見出し画像

言われたかった言葉

数年前から、あるサークルに参加している

そこは発達障害、不登校、子育てに関する悩みを吐き出すサークル

代表者は元小学校の校長先生

この校長先生がまた、変わった先生なんだけど、子供を否定しない、親を責めない、
子供と一緒に考える人。

この方の話は本筋からずれるので
また、今度

さて、そのサークルに通った理由は…
これもまた今度…

私は相談するというよりも
お茶飲みに通ってる感じに変わってきた

そんなある日
訪れた親子さんが気になった

元来、私は子供好きなんで
一緒に来ていた兄弟と遊んでいた
上の子はすぐに懐いてくれた
下の子はすぐには懐いてくれなかった

少しずつ、距離が近づき
泣かずに一緒に遊んでくれるようになった

そう、私は遊んでもらってる(笑)

かわいい笑顔と笑い声
走り回る姿に癒されて元気をもらっている

会えない日はちょっとがっかりしてしまう。

大人達は大人達で話を始めてしまうから、
子供達は退屈してしまう

それを利用させ…いや、あ、あの…あはは

子供達の面倒を見ているつもりはさらさらない。
だって、遊んでもらってるんだから

ただお母さんの顔色が時々、暗くなる
それが気になり、
お節介承知で声をかけた

「色々と大変でしょ?肩に力が入ってるように見えます。」

そう声をかけるとうんうんと

「ここに来たら、肩の力を抜いて自分を取り戻して。ここにきたら、子供達を見てくれる人が一杯いるから。外では頑張って、ここでは肩の力を抜いてね」

と言ってみた。
涙ぐみ、うんうんとうなづいた

かなり大変な環境にいるんだろうな、と察しがついた

で、ふと、後で気付いた
この言葉、私が言われたかった言葉だと。

親なんだから、頑張りなさい
親なんだから、しっかりしなさい
親なんだから…
親なんだから…

この言葉、ずっと、体に絡みつき
私を締め上げていた

一生懸命にやってる
でも、足りないの?
私は親失格なの?

子供達が成人するまで
ずっと、引きずってきた

今も時折、ふらっと顔を出す

余計な事を言ってごめんね

そういうと

いえいえ、そんな事ないです。
私の二人の子供を手で指し示し
「こんなに素敵なお子さんがいるから」
と。

「この子もね、クソガキだったんですよ」

「今もだけどね」
息子がニコッと笑った

子育て中は何かと心をざわつかせる事が多い。
子供を巡る環境は日々変わり、
思考が追いつかなくなり、孤立する。

自分がそうで大病を患ってしまった
だからこそ、わかる事がある
だからこそ、少しでも力になりたい

私を助けてくれた人のようには
できないけれど。

私は「あの子達」の笑顔が見たいから
お母さんの肩の力を抜いてあげたい

私が言って欲しかった、言われた言葉が
ふいに口から出るなんて…
なんだか、不思議な気がした。

今度はいつ、あの子達に会えるかな
その時、お母さんの肩、力が緩んでるかな

なんて考えながら
おやすみ、今日はありがとう

あの子達の住む方角にむけて
手を振った

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?