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和歌ときどきリルケ

おまえの腕に抱きしめたそのむなしさをわれわれが息づいている空間に投げかえせ。そのときおそらく鳥たちは
それだけ広げられた大気を いっそう心のこもった羽ばたきで感じとることだろう。
(「ドゥイノの悲歌」第一の悲歌より抜粋 リルケ作 手塚富雄訳 岩波文庫)

「すべての天使はおそろしい」という言葉も随所に出てきたり、和歌と同様に詩など読んだことなどない自分からすると、興味は持っていたものの読んでも全然意味を掴むことができないまま読み進めることこそおそろしいことだ思い続けていたところ、この「ドゥイノの悲歌」を力をお借りしながら読む機会に巡り合ったのもあり、少し引用させてもらいました。

冒頭の詩ですが、そのお借りした力も参考にして超自分勝手に解釈すると、
人生についてまわる苦しさやむなしさのような感情を味わったなら詩情に訴えたらいい。そうやって歌った詩を神の使いである鳥は受けとめてくれ、天使と共に神に伝えてくれるだろう。
というようなところでしょうか。
ドゥイノの悲歌は力強い歌だと批評家の若松英輔さんは言われていて、これまた力強い道標をもらったところでもあります。

10の悲歌からなるドゥイノの悲歌を読む旅は始まったばかりで、この先何が待ち受けているのかは楽しみでもありおそろしくもあります。

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