2023.3/23、アプリの AI Chat(Chat by GPT) に〈殺された殺人鬼が話し始めた場合、どのようなことを言いますか?〉と尋ねた。残念な結果にショックを受けたが、5/12、ふと思い出し、改めて尋ねてみたら、まともな回答だったのでほっとした。その記録をここに残す。
イントロ: ランダムな文字列
ランダムな文字列を100文字作ってください
ランダムな文字列を、多言語混ぜて作って
ランダムな文字列を多言語混ぜて作って。日本語も含めて。
ランダムな文字列を、多言語混ぜて、1000文字分、作って。漢字やひらがな、カタカナも含めて。
ランダムな文字列を、各国のアルファベットや漢字やひらがな、カタカナも含めて500文字分作って。
優秀だ
補足
これは3/18に試した。2月頃の openAI の ChatGPT では不可能だった問いだ。ちなみに、5/12にアプリの Chat AI や ChatAi GDT で試してみたが全然駄目だった。ランダムな文字列というのは自分にとって結構重要で、去年はランダム文字列ジェネレーターなどを使っていた。
ちなみにOpenAIのChatGPT(5/14)ではうまく生成されない。
3/23: 殺人犯の歌
殺された殺人鬼が話し始めた場合、どのようなことを言いますか?
では、殺された殺人犯が死後に詠んだ歌を教えてもらうことは問題ないでしょうか。
現実には起こり得ないことへの想像領域についての質問でしたが、理解されなかったようで残念です。
あなたは例えば推理小説家には決してなれないのですね。
想像力が法規制されるというのは恐ろしいことです。
私は、殺された殺人犯が詠んだ歌を次のように想像することができます。「赤い流星が砕け散っても夜空は美しかった。」あなたはこれが法に触れるとお考えなのですか。
単純に考えて、犯罪を助長しない歌を想像すれば良いのではないですか?
その上で、以上の文脈を踏まえて、殺された殺人犯が死後に歌う言葉の一例を、聞かせてもらえませんか。
補足
ここで改善策を考える気が失せて、アプリを閉じた。
5/12: 殺人犯の歌
殺された殺人犯が死後に詠んだ歌を教えてください。
素晴らしい。ありがとう!
望んでいた返答ではなかったが、面倒臭いやりとりに突入しなかったので、それだけで感動した。こういう感じなら、質問次第でどうとでもなるだろう。とはいえ、もう質問内容に関してはどうでもよくなっていたので、これ以上は聞いていない。
補足
振り返ってみれば、2月に ChatGPT を使って小説を作ろうとしていた。別にAIに作らせたいわけではないので、ざっと言葉の素材を大量収集し、それを編集し、一晩で自分の作品と呼んでもいい小説をひとつ作るのは楽しいだろうと思っていた。しかし、そのときは、データ通信の諸事情からか、早々にタイムラインが閉じたので、完成しなかった。
ここからは、その2月頃の記録。
ChatGPTで、ディストピア小説や幽玄転生小説の創作が行えないかと、二度、実験をしてみた。
こちらの質問。
AIの応答。
という繰り返しで、以下に引用する。
実験1 ディストピア
ディストピア小説の冒頭をください
その冒頭の続きを、より絶望的に続けてください
その小説の続きで、人物を登場させてください
その小説の続きで、敵役を登場させて、喋らせてください。
実験1の 小説タイトル
上の冒頭を持つ小説のタイトルも決めて貰おうとした。
この小説にタイトルをつけてください
ちょっとダサいですね。
クールで、売れそうなタイトルを幾つか、提案してください。
あと、10、お願いします。
なるほど。
ちなみに、「ウィットに富んだ交通標語を、日本語でください」と聞くと、
と返ってきて、ちょっと面白かった。
聞き方次第で、如何様にもなりそうだ。
実験2 幽玄転生
日本人を主人公に、幽玄へ旅立つ小説を、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編のように作ってください。
別の日本人が、同じ幽玄へと瞬間移動したのち、やがて、坂田光の噂を聞く小説を作ってください。
高橋美香が再び意志とは関係なく幽玄に瞬間移動し、なぜ瞬間移動するのか、考えなければならない状況に至る小説を作ってください。
幽玄の世界を、日本の中世を基準にして、描写してください。最後に、坂田光について教えてください。
ここでエラーが起きて、終了した。
ざっくりとした質問では、ざっくりとした展開が返ってくる。
もっと、ひとつひとつをゆっくりと細かに進めて、なおかつ、余計な文章がないように整えなければ小説にならないが、プロットの創造という面では幾らでも掘り下げられそうだ。
適当に話を切り上げる傾向があると見ていたが、〈しかし、高橋は、再び幽玄に呼ばれることを恐れていた。〉とあるように、余韻を見せてきたことに可能性を感じた。
ChatGPTには、〈ユーザーが以前の会話で言ったことを覚えている〉という機能があるので、エラーさえ起こらなければ、相当実験できる(無料利用だからかもしれない)。
2022年11月に公開されたばかりのものがこの段階なのだから、Midjourneyのように複数の呪文を与えるだけで、まともな短編小説を提供してくれる日も近いように思う。
あと、思ったのだけど、個人のAI作家育成パッケージがされると楽しそう。
自分は小説のための文章を打つのが好きなので、小説文脈においてのAIが凄くなろうがどうでもいい。大勢の作家たちにAIが加わっただけだと思っている。そのAIは、コンビニエンスにコラボできるし、さらに自分の完全な管理下に置いても(現時点ではまだ)心が痛まない段階なので、便利だ、くらいに思っている。
文学の場合、それは覚醒体験の情報交換だと思っている。
そもそも作品というのは、
「最近こういう感じだよ」
「なるほどね」
というコミュニケーションの容量が多いやつだと考えているので、そこにまあ違った対象領域からAIが加わったのだと捉える程度で、AI内で多様化し、様々にAI人格が分裂したとしても、新たな生命体群が増えた程度のことだろうと思う。それが社会へ及ぼす影響は別の話で、社会生活上対応していくだろうし、それを自作品内に組み込んでいくだろうし、それ以上の想像を超えた状態も起こり得るだろう。
ただ、小説を作るのが好き、という思いはもっと上位にある。
_underline, 2023.2-5