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曼荼羅アート的な夢筆の抽象画『捨身』


今回の「曼荼羅アート的な夢筆の抽象画」は【捨身】をテーマにしています。

捨身とは、仏教用語で「自らを犠牲にして仏や法や衆生を供養」したり「他の生物を救う為に自分の身を布施」したりする、菩薩の修行の中でも特に過酷なものの一つです。

捨身は特にジャータカと呼ばれる本生譚(釈尊が仏としての姿を顕す前の物語集)に多く説かれ、ジャータカには釈尊が菩薩(仏が仏になる前の修行中の姿)として行なった様々な捨身が収められています。

内容はなかなかに残酷ながら理解しやすいものが多く、よく絵本の題材などにもなっているようです。

(犠牲が美しいなどとは思いませんが、物語として興味深い内容が豊富です。)



今回のイラストには「虎」「兎」「鳩」「鷹」の四種の動物を描き込んでいますが、全てジャータカの捨身に関係ある物語の中に出てくる動物達です。

虎は「捨身飼虎の物語」に登場、餓えて餓死寸前の虎の親子に国の王子(釈尊の前世)が自らの身体を食べるように促し虎の親子を救うお話。

兎は「月の兎の物語」で比較的有名かもしれませんが、兎(釈尊の前世)が餓えた修行僧(帝釈天が変身した姿)に自らの身を焼いて捧げるというお話。

鳩と鷹は「シビ王と鳩と鷹」という物語で、お腹を空かせた鷹(帝釈天が変身した姿)に追われて自らの元に逃げ込んできた鳩を保護したシビ王(釈尊の前世)が、鳩の代わりに自らの肉を鷹に与えるからと言って、鳩と同じ重さの肉を切り取って鷹に与えようとした。

しかし鷹は「それでは鳩と同等にはなりません」と言って、疑問に思ったシビ王が天秤に自らの肉をどんどん乗せていくのに鳩と同等にはならず、最後に自分自身が天秤に乗る事でようやく重さが釣り合う。

命は肉の量や重さの問題ではなく、草木国土悉皆成仏(草木も国土も皆ことごとく仏と成る)と言われるように全ての命は平等であるという事を示したお話。

ジャータカには他にも様々なお話がありますので、興味がありましたら是非読んでみてくださいね。



今回も、遊びにきてくださり誠にありがとうございます m(_ _)m







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404美術館

中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。 私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。