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私を変えたこと vol.1 (TBE)

こんにちは、ニュージャージーは小雨です。朝ごはんを食べて、ジムにそのまま行こうと思い歩いていたら、思った以上に空気が気持ちよくて、パッと書きたいことが思い浮かんだので、カフェの席がいっぱいになる前に、いそいで寮に戻り、パソコンとノートを取りに帰って戻ってきました。

そして後ろから聞こえてくるのはミュージカル専攻の生徒たちが歌う、Raise You Up~♪(from Kinky Boots) ええ曲。是非。

さて、今日のテーマは “私を変えたこと”です。何回か機転があったのでvol.1としておきます!(笑)

私は小さい頃に映画のアニーを見て、踊りたい!となり、ミュージカルに出会い、舞台に立つという夢を叶えるための道を突っ走ってきました。なぜ、とか、今は、とかは長くなるので、また別の機会に話しますね!

私を変えたこと、それはThe Broadway Experienceでの体験です。

The Broadway Experience とは

The Broadway Experience(ブロードウェイ・エクスペリエンス)、通称TBEは、ミュージカルの本場アメリカで活躍する講師陣が、ダンス・歌・演技などのレッスンを各地で行う集中プログラムです。私は、ニューヨーク、大阪、東京で計5回、日本は初回から参加しました。

日本での今年の申し込みも始まっているので、私の体験を参考にしていただけたら嬉しいです。ホームページはこちら↓

「TBE春の6日間集中プログラム」は、ミュージカル俳優に必須の3要素(演技、ダンス、ヴォーカル)を、年齢と経験に基づき3つのレベルに分かれて、レッスン、ワークショップ、講義など65クラス以上を提供します。

私の経験

まず、私は小学生の時から、目立つのは好き、だけど注目されるのは苦手。というなんとも良くわからない性格でした。人前に立ってまとめたりするのは好きだし、おてんばでうるさいけど、先生に当てられて注目されるとなぜか泣きそうになる(笑)。そんな私が舞台に立つ上で、克服しなければならないことはたくさんありました。人前で踊ること、歌うこと、大好きでした。しかし、人前でセリフを言うこと、表情を変えること、が本当に本当に苦手でした(致命的)。

通っているダンススタジオの友達に誘われ、TBEを知り、大阪で日本での初回が開催されると知り、参加することにしました。

初めて参加したのは中学1年生の時でした。年齢も様々で、そのころは小さい方でした。レッスンはほとんど全て英語で行われて、通訳の方が訳してくれる、というものでした。求められることが、いままでやっていたことと完全に違う方向からのアプローチばかりで、毎日のレッスンが緊張の嵐でした。ダンスのスキルをあげることばかり考えていた私は、打ちのめされる毎日でした。

全国から集まる同じ夢を持つ子たちの表現力に圧倒され、表情一つ変えるのにも恥ずかしい自分がものすごく悔しかったことを覚えています。ただ、毎日一緒に過ごし、支え合うその環境が、本当に楽しかったです。

その次の年、今度は日本人の友達と二人で、ニューヨークのTBEに参加しました。中学2年生の時でした。初めての海外、英語もわからない、知らない場所で学ぶ、全てが刺激的でした。そして、またまた打ちのめされ続ける毎日でした。アメリカの子達は、表現をする、というのは大前提で、おもいっきり自分を表現する子達の中、私はまだ“殻を破る”というかなり遅れたところからのスタートでした。

歌のレッスンの時、課題曲を一人ずつみんなの前で発表するという時間がありました。順番は挙手制で、もちろん全員歌います。しかし私はなかなか手すら挙げられず、隣で通訳をしてくれていた先生から、「私は何もしないよ、自分でどうにかしなさいね」と言われるくらい、前に出ることができませんでした。やっと手を挙げて、拙い英語で「私まだ歌っていません、歌わせてください」と言って、やっとこさ歌いました。

この瞬間は今でも鮮明に覚えています。足は震えるし、声も出ない。みんなの視線が私に集中している。表現することもできず、突っ立ったまま、シンデレラの“In My Little Corner”を歌いました。

先生からのコメントは、「英語の発音や音程はとてもいいから自信を持って、あなたに必要なのは表現すること。あなたの表現を見たいから、日本語で歌ってちょうだい。日本にこの歌詞がないなら今作ってセリフでいいから動きもつけて話してみて。」

