見出し画像

だれか、この地獄からわたしを救って

少し前に気付けば30歳になった。
精神的にも、体力的にも、肌の調子も体型も、ここ数年まったくというほど変化がない。
だから実感がない。

平日は心身すり減らして働いて、土日は友人とめいっぱいに遊んで、たまにひとりで楽しんでいた。
のだが、先日、とてもよい友人が、妊娠したという報告をくれた。その瞬間なんとも言えない気持ちになって一瞬返事に困ってしまった。
嬉しいし、本当に素晴らしいことなんだけど。わたし、子どもも好きだし。

昨年終わりごろにあった、すこし歳の離れた姉の結婚も、その瞬間は素直に喜べなかった。

わたしにもあなた以外のコミュニティがあるように、あなたにもわたし以外のコミュニティがあるのは当たり前なのに。

あ、わたしまだここにいるんだ、ずっと地獄の淵から這い出せないのはわたしだけなんだ、そう思った。

子どもがいないことが、未婚なことが、パートナーがいないことが、地獄なのではない。
ごく一般的なステージのスピードについていけていない、この思考が地獄だ。

女性が妊娠したら安定期に入るまでの数ヶ月、そして出産前〜子育てが落ち着くまでの年単位の月日を それ に費やす(人がほとんどである)。
パートナーができればその話題も一定増える。

それがふつう。

わたしもはやくふつうになりたい。
いまさらになって焦りはじめた。

わたしには特別なことなんてひとつもないんだから、はやくふつうになりたい。

おわり