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猫と暮らすということ

うちには猫がいる。
名前を呼んでも無視するが、「ごはん」で返事をする。
一緒の布団で寝ないし、人が横になっているところを踏みつける。
触らないとごはんを食べなくて、水は人の指をつたわないと飲まない。

まさに気まぐれの極み、THE 猫。

顔はとんでもなく可愛いが、芸はできない。
だけど、自分が可愛いことをわかっているので、どんなことをすれば人が喜ぶか知っている。
例えば、カーテンの下からひょっこり出てきたり、フレーメン反応している顔をわざわざ見せてくる。
人が「キャー!可愛い!」と喜ぶと、満足するのかごはんを要求してくる。

そんなあざとい猫だが、生命力が強い。とにかく強い。
過去に2度、病気で生死の境を彷徨った経験がある。
でも、16歳を迎えた今、持病はあれど、とても元気に暮らしている。

猫が病気になったことで、一緒の部屋で眠るようになった。
夜中3時頃に「おなかすいた!」と起こしてきて、それでも起きなければいたずらを開始。
お腹がすきすぎると枕元で胃液を吐き、人が片付けをしている姿を眺め、片付けが終われば、ごはんを要求する。
もうその生活を5年以上続けていて、人は永遠に寝不足だけど、猫が元気ならそれでいいと思う。

猫は病気にもなるけど、当たり前に排泄もする。
おしっこは1日2~3回、うんちは1日1回。
便秘や下痢になることもあり、上手く出ないと部屋中にうんちのついたお尻を引きずる。
人は猫がトイレに入ると息をひそめ、猫のトイレのことなんて全然気にしてないようなふりをしながら、無事に出ることを祈る。

猫を飼うって、猫と暮らすって、想像以上に大変だ。

この苦労を知っているから、「猫を飼いたい」という人には1回考え直してほしいと思う。

「おしっこもうんちもするよ?脱走するとなかなか見つからないし、高いところにのぼって下りられなくて鳴くし、吐いたら片づけないといけないし、病気になったら病院に連れて行かなきゃいけないんだよ」

『はは、そうだろうね。でも癒されるでしょう?飼いたいんだよね』

癒されるだけじゃないんだよって言ってるのに!

『それに、猫の話をしているあなたはなんだか生き生きしているしさ』

たしかにね。我が子のように愛おしくて、今後必ず来るお別れを考えると胸が張り裂けそうになるけれど。涙が、止まらないけれど。
猫と一緒に暮らしていることを後悔することは絶対にないよ。

大変なことはあっても、それ以上に幸せだと思える。
だからその分、人も猫を幸せにしたい。

すべての猫が、幸せに生きられますように。と願います。


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