もうすでに恥をかいていた私は、ここで何かが吹っ切れて、日本語でその歌を喋り、精一杯表現しました。

先生たちはそれをすごく褒めてくれました。私はあの日が一番恥ずかしかったなので、それ以来、あれより恥ずかしいことはないよな、と思うようになり、大抵のことは動じなくなりました。(笑)

無事に最終日のパフォーマンスも終わり(CHICAGOでした)

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2週間のニューヨーク生活も終わりました。しかし!!やりきった達成感をはるかに超えて出てくる自分への課題。やはり殻を破ること。

あれから何度も参加し、その都度成長を感じるものの、やはり殻を破りきれない自分。模擬オーディションでの先生からのコメントはいつも、“紗江から何も感じられない、変わってない”でした。即興演技でも、笑いを取る子達がいる中、空気を変えられない自分が悔しくて、恥ずかしくて仕方ありませんでした。

それが数年続き、殻を破った!と感じたのは高校3年生で参加した私にとって5回目の、TBE in Tokyoでした。高校2年生の時、オーストラリアへ1年留学していたこともあり、絶対に変わった自分を見せたくて、向こうで得た強さと英語を活かし、今まで以上の気合いで挑みました。初日のレベル分けオーディションでも、緊張をコントロールできるようになってきた私は、周りを見ず、自分だけの表現に集中し、初めて納得のいくパフォーマンスができました。

その年のクラスは、必ず前に出る、一番に手を挙げる、とりあえずやる、と心に決めていました。そして、模擬オーディション。歌、演技、ダンスです。今回は自分との戦いでした。一緒に泊まっている子と夜中まで練習して、本番前は、誰にも会わず、階段でずっと役への気持ちを作っていました。オーディションのセリフは、コーラスラインのキャシー。自分でその前のシチュエーションを想像して、その気持ちのまま、審査の部屋へ入り、セリフを話しました。そしてそのまま歌へ。

はじめてこんなに出し切った。そしてものすごく楽しかった。緊張と恥ずかしさを超えた先の表現は、こんなにも清々しくて楽しいものなのか、と殻を破ることの楽しさを知った瞬間でした。

オーディションが終わり、生徒一人一人にコメントをくれる時間になり、先生方は、今までの私との違いに驚いたと言ってくれました。

“Now, I can see SAE."

毎年見てくれていた先生に言われた瞬間、涙が溢れてきました。今まで何年もできなくて悔しかったが日々が、報われた気分でした。本当に頑張ったね、今年、Saeから本当に “I need this (掴んでやる)” というパワーと情熱を毎回感じた、目が違った、とみんなの前で私の今までを話してくれました。

もちろん、私はまだまだだし、毎回できる、というわけではありません。しかし、できた、というこの経験はそれからの私を強くしています。気がつけばTBEでの経験が私の日常を変えていました。日々のレッスンや、知らない環境へ飛び込むこと、人前で話すこと、自分を出すこと。

参加していた子達ももちろん十人十色。私のように表現に課題がある子もいれば、自分を出すのは得意だけどスキルが少し足りないという子や、ダンスは得意だけど歌は苦手という子、様々です。完璧な人は誰もいなくて、お互い補い合って、アドバイスをしあう。プロじゃない今だからこそ、たくさん恥をかける場所があるのは本当にありがたかったんです。恥ずかしいところをたくさん見せるもんだから、最終日にはみんな家族のよう。TBEで仲良くなった子達は今でも連絡を取ったり、舞台を観にいったりしています。

私の場合、緊張する時って、こうやって思われたらどうしよう、とか自分の弱みを見せたくない、完璧でいたい、と思うから緊張します。だけど、それを自分じゃない人に置き換えて考えてみると、その人が何かをして失敗したり、恥をかいていても、勇気があるな、かっこいいな、と自分は思うと気が付いてから、弱いところを見せることをに抵抗がなくなってきました。

今も、アメリカの大学で授業を受けるとき緊張してしまうから、これを書いてて自分に言い聞かせているような気持ちでした。最後まで読んで下さり、ありがとうございます。過去のTBEの動画も載せておきますので、是非みてくださいね^^私を探せの巻。


TBE 2014 in NY (私が中1の時のショートフィルムです)

マイフレンド、れおと参加しました。幼い私を見つけてください(笑)YoutubeとVimeoどちらでも見やすい方で見てくださいね。

TBE 2017 in Tokyo (私の歌...!)

これはインスタのIGTVに載せますね!成長段階という風に温かい目で見てくれることを願います。初めてソロで歌わせてもらった時のです。緊張したけど嬉しかったなあ。

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