カラオケボックス

夜更けのバスルーム
滴る水蒸気
奏でる音

脳内で不思議なリズムがつく

気づけば
脳内は夜更けのカラオケボックス

声にならない声で
調子はずれの歌を
声を出さずに歌う

脳内に響き渡る
調子はずれの詩

うっすら酔いが回る

アルコールなど必要ない

換気もせずに歓喜に酔う

蒸し暑くなった部屋
意識が飛ぶ

「お客様、そろそろ」
天井から落ちた雫が囁く

意識が朦朧とし始めた
目線の先
閉店の文字が見え隠れ

私はカラオケボックスを後にした

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