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連載 #夢で見た中二物語 43

いつもの風景、いつもの日常。

しかしこの日は、その"常識"というものが崩れ去る事となった。

普段と同じように、通学の為に電車に乗った主人公の少女。

その日はごく普通の平日で朝の通勤ラッシュ帯だというのに、妙に人の姿が少ない事に気がついた。

だが周りの誰もその事に気付いていないらしく、少女も気のせいだと思い音楽を聴きながら、今日小テストがある英単語帳を眺めていた。



電車から降りた少女は、やはり人の少なさが気のせいではないことを確信して疑問を覚える。

学校に向かう道すがら、この周辺地域の都市部にいるというのに、街中が妙に間延びしているような空虚な感じを受けていた。

その空虚さはいつしか不気味さへと移り変わり、少女はとっさに走り出して学校に着いた。

しかし校内にも人影はほとんどなく、唯一出会うことが出来た親友は、主人公に言われてからその奇妙さに気付く。

教室に入ってからも、生徒の数が明らかに少ないのに授業は全く問題なく進められる。

その事実に戸惑った主人公は、親友と共に学校を早々に切り上げて街の探索へと向かう。



朝と比べても街の人数は更に減っており、しかし誰もそのことに関心を払ってないどころか気が付いてさえいないらしき事実に、主人公は呆然と立ち尽くす。

いつの間にか親友の姿も消え、泣きそうになりながら街中を彷徨っている内に地下通路へと迷い込んでしまう。

普段から妙な不気味さを醸し出しているその地下通路だったが、この日は全く人影もなく、より一層不気味さが増していた。

そこを彷徨う内に、通路の奥の方で緑色の光が輝いていることに気付く。

その光の近くまで行くと、関係者以外立ち入り禁止の扉が少し開いていて、中に誰かがいて何かしているようだった。

意を決して中に入ってみると、そこにいたのは秀才で有名な同級生の少年。

こんな時にこんな所で何をしていたのか、まさか一連の出来事の首謀者かもしれないと怪しんだ主人公は少年を問い詰める。

だが少年もこの事件の事に気がついていて、謎を解き明かそうと色々探っていたのだという。

その事を不審に思いながらも、主人公は少年と二手に分かれて再び街に出る事にする。

☆☆☆


この夢は一年以上前に見たものなので、都会から人が減るという部分は567からの影響ではないものと思われます。

どちらかというと、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』のような推理小説的な内容?

それが街規模のお話になって、サスペンスとスリラーが合わさったような不気味さを醸し出していました。

余談ですが、金田一少年の事件簿の「露西亜人形殺人事件」を昔見て印象深く覚えていたので、その影響が強いのかも。

あと閉店後のスーパーなどが緑の光をつけていることがあって、昔それが妙に不気味に見えたことも影響してるのかもしれません。


中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。 私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。