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通訳・翻訳士の頭脳構成

Hola! 本日は、長年の経験で培った通訳・翻訳士の頭脳構成に関して綴りたいと思います。(個人差があるので、あくまでも私の経験です)

頭の中の言語は無い

日常生活を含め、頭の中で言語を使って考えるのは相当悩んでいる時や自分と話す時のみです。そうゆう場合の言語は、所在している国の反対語。
例えば、メキシコにいるなら日本語。
日本にいるならスペイン語で考えています。恐らく、この癖は小さい頃からどちらの言語で考えてもいい様にしようと思い自分で訓練していたからだと思います。

しかし、通訳をする時もそうですが基本的に言葉で考えずに状況を頭の中で映像化します。

想像のポイント

例)通訳する文章が「メキシコ工場の品質が下がっているので条件変更を行なったところ、生産性もさがってしまった」とする場合、下図を思い浮かべるのです:

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①訳すときはピンポイントの言葉、この場合メキシコ・品質・生産性・下がるを覚えられる様に頭で、「メキシコ内の工場で品質が下がり生産性も下がっていてパニックしているところ」を想像します。

②想像する時自分は第三者として全体図を上から見ている事。

がとても大事です。

想像する事で、文章を聞いている時に頭が自然と整理される

どの言語でもそのストーリーを発せる

言語を訳す必要はないので、頭でこんがらない

時間短縮で、半同時通訳も出来る

想像を描く事で明確な翻訳にたどり着く

言葉は十人十色

前述にも関連しますが、1つの文章を訳すにも相手がどうゆう人か、どんな言葉選びをするのかによって類語を用いて100通りの文章が作れると思います。
もし企業の通訳をしているのであれば、各自の話し方や言葉遣いで文章を工夫すると相手に伝わりやすいです。

私は、社内全体会議やメールのやりとりでYさんは色を「カラー」と言うけどZさんは「ペイントのグレード」を使うと言う情報収集をしてバリエーションを増やす様にしています。

通訳業務の本質

通訳の情や考えは絶対に訳している最中入ってはいけないからです。
通訳は、発信者の言葉を自分の知識と経験で受領者へ原型を保って伝える事が仕事です。どんなに理不尽な言葉でも、それを伝えなければいけない時は伝える事です。(人権被害等が発生する場合はモラルに関わるのでその限りではありません)
その為、私の場合訳す内容を細かく事前に知る必要は無いです。語彙力を蓄えていれば、議題だけ教えてもらう事で訳す事ができます。
経験上、事前資料やシナリオをもらって訳した事はありません。

この仕事は、人と人をつなげる仕事です。特に企業の通訳の場合、発信者が厳しい言葉を放って受領者が傷付いた時、公の場を避けて受領者に説明をする事も大切です。内容よりも人柄を知る事でより明確な通訳が行えます。

そして、分からない事がある場合は絶対に有耶無耶に訳さない。自分が理解できるまで何度でも発信者に聞くのです。それは、通訳としてのプライドを捨てて質を上げる為にとても大事です。そして、周りはそうゆう通訳を見下さない事。正直に仕事をするのは人目に立つ以上人一倍勇気がいるからです。

翻訳の頭脳構成

翻訳をする時に大事にしているのは、上述記載の想像もそうですが、声に発した時にわかりやすい文章になっているかです。
文章を訳しても、読み直して何を書いたか分からなかったりポイントがずれている事があるので、翻訳中も状況を想像しますがそれに付け加えて音読をします。

音読によって、点の付け方や接続詞の違和感が分かるからです。

通訳・翻訳で大事な事

この仕事で大事なのは、
・どれだけ受領者に明確に発信できるか
・どれだけ通訳の存在を消せるか

です。存在を消すとは、訳しているけどそれをも忘れさせる感情表現ができる事。

こちら、誤解しないで欲しいのですが自分の感情を入れる事では無いです。
発信者の感情を言葉に乗せる事です。

感謝の気持ち、喜び、怒り、不安等をちゃんと伝えなければ受領者は言葉の重みを理解できません。言葉は伝わっていても本質の問題やお礼が伝わらなければその後のビジネスにも影響します。

その為、私は言語を勉強するだけでなく文化を解る事を勧めます。
文化を解ると、人の感情や周りの状況を読みやすくなるのです。それを、通訳・翻訳時に盛り込むと質が良くなります。

言語が分かるだけでは、平たい仕事ばかりとなるので、求められる質にも限度が発生します。
そして、何より大事なのはいつでもアップデート。何でもメモを取る事で、自分の知識を増やすのです。

以上、私の通訳・翻訳頭脳構成と秘訣時でした!

これから通訳になりたい人、通訳業務で行き詰まっている方の役に立ちます様に。

Hasta luego !



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