孤独は、時に私を罵り、時に私を鼓舞する。

オレンジ色に包まれる空も、
真ん丸の夕日を映し出す海も、
そよ風と草木が触れ合う音の心地良さも、
見上げれば無数に光っている星も、
この街にはない。

上京して2ヶ月が経った。環境が180度 いや、生きる水準が180度変わった。ここにきて、変化に応ずる感情と向き合うことを避けてる気がする。
お笑いや映画 ライブなど創作物がとにかく好きな私は、ハイペースでその会場へと足を運んでいる。ただ好きだからという理由も勿論あるけど、異常といえるほどの頻度だったと冷静になった今 少し感じている。
ふとしたら込み上げてくる寂しさが怖かったんだ。ふとしたら溢れ出す涙の意味と向き合いたくなかった。突如訪れる得体の知れない負の感情を紛らわすための逃げ道にしてたのかもしれない、と今は思う。


私、なんで上京してきたんだっけ。

この街にあって故郷に無いもの。

一人暮らしを始めて、誰にも干渉されない・何をしようと自由なのが、好都合なはずなのに それが中々悲しかったりする。

一人でいる ということは、誰にも何にも気を使わなくていいし 楽だから好きだ。好きだったはずなのに、逆にその孤独が私を苦しめる。もし私が自殺でもしたら誰が見つけてくれるんだろうとか、いつ発見されるんだろうとか、そんな突飛な思考に考えを巡らせてしまうほど。

どんなに寂しくて泣く夜を私しか知らないのも、この時間は私のものでしかないのも、どうしようもなく寂しくて怖い。今まで一緒に住んでいた家族が、私にとってどれだけ大きな存在だったか思い知らされた。
同時に、人は孤独なんだと悟った。
結局みんな死んじゃうし、不安定な何かにしがみついても いくら現実から逃げても、結局は一人で生きていくしかないんだと思った。


無数のビルの明かりじゃなくて ただ空一面に広がる星がみたい。簡単に作れるレトルト食品じゃなくてお母さんのご飯が食べたい。
でももうそんな弱音も吐いてられない。


なんのためにここに来たのか、あの時なりたかった私になれているのか。故郷で見た夢と憧れ、叶えたかったことと少しずつ向き合いたい。心と体が追いついてきた今、やっと思えている。

ひとりで生きていくこと。そして本当はひとりじゃないこと、それだけは忘れたくない。

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