見出し画像

フランス映画をみた日

初めて映画館で洋画をみた。それも20年前に公開されたフランス映画だ。

この日は、友達とカフェでランチをする予定だけだったが、午後から降りだした雨を凌ぐ場所に映画館を選んだのがきっかけだった。

カフェから近くの小さな地下にある映画館。上映スケジュールを見ると、レイトショーの欄に「アメリ」とある。

私はこの映画を全く知らなかったのだが、友達が興奮して「これ見よう!」と誘ってくれた。もはや雨宿りにはならないのだが、レイトショーで昔のフランス映画をみるなんて、なんだか素敵だしお洒落なことをしている気分だ。だから私も喜んでその誘いに乗った。

映画は午後9時から。
映画をみると決めたのは午後2時。

映画のために1日の半分を過ごすなんてのも初めてだ。ふたりでカフェに行ったり、ショッピングしたり、神社に行ってみたりしながら開場の時間までを過ごした。映画館に向かう頃には雨はすっかり上がっていた。

開場10分前に映画館に着いた。
こじんまりしている映画館だが、スクリーンは4つあり、グッズやパンフレットなども充実していた。

開場の時間になり、中に入ると、やはりこじんまりとしたスクリーンだった。

この日は土曜日だったが、連れで来ている人は少なく、ひとりでふらっと立ち寄っているような雰囲気の人が多かった。それがまたよかった。

映画は、5分ほどの予告のあと、上映された。

あらすじなどは割愛するが、とにかく、とにかく素敵な映画をみたと思った。こんなに幸せで満たされた気持ちで映画館を出たのは初めてだった。

映像も、登場人物たちの言葉も、その表情も、音楽も、すべてが美しかった。

人の幸せを願うアメリが、最後は周りの人の優しさに助けられながら自分の幸せのために扉を開くシーンは本当に印象的だった。

心から誘ってくれた友達に感謝した。
その日ひとりで出掛けていたらこの映画を素通りしていた。

この映画は上映終了日が近づいている。
今度はひとりで、来週の平日にふらっとまた同じ作品を見に行きたいと思っている。

そして雨が降ったときには、雨宿りで映画館を訪れてみようと思うのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?