの工程で込められている思いや祈りなどに触れてもらえる機… もっと読む
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#墨濃淡

椿の柄

椿の柄

先日、墨濃淡の図案をパソコンでぽちぽちと描いているのが楽しいということを記事に書いていました。

週があけて本日もまた、新作予定の”椿の柄”の紋意匠図をぽちぽちと描くことにとりくんでいます。

私たちが携わっている西陣織の機は、2400本もの長い経糸のがたてに通っているところへ、約6~10種類ほどの杼(ひ)をつかいわけて、緯糸(よこいと)を通し、ひと櫛ひとくし、筬(おさ)で抑えながら、約34センチ

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スミ濃淡を織物でつくる

スミ濃淡を織物でつくる

和紙に墨汁と筆とで描かれる濃淡には、独特の面白さがあるように感じています。

ちまたにはたくさんの画材がありますが、アクリルガッシュやポスターカラーや油絵具などのように、何度も上から色を塗り重ねられる画材とはその質感が全く違います。

”画材”として同じ目的のために存在しているにもかかわらず、その材質の違いが絵そのものの描き方も変えるし、同じような構図で同じような色味をえらんだとしても、全く異なる

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〇△■の帯。

〇△■の帯。

前回の投稿で、テスト織りができたというところまで、ご紹介させていただいておりました、〇△■の柄の帯です。

ようやく、織りあがってまいりました。

長い間温めていた図案で、なかなか形になるまで時間がかかってしまいましたが、これまで手掛けたものとは、また少し違った角度から見て、奥行きのある表現方法を見つけた形で織りあがったように思います。

前回の記事はこちらから ↓

前回の記事を参考にしていただ

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〇△■の柄

〇△■の柄

note への記事の投稿がずいぶんご無沙汰となっておりました。

ありがたいことに投稿していなかったこの間、創作に向き合える時間が幾分か多く取れていたので、いくつか新柄を進めています。

色々と作りためてはいるのですが、なかなか思うように形にならなくて記事にできる段階ではなかったということがあります。

この間の時間の感覚をあえて言葉にするならば、テーマとイメージを無意識鍋の中に入れて、ちょっとし

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