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#12 Manners Maketh Man.

 先日の「映画5本見る」宣言からだいぶ日が経ち、ようやく1本目を観た。何その宣言と思った方もいるだろう、あまり深い話ではないので特に気にしなくて結構だ。

※ネタバレの可能性あり。注意してください

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 今回観たのは「キングスマン」。2014年に公開された、人気スパイ映画シリーズの1作目である。


 「スパイ」や「エージェント」はカッコよくて好きだ。007やミッション・インポッシブルは観てないけど(おい)、様々な作品に出てくるスパイのキャラクターには一際魅力を感じる。黒いスーツに身を包み、多彩な仕込み道具を駆使して鮮やかに任務をこなす。そんなクールでスタイリッシュなイメージの「カッコいいスパイ」を、これでもかと見事なまでに観せてくれた!と、「キングスマン」は思わせてくれた。


 最も心を奪われたのが、序盤のアクションシーン。国際諜報組織「キングスマン」の凄腕ベテランスパイ、ハリー・ハートが色々あってバーで不良と戦うのだが、これが本当にカッコよかった。手持ちの傘は防弾仕様だし銃弾は撃てるし、指輪からは電流が流れて腕時計からは某名探偵を彷彿とさせる麻酔針。そんな道具アリかよ、と思わず笑ってしまうほどだ。もちろんハリーを演じるコリン・ファースのアクションも素晴らしい。流れるような身体捌きで不良達を圧倒する様子はまさに凄腕エージェント。そして戦闘前の、ハリーが不良に喧嘩を売られてそれを買うシーン。不良に逃げられないようバーの扉に鍵をかけながらハリーが放った一言、

 『Manners Maketh Man. (礼儀が人を作るんだ。)』

には鳥肌が立った。「キングスマン」として、また英国紳士としての誇りが感じられる名言だと思った。

 話が少し逸れるが、僕はイギリスが好きだ。「英国紳士」に関しては憧れを抱いてすらいる。英国の紳士が歴史上本当に紳士だったのか、また現在のイギリスの男性は英国紳士なのかはひとまず置いておいて、「礼儀を重んじ、上品で教養があって、スーツがばっちり似合う」、そんな人になりたいと憧れている。

 そういった意味では、ハリー・ハートはまさに憧れの存在なのかもしれない。絵に描いたような英国紳士。作中でビッグマックを頼むシーンなど、少しそのイメージから逸れたユーモアのある一面にも好感を持った。


 主人公エグジーの成長ぶりも観ていて面白かった。色々あって彼は「キングスマン」の候補生として様々な試験に臨んでいくのだが、初めは田舎の不良みたいな風貌だったのが、試験を通して「紳士」として学び成長していく。王道な展開だが、それゆえに純粋にストーリーを楽しむことができた。終盤のエグジーは本当にカッコいい。拳銃を片手に繰り広げられたアクションシーンはかなりの見応えがあった。ちなみにエグジーの1番好きなシーンは、潜入の際に武器を選べと言われ、ハリーと会った時に彼が持っていたのと同じ「傘」を手に取るシーン。詳しくは書けないが、かなり胸が熱くなるシーンだったと思う。


 もう一つ、僕が楽しめた見どころが「スーツ」だ。もともとスーツには興味を持っていて、好きなバンドも演奏時にスーツを着ていたりすることから、何かとスーツには注目してしまう。「キングスマン」はいうなればスーツのオンパレード。まず、本作メインの組織である「キングスマン」は表向きには高級スーツ店を経営している。イギリスの仕立て屋には行ったことがないので分からないが、スーツの起源でもある本場イギリスの仕立て屋はこんな感じなのか、と本作を観て想像が膨らんだ。

 登場人物が見に纏うスーツもカッコよかった。特に、終盤の主人公エグジーが身に付けたダブルスーツには「惚れた」。前々からダブルスーツに魅力を感じていた自分だが、彼のダブルスーツを見てその思いは確固たるものへと昇華した。よし、ダブルスーツ作ろう。もちろん、防弾仕様で。

…とまあ、今回観た「キングスマン」は最高に楽しめる作品だった。「楽しいスパイ映画を作りたい」という製作陣の本作におけるコンセプト通り、観ていて本当に面白い作品だった。最後のバカみたいなオチも含めて。

 続編を観るのが楽しみだ。その時はまた、感想を書くことにする。

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