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Diaryというか心象?_海辺で

クリスマスの日は、キール(Kiel)の街の海辺を友人と二時間くらい歩いていた。ウミネコが鳴いていて、浜辺には犬をつれて散歩している人たちがたくさんいた。なにについて話していたのか、と聞かれると、とりとめもないことばかりで。だけど、彼女が、仕事の方は問題ないけれど、どうしてプライベートライフがこんなに「Shit」なのかみたいなことをずっと話していた。

世の中、失礼な人や、共感性が0な人、自己中心的で他人について少しも想像できない人、そんな人たちがけっこう溢れているんだよな。彼女が普段過ごしているベルリンでの暮らしはなかなか大変そうだった。

たしかに、先日、ベルリンに遊びにいったときに、私たちは、たぶんイスラミック系の男の子たち(10代位だと思う)5人くらいにキャットコールかけられるということがあった。イラっとした友人が、「お前ら何歳やねん(ドイツ語で)」って切れたら(私は無視して欲しかった)、そのうちの一人があとからつけてきて、私たちに向けて、水をかけてきた。笑いながら追いかけてくるし、ジェスチャーも見たことないような動きで結構、怖かったよ。そのあと、しばらくずっとつけられてて、ようやく振り切ったところで、近くにいたドイツ人たちが、「大丈夫だった?」って声をかけてきてくれた。もっと早く声かけて助けてよって思ったけれど、人ってやっぱりなかなか勇気でないもんなんだよね。とにかくクレイジーな経験だった。

でも、振り返ってみれば、ベルリンとまではいわないけど、東京だって失礼な人との遭遇率は結構高かった気がする。人口が多くて、匿名性の高い街だから、ちょっとなにか人間関係がこじれてもすぐにフェードアウトできてしまう。だから、信じられないくらい行動の意味が分からない人たち、結構いたな。それでもね、なかには対話が通じることもあった。

例えば、恵比寿のワインバーで飲んでたときのこと。隣の男性は、たぶん50代くらいの人で、話を合わせていたら、「このあとパスタを食べにいきませんか?」と誘われたから、当時断る理由もなかったから、一緒にパスタを食べにいった。

色々話しを聞いていたら、彼は大手企業で働いていて、だけどうつ病になって休職中だということだった。それまで、彼がよしとしてきた価値観が崩れていくようで、同期ともまったく会話がかみ合わなくなったとか、あと仙台にいる彼女とその娘さんとの関係とか、なんかそんなことを話してくれた。

最後に、彼は、「全然タイプじゃなかったけれど、実はめちゃくちゃ女子力高いですね」と私に言ってきた。ここら辺がなんかバブリーなおじさん臭が少しするよねと思いながら、「ありがとうございます」と言った。正直、こっちだって一ミリもタイプじゃなかったけれど。けど、その彼は、結局、恵比寿駅のプラットフォームまで、私を見送ってくれて、なぜか電車が出発するまで、ずっと頭を下げてくれていた。おじぎだよ?変だよね笑
でもなんだかんだですごく礼儀を尽くしてくれたのだなって思った。

こんなこともあった。よく行ってた立ち飲みバーで、常連の男性と政治の話だとか、憲法の話だとか、なんかすごくどうでもいいことを話していた。お酒も手伝って、楽しくなったので、そのまま近くの公園まで散歩することになった。すると彼が私とセックスがしたい、しかも定期的にと、申し出てきた。まず、もうぜんっぜんタイプじゃなかったの。ごめんね。それに、私は彼の奥さんのことも知っていた。彼にはだいぶ引いたけれど、奥さんが前に私に、「彼とはめちゃくちゃ好きで結婚したわけじゃないの。だから別にドキドキなんて一切ないわよ」と彼の横で笑いながら言っていたことを思い出した。だから、「確かに厳しそうな奥様ですもんね。そりゃときに辛くなるの、分かりますよ」と、諭すように言った。彼は「すみませんでした」と言った。そのあとは、普通に会話して、さよならをした。いまでも近所のご飯屋さんとかで、彼と出くわすことはあるけど、すごく丁寧にお話しをしてくれるようになった。

こういうこともあるから、できる限り、誰に対しても丁寧でいたいとは思うんだ。それが裏切られる結果になったとしても、まあそれはそれで、きっと相手に何か問題ないし事情があったのだろうって気にしないようにしてる。


だから、友人に対しては、人は鏡だから、もしかしたら、あなた自身が相手を軽く扱っていることがその相手にも分かったのかもしれないよ、とだけ言っておいた。とはいえ、彼女の話しに出てくる男性陣は、ひとことで言うと、いやいえない、「アンビリーバブル?どうして?なんで?行動の原因が分からん」みたいな、ちょっと動物のような人間が多いような気はした。

「人生って複雑で難しい。Life is complicated and difficult.」と彼女がぼそっと言った。
 
どこの国に住んでいても、そうなんだ。思ったようにはいかない。自分のコントロールが及ぶ範囲なんてすごく限られているんだ。
 
 
そう!それで、家に戻ってから、アイルランドのバンドのクリスマスソングを聞いたんだ。
人生が「Shit」でも笑い飛ばそうぜっていう、そういうスピリットを感じる歌だった。私、けっこうそういう姿勢が好きなんだ。嫌なことがあったなら、笑い飛ばしてしまおうって。
YouTubeで聞けるよ。歌詞もちゃんと見て欲しいな。
もう今年のクリスマスは終わっちゃったけど笑
みなさん、よいお年をお迎えください!

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