たくさんの秋…。 また出たら…庭には奴が転けていた…。
「こんなに沢山の秋があるのか…?」
なにかを感じられるようになった…保護犬おかづ…
午前中、今日は暑くなるからと庭に放し飼いにされた。いや、ただ放たれた。
ほったらかし…😳
いきなり、おかづの目に入る…。
「お~っ…!あそこ…!」久々だ…。
この前会って、気になっていた奴。
真面目に黙々と荷物を運ぶ小さい奴にまた会った。
嬉しくて、すぐに声をかけようと思ったが、仕事してる奴に偉そうに声かけるのも恥ずかしく、小声で
「よ、久しぶり…」と言ってみた。
が…、奴は黙々と荷物を運ぶ。
はて、違ったか?どんな匂いだったか?と匂ってみる。
……!
無視!?
今度は後ろからそっと近づいて匂うが、奴は脇目などもふらず淡々と…荷物を運ぶ。
無視!
……!
匂いは、さっぱり分からん!違いが分からん…!
君ら多すぎるのだ。
他の並んで荷物を運ぶ奴らならかまってくれるかもと、今度は急に「ひょい!」と顔を出して驚かせた。
が…、一瞬奴らと小さな小さな目が会っただけで、奴らは驚かなかった……!!
これは、後や横からじゃだめだ。
少し休憩して気を取り直し、よ~し今度は…、並んで運んでる奴らに思いきって…正面から顔を出し匂ってみた。
のに…、
そんなに君ら忙しいか…?
無視された。「なんて日だ!」
「フンッ…」きっとみんな、やけに忙しいのだろう…。秋やからな…。今、みんな仕事溜まってるしな。そりゃしゃ~ない…。しゃ~ないで「フンッ…」と伏せた目を上げたとき、目の前で…、
奴らが転けてる…!
「えっ!…?」
転けたこの奴…。最後の鼻息で飛ばされたあの奴…。荷物だけは離していなかったそいつ、足滑って絡まった奴、ただ変な奴…。
なんで…?なんで君ら転けてる?
「あのな、なんで?。君らは犬に興味ないんちゃうの…?」と聞くと…、
「ミンナ…と、チャウデ…」と奴らに言われた気がした…。
「わざと転けたんか?ほんまかいな…」と笑いながら、みんなで走り出した…。
おかづと蟻たちは走った…。
犬転けた桐の一葉に足取られ
足取られ桐の一葉に蟻も転け
桐の一葉を振り返り目を合わす
ほんまかいな…
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