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実際に観て感じたオンライン観劇のメリット・デメリット

先週、ソーシャルディスタンスをアートにした二条城ライトアップについての記事を書きましたが、その後にオンラインで観劇した舞台『もうラブソングは歌えない』も「距離」をテーマにした演目で統一されていました。

オンラインで舞台を観たのは初めてです。このタイトルはオンライン向けに作られたものではなく、リーディング劇とはいえあくまで一般的な普通の舞台で、無観客とは違って劇場にも観客がいました。

当然、劇場での観劇とも、Netflixなどで映画を観るのとも違った感覚がありました。今回は個人的に大満足でしたが、いい部分も悪い部分も見えてきたので、ここに記録しておきたいと思います。

配信の視聴方法

当然、演目によって観劇方法は異なりますが、今回はZAIKOというサイトを使用しました。画像はスマホ版です。

こちらはローチケと提携しているようで、ローチケのサイトからチケットを購入できます。
決済が完了すると、登録したメールアドレスに配信ページへのリンクが送られて来て、ZAIKOのIDとパスワードを入力するだけで観ることができました。チケット画面からも入室可能です。

開演の少し前にログインすると、CMが流れ、開演時間に自動的に舞台カメラに切り替わるようになっています。
アーカイブがある場合は、同じページで観ることができるようです。視聴ページはこんな感じ。

テレビなどに接続することもできるそうですが、私はPCで満足でした。詳しくはこちら

オンライン観劇のメリット

❏席運を気にしなくていい
まずこれに尽きます。
抽選にしても先着にしても、好きな席を必ず選べるとは限りません。この時期は席を減らしている劇場も多いのでなおさら。
思ったより前で全体像が見えない!最後列で演者が豆粒のよう…なんてことはよくあります。

でも、オンラインの場合は見え方に差がありません。勝手に見どころをクローズアップしてくれたり、演出としてリアルでは不可能な角度からも見ることができました。

運営さんによっては全体を映すだけという場合もあると思いますので、悪しからず。

❏家族と一緒に観劇できる
劇場では当たり前ですが基本的に私語厳禁です。終わったあとにカフェなどで感想を話すのも楽しみのひとつですが、意外と直後でも覚えてないこと多くないですか?(私がバカなだけ?)

オンラインなら家族と同じ画面を共有できて、おしゃべりも自由です。私はひとりで没頭するのも、考察を語るのもどちらも大好きです。

❏遠方でも近所でもぎりぎりまで寝てOK
舞台って開演時間より30分くらい早めに行かないといけないんですよね。遅刻したら当日券で埋められちゃうことも…。

今回12:30開演ということで、私は5分前までむしゃむしゃお昼ごはんを食べてました。いろいろ考えなくてよくてらくちん〜!遠方の方、中学生などひとりで行きづらい方も気軽に観劇できます。

❏ドレスコードを気にしなくていい
通い慣れるとどうってことなくなるんだけど、初めて舞台を観に行く時は服装に迷う人もいると思います。(ちなみにカジュアルなワンピースとか軽いジャケットとチノパンとかで十分)

家から出なくていいなら、ノーメイク部屋着でもOK。無駄に緊張しなくていい。ついでに映り込む観客をこっそり観察して参考にしよう。

❏アーカイブを視聴できる
最後。これも大きいかもしれません。アーカイブ配信をしてくれる公演なら、1回分のチケット代で時間が許す限り何度でも視聴可能です。

もちろんリアルタイムではなくなりますが、多少遅刻しても見逃さずに済むので、仕事や授業の時間と重なっていても安心です。聞き逃しなどの確認も可能。ありがたや。

オンライン観劇のデメリット

❏好きな見方ができない
カメラが決まっているので、ずっと全体像を見ていたい、好きな演者さんだけを見つめていたい、ということは叶いません。登場人物の多い演目ならなおさら、見たいポイントがクローズアップされる時間は短くなります。

今回はリーディング劇ということもあり、登場人物はふたり、演目によってはバックバンドがいるのみでした。リーディング劇ではあまりデメリットにならないかなと思います。

❏始まるまでの高揚感がない
「ぎりぎりまで寝てOK」「ドレスコードを気にしなくていい」と書きましたが、これが一概にいいとは言えません。

おしゃれをして、時間をかけて劇場に足を運び、開演までゆっくりパンフレットを眺めて…という時間がなくなります。この時間を過ごす間のむくむくと高まる期待感が失われてしまいました。

開演直前のCMも、申し訳ないんですが、ものによっては興ざめ。残念です。

❏終わった瞬間急に冷める
開演前だけではなく、幕が下りた直後にも弊害が。2本目の『Re:』は、しっとり泣ける切ないお話でした。受験勉強をする弟の前で涙が止まらず、余韻に浸りながらお茶でも〜、と思ったんですが。

閉幕のアナウンスがおわってみると、例のCMが流れるのはもちろん、振り向くと生活感の塊で、気持ちが萎える音が聞こえるようでした。

❏グッズが届くまでのタイムラグ
舞台でもコンサートでもそうなんですが、会場の雰囲気やノリで予定にないものまで買ってしまうということはよくありますよね。幕あいにグッズを開封するのもわくわくします。

しかし、オンライン観劇となると、グッズも通販で購入することになります。公演当日にノリでポチったら忘れた頃に届くわけだし、公演日に合わせて買うとなると事前の冷静な段階で選ばなきゃいけないし…困った。

❏どうしても臨場感に欠けてしまう
これは予想通りの結果です。これ前提でチケットを購入することになると思います。オンライン向けの演出にこだわっている演目でない限り、この問題はついて回りそうです。

やっぱり、DVDとの違いがあまりなくて、むしろ円盤の方がきちんと編集されててCMもないからいいのでは?となってしまうかも。

今の状況がまだまだ続くなら、劇団などの方々にはぜひ、チケット代が上がってもいいからリアルとオンラインどちらも変わらず楽しめる演出を追求していただきたいなと思います。それもひとつの表現になるだろうと期待しております。

まとめ

メリット
❏席運を気にしなくていい
❏家族と一緒に観劇できる
❏遠方でも近所でもぎりぎりまで寝てOK
❏ドレスコードを気にしなくていい
❏アーカイブを視聴できる

デメリット
❏好きな見方ができない
❏始まるまでの高揚感がない
❏終わった瞬間急に冷める
❏グッズが届くまでのタイムラグ
❏どうしても臨場感に欠けてしまう

デメリットを解消するためにどう工夫するか、も大切ですが、これからは配信のために作られたオンライン演劇が増える方が先かもしれないな、と思います。

今回『もうラブソングは歌えない』を観劇したのは、他ならぬ葵わかなさんが出演されていたからです。私と同い年で、実は7年ほど前からファンでした。

葵わかなさん出演の『Re:』という演目で相手役を務めた古川雄大さんは、話題のロンドン・ナショナル・ギャラリー展で音声ガイドを担当しているイケボさんということもあり、リーディング劇にぴったりなおふたりでした。ロンドン・ナショナル・ギャラリー展も行ってきたので、後日ほかの記事で触れようと思います。

他の出演者も大御所さんばかりで期待していたのですが、正直都心に出るのは不安もあったので、オンライン配信をしていただいて本当に助かりました。

でもやっぱり生で観たい気持ちは変わりませんね。9月にまた小さな演劇を観に行く予定です。消毒液買い足さなくては。

『もうラブソングは歌えない』は、明日8月16日までアーカイブ視聴が可能です。アーカイブのみのチケット購入もここからできるそうなので、ぜひ気になる演目を体験してみてください。

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