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吾輩は、煩悩の塊である。

目を閉じたとき、あなたの前にはどんな世界が広がっていますか?

座禅を組んで瞑想するとき、私は頭を空っぽにできないです。お寺に暮らしていたし、オンライン坐禅会に参加したことも、早起きして北鎌倉の円覚寺で坐禅を組んだこともあるけれど、すぐに「あれ、あの郵便物どうしたっけ?」とか「あ、返信まだしてないや!」とか無駄にあれこれ考えてしまう。普段視覚的に見ていること、見ているようで見ずにボーッとしていることは多いはずなのに、視覚が閉ざされた途端に考えが巡ってしまう。煩悩ばかりに囚われて、頭を空っぽにするのは至難の技です。お坊さんは、考えが巡ってしまうのなら、目を閉じずにどこかを一点見てもいいでしょうと助言されていました。一点みたらそれはそれで、「なんて凹凸なんだろう」とか「綺麗だな」とか考えてしまうのですが...。坐禅を組んでスカッとするまでの道のりは遠いですが、呼吸を感じるところから日々を見直していきたいと思います。

1.『対話の企画』

さて、コピーライターの阿部広太郎さんが主催する『企画でメシを食っていく2021』が始まってからもう第4回目。今回は、ダイアログ・イン・ザ・ダークのアテンド檜山晃さんをゲストに迎えた『対話の企画』でした。

☟企画メシの詳細や前回の振り返りはこちら

あの、ごめんなさい。気付かれる前にごめんなさい。

初回の振り返りから一向にnoteを投稿せずに、つらつらと下書きに溜め込んでいたことを。しかも、実はもうすぐ第7回目の「ラジオの企画」が始まるところ...。なんと、3ヶ月ぶりです...。あの神様のような阿部さんが”金曜日までにぜひnoteへ。”と毎回声をかけてくださっているのにもかかわらず、初回以降一向に投稿していませんでした...。それに、2回目ではなく4回目からの投稿...。罪悪感ありありですが、ね、あの有名な、スターウォーズも、公開した順番バラバラでよくわからないじゃないですか。なので、大丈夫です。世界は優しいです。

長くなってしまうから公開する手が止まるんだろうなと思い、柑橘系の匂いが風に運ばれてくるように爽やな感じにしたいと思います。

※今回の課題はこちらでした。

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【課題】『対話の企画』
目を閉じてパラリンピックを「音」で観戦してきてください。
そこで発見したことを「40秒」で話してください。

※パラリンピック開幕は8/24火。
※無観客なので、スポーツそのものの音がよく聞こえると思います。
※音声ファイルで提出。
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この課題に取り組んだときは、ちょうどパラリンピックの時期でした。もう遠い昔のようですが、この課題が出された時は、ワクワクが止まらずに海へ駆け出したことを今でもよく覚えています。夏!!もうこの時から、完全に檜山さんのファンでした。

2.わたしの答え

「音」で観戦する、ということで視覚を閉ざすにはどうしようと思い、まずはラジオで観戦してみたのですが、実況の情報量が多くて競技の音に集中できなかったので途中で方向転換。今度は、目元をスカーフで隠してパソコンで観戦。目を瞑ってスマホのメモアプリに感想を入力していたのですが、後から見ると誤字脱字が多すぎてわからない仕舞い。今度こそは!と自分で実況中継をして録音するようにやってみました。

課題に取り組むまでの道のりが長くて、普段からVoiceOver機能を使用して高速でiPhoneを使いこなす檜山さんの凄さをしみじみと感じていました。あと、檜山さんがヒールの音でダンスを味わってPerfumeのショーを楽しんでいる話も学生時代は野球部だった話も好きです(檜山さんのことを調べすぎて、ひやまっちノートができました)。講義の時に檜山さんが点字Tシャツを着て、触り心地でどんな服かわかるからいい〜という話をされていて、講義後に怒涛のように点字Tシャツを探したけれどお気に入りが見つからず、自分で作って贈りたいと思っていたけれど、デザイン決めるのに難しくて挫折したんだった...と思い出しました。面白いものが沢山あって、自分にとって未開拓な世界だったなと深々に感じました。視覚障害の有無に関わらず、使いやすく綺麗な点字カレンダーは来年のカレンダーにしようと決めました!(話脱線しすぎました...)

