俺と横綱の無限土俵 ~世界一短いタイムリープ~
初顔合わせは上手投げにて瞬殺。
十五戦にして叩き込みで初金星。
撒いた塩が煌めく。満員御礼の熱気が肌に伝わる。
現人神の存在感が世界を塗り潰す。
発揮揚揚!
やられた!思った時には既に廻しを引かれ、よろめくことすら出来ない。数秒の攻防、天地逆転。
これじゃダメだ。これじゃ――
幻の決まり手、襷反りに敗れたのは三十ニ番目。
撒いた塩が煌めく。満員御礼の熱気が肌に伝わる。
直前の対戦を思い返し、気を引き締める。
発揮揚揚!
瞬間。完璧な立ち合い。渦亀関は重く巧い、まさに大横綱。だが組む間もなく寄り切れば勝機はある。座布団舞う中、希う。
渾身の出来。これで――
通算猫騙しは渦亀関が十七、俺が千と一。
撒いた塩が煌めく。満員御礼の熱気が肌に伝わる。
千の金星でも駄目だったか。
塩を撒き、激突し、何方かに土が付く。五分弱のループ。終らない秋場所三日目。結ばれぬ結びの一番。謎に考えを巡らせる間もなく、十万回目が時間一杯。
発揮揚揚!
【次の取り組み:〇渦亀-明鶴●(タイムリープに気付いた隙を上手投げ)】
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