そんなこんなで、できあがったわたしの答えがこちら!(音声→テキスト)

「檜山さんこんばんは。こちら鎌倉は夜の10時。あなたとハイタッチしたい、Saimiです。音での観戦、初めは深夜便で降り立った異国の空港で客引きされている様な、スパイスカレーを食べて口の中に広がるカルダモンの味の様な迷子の時間がありました。答えを探すように自分で実況モードになって解像度を上げていく感覚もありました。わくわくするお題をありがとうございます。檜山さんがどう観戦していたのか、企画生の皆さんはどんな気づきがあったのかシェアできる日を楽しみにしています。それではいい夜を。Saimiでした。」(40秒、FKJ『Ylang Ylang』にのせて)

リオパラリンピック閉会式で檜山さんがショーに出演された際に、MIKIKOさんと椎名林檎さんが『東京は夜の七時〜リオは朝の七時〜』を選曲した話に感動していたので、「鎌倉は夜の10時」をどうしても言いたかったです。それと、音で観戦した時の感想は忠実に自分のフィルターで伝えようと思い、「深夜便で降り立った異国の空港で客引き」「カルダモンの味」を選びました。暗くて言葉のわからないちょっと緊張している空間で感じる蒸し暑い夜の匂いとか、これなんの味だっけなを考えるスパイシーな時間を表現しました。違うように暮らしながらも確実に同じことで分かり合える檜山さんとの対話を意識したときに、共通言語のような「匂い」や「味」の感覚をどうしても組み込みたかった思いもあります。色々考えてはいますが、視覚を閉ざされだ状態で感じた「音」があまりにも自分にとっては迷子の時間だったので、それを40秒に込めました。名前を最後にまた伝えるのも、ポイントです。

お気づきの通り、檜山さんがとても好きなので。ここで、檜山さんが、以前インタビューで話されていて印象的だった言葉たちをぜひ共有させてください◎

■「物が見える人たちって、基本的には五感全てが使えるはずなのに、ほとんど目しか使っていないなと感じていて。」
→今回の課題で強く深く感じました。視覚に頼りすぎていました。

■「みんなと同じものが使えるのがすごく嬉しい。」
→これに対する聞き手の【「使いやすい」は必ずしも「使いたい」とは違う。そんな中で「誰もが同じものを使える」というユニバーサルデザインの大切さを改めて思い知った。】という言葉にもハッとしました。

■「僕の人生は【大変】が前提なんだな、と少し違和感がありました。お互いゼロベースで出逢い、それぞれが持つ大変さの違いを知り、感情や心の部分の共有ができればいいのかなと思います。」
→ まさに!この違和感を解消するためにも対話があるよなと、対話する空間を作る、対話に向き合う檜山さんからのこの言葉は忘れません!

3.対話したいと思う相手って?

今回のテーマは「対話」。みなさんはどんな相手と対話したいと思いますか?

わたしは、【対話→ 共に同じ時間を過ごしてお互いの人生を垣間見ること】と解釈しました。一緒に食卓を囲みたいな、これまでの人生の中で培われた価値観に触れたいな、わたしのことも知ってほしいな、そうして仲良くなりたいなと思う方と対話したいなと思いました。今回、他の企画生の方の課題も全て聴いたのですが、声の暖かさや心地よいテンポ、そばに人を感じられるところ、話し手の感覚を味わえる内容などに特に惹かれることが多かったです。

どんな関係性の相手でも、対話できることって大切だし、結局はそこに尽きるのかなと感じました。思いやりも優しさも。全てはコミュニケーション不足だろうな、とドラマを見ても映画を見ても友達からの相談話にも感じてしまうようになったので、人類がみんな素直で思いやりを持って対話できるようになったらいいのになと。それはそれで面白味がなくなるのかな。はい。

4.愛おしの感動メモ

企画メシでは、毎回企画生の回答をシェアし感動メモというものを書きます。今回は、「あなたが対話したくなった3人を選んで、その理由を言葉にしてください」でした。その推しのひとりに選んでくださった方がいて、自分の声がこうして届いているのかと思うと嬉しくて、飛び跳ねています。ありがとうございます!!ぜひ紹介させてください。企画生の菜波さんが、これを幸せの循環と話されていましたね(好きです!)真似させてください💫

この比喩表現は一体どこから来たの!という大きな驚きを伴った強い共感を覚えました。また一貫して夜の空気を纏ったような表現をされていたことも印象的でした。言葉も表現も私がとても好きな要素が詰まっていたからこそ、言葉や表現がどこから来たものなのか聞いてみたいです。

→ 日頃、比喩表現ばかりしてしまうので「あー、自分の脳みそもっと賢くなれ!」と思っているのですが、驚きや共感を持ってもらえて嬉しいです。対面で話す日が今から楽しみです。ありがとうございます!

心地よいメロディーと共に話されていたのが印象的でした。声や話し方から人柄の良さが伝わってきました。また、「深夜便で降り立った異国の空港で客引きされてるような、スパイスカレーを食べて口に広がるカルダモンの味のような」と言う表現も秀逸で、この言葉選びをする人が普段どんなことを考えたりどんな本を読んだりしているのかが凄く気になりました。

→ 完全にFKJの心地いい音楽に頼ってしまいました...。人柄の良さや選んだ言葉を褒めていただけて嬉しいです◎ 日々の話も本の話もぜひさせてください〜。ありがとうございます!

もうとにかく、伝え方の世界観と目を閉じて試合を観戦したときの第一印象の表現力が素晴らしかったです。「深夜便で降り立った異国の空港で客引きされているような」という比喩は私の中で生まれた感覚と非常に似ていました。私の心の中の感覚を言葉にしてくれた!という喜びもありました。そして、伝える上での世界観は私にこの上ない心地よい感覚を与えてくれました。伝える内容も大切ですが、どう伝えるかということは文字で書く言葉だけでなく、音でも同じく大切なことであると気づかせてくれました。

→ 「どう伝えるかということは文字で書く言葉だけでなく、音でも同じく大切なことである」いい気づきですね!私もこの課題を経て、音の難しさや面白さを感じました。嬉しいコメントをありがとうございます!

夜のくつろぎバーのような、ラジオドラマのようなBGMと声。面白くて聴きやすくて良いな~と思ったけど、私の判断軸からは少し異なる。それでも、それでも、3選に入れたかったのは、「異国の空港」「スパイスカレー」という比喩が強く印象に残ったからです!私は「22年も生きてきたのに、目を閉じただけで赤ちゃんになっちゃった」と思いました。想像以上に分からなくて、急に、つかまり立ちを始めた赤ちゃんのようにグラグラで不安定で、軽くショックを受けながら徐々に、練習を重ね、少し余裕が出てきて、発見や面白さを見つけたという感じでした。
戸惑いを情緒やユーモア多めで表現していて、ひやまっちみたいだし、人間的魅力が溢れていて、弟子入りしたくなりました笑。

→ 「ひやまっちみたい」は最高の褒め言葉すぎて、一杯やりたい気持ちです。この感動メモこそ、戸惑いを情緒やユーモアで表現していてとても好きです!ありがとうございます◎

囁いているような話し方だと1人の相手に伝えようとしている雰囲気が伝わってきました。ひやまさんや他の企画生がどのように観戦していたのかという文章を終わりの方に持ってこられていたこともあり、より録音だけれど対話している/できているを感じることができました。

→ 「対話」の企画だったので、聴いてくれる人と対話するように話しかけることを意識していました。汲み取っていただけて嬉しいです。ありがとうございます!

ラジオ風の音声(間違っていたごめんなさい!)、とてもいいですね。大勢に向けて発信されているのに、自分に向けて話しかけてくれているような感覚になれる。
ハイタッチをしたいには、心と心のつながりを持とうとしてる意志が。カルダモンの例えには、きっと目の見えないひやまっちさんへの配慮が。そして結びの「シェアしたい」には、これからの関係性を維持していきたい気持ちが感じられて。耳ざわりがよくて、思わずリラックスして聴き入ってしまいました。どんなことを考えながら構成を考えたのか、ぜひ機会があったら聞いてみたいです。

→ 一つひとつの言葉に意志や配慮を感じ取っていただけて嬉しいです。自分の音声を聴く檜山さんとの対話を意識したので、音を味に変換することが自分にとってはポイントになっていました。優しく温かいコメントをありがとうございます!


結局、ものすごく長くなってしまいました。企画メシもあと残り2回なのですが、ここで学んだことや感じたことを忘れないように日々精進していきたいものです。柑橘類の爽やかさをお届けできた感じはしませんが、こたつに入りながら食べるみかんみたいなnoteでした。ありがとうございました!!!


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