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タイポ展で5人のタイポグラファーに"文字への想い"を聞いてみた

※本展は終了しました。

どうもとるてです!普段は大学で芸術を見聞きしたり、デザフェスのインフォメーションでにこにこしたり、思いつきで作品らしきものを作っています。

日頃、ロゴ・カリグラフィー・フォントなど、飾られた文字を見てときめくことはあるでしょうか。

文字で表現されるものの中に、タイポグラフィというジャンルが存在します。タイポグラフィにはいくつかの意味があるのですが、芸術界では「文字をアートのように表現する」ことを指します。

そんなタイポグラフィを最も愛する17名の作家による文字の祭典「タイポ展」が、デザインフェスタギャラリー原宿にて開催されています。

私もコッソリ出展している当企画展で活躍する、5名の出展者の方へお話を伺ってきました。

【E-4】たかしーさん

文字への愛が止まらない

最初は、タイポ歴1年のたかしーさんです。設営時には、ご自身で作ったというバッグを身に着けていました。

タイポ人生の第1歩は、フロップデザインのフォント制作プロジェクト「平成最後のフォント」だったと言います。参加者300名が1人1字ずつフォントを制作したこの企画で、たかしーさんは「8」の文字を担当しました。後日訪れた文字フリマでこのフォントが使用された作品を発見し、もっと自分で作品を作ってみたいと感じたそうです。

今回、ギャラリーなどで開催されるオフラインイベントへの出展は初めてだというたかしーさん。タイポ展に向けて、大きなポスター1点に集中して作品を完成させました。経歴1年とは思えないほど、堂々とした作品です。

実際の作品はぜひ会場で

出展経験は少ないものの、Twitterにはほとんど毎日素敵なタイポ作品がアップされているほか、SAKUZINEという作字企画にも携わっています。デザインフェスタへの出展にも興味があるということで、今後のイベント参加にも期待が高まりますね。

あなたにとってタイポとは?

「道が広がる場所」。タイポ展をきっかけに交流が増え、刺激を受けました。

プロフィール
たかしー / 1996年 / デザイナー
Twitter:@ryokutya_83
Instagram:@ryokutya_mamire

【E-6】雨の日グラフィックスさん

晴れなら植木屋、雨ならタイポ

2人目は、雨の日グラフィックスの内記(ないき)さんです。設営日の朝には、歩けないほどの大雨が降るという名前にぴったりのハプニングが。これまでの作品を詰め込んだオリジナルTシャツが雨上がりの原宿に映えています。

「総集編」Tシャツ

内記さんは「晴れた日は植木屋」という異色の肩書を持ち、デザイナーとしては、普段使いできそうなパロディ風のタイポ作品をたくさん作っています。高校生の頃、『タイポさんぽ』の藤本健太郎も所属していたグラフィック集団「Nendo Graphixx」から影響を受け、その面影を今も受け継いでいるようです。

なんと、10回ほどデザインフェスタに出展されているデザフェス常連さんでした。タイポ展については、会期中にイベントスタッフから勧誘を受けて知ったのだそう。デザインフェスタギャラリーでの出展は初めてということで、「見た人に満足してもらえるように」とスペースを余すことのない膨大な作品数を展示し、気合十分です。

11月に開催が予定されている、デザインフェスタvol.52にも出展が決まってます。

あなたにとってタイポとは?

タイポは「表現のひとつ」。楽しく続けていきたいです。

プロフィール
雨の日グラフィックス / 1987年 / 植木屋
Twitter:@amenohigraphics
Instagram:@amenohigraphics
ウェブサイト:http://amenohigraphics.net
オンラインストア:https://amenohigraphics.booth.pm

【E-2】みさきさん

アイデアが光るデザイナーの卵

続いてご紹介するのは、大学3年生のみさきさんです。大学ではパッケージや広告などグラフィックデザインの勉強をされていることもあり、モチーフの特徴をつかんだユニークで愛らしい作品が目立ちます。

彼女がタイポグラフィーに出会ったきっかけは2年ほど前、大学生を集めて行われた展示イベントでした。そこで文字を使った作品を見て、興味を持ったと言います。タイポ展には、デザインフェスタギャラリー公式サイトで「ラスト1枠」の文字を見て、滑り込みで応募したというエピソードも教えてくれました。

みさきさんも普段からタイポ作品をたくさん制作されていますが、展示は初めてとのことです。デザインフェスタギャラリーは普段から外国人観光客の来訪が多いこともあり、たくさんの来場者が作品を見てくれる姿を見ることができない現状を残念に思いつつも、「誰かに自分の作品を見てもらえる機会ができて嬉しい」と、今回の企画展に期待を寄せていました。

会場で購入できます

あなたにとってタイポとは?

「デザインを楽しめるもの」です。数ある表現の中で一番自分を表現することができ、同時に今後の「クリエイターとしての自分」を形作ってくれるものだと思っています。

プロフィール
みさき / 1999年 / 学生
Twitter:@misakisaki_

【E-7】並行世界さん

奇怪で楽しい世界の創造主

4人目は、並行世界の幽果(ゆか)さんをご紹介します。

元々ロゴやフォントに興味があり、3年ほど前から本職とは別に趣味で制作を行っているそうです。デザインフェスタを中心にアーティズムマーケットなどさまざまなイベントや企画展に参加されています。ホームページには、日常で身に着けやすい魅力的なグッズが並んでいました。

並行世界(パラレルワールド)という活動名には、現実とは交わらず存在する異世界のような違和感を表現したい、という意味が込められています。

タイポ展についてTwitterで知り、「こんなに自分の活動内容にジャストな企画展は他にない」と感じて応募を決めました。写真と文字を組み合わせたグラフィックが目を引く展示となっています。

今回の意気込みを伺うと、時期的に来場する方が少ない状況の中だからこそ、このような状況でも活動を続ける作家が多くいることを知ってもらうためのひとつの手段にもなり、参加することに意味があるのではないかと話してくれました。直接的ではなくても今後の展示に繋げたい、と展望を明かしています。

あなたにとってタイポとは?

一番ストレートでパワーのある表現方法だと思います。

プロフィール
並行世界 / 1985年 / デザイナー
Twitter:@heikousekai_31
ウェブサイト:https://heikousekai.wixsite.com/heikousekaiweb

【E-18】みなせしゅんさん

アーティスト魂が宿る「読めない文字」

最後は、デザイナーとしても活動されているみなせしゅんさんです。

フリーランスで幅広い仕事に挑戦し続けるみなせさん。元々デザインフェスタに出展するためにグッズデザインを始め、コミティアなどにも出展していました。そんな中、タイポグラフィーを始めるきっかけとなったのは、かねこあみさんの「魑魅魍魎」という作品だったと言います。

みなせさんの作字テーマは「”ILL”EGIBILITY(”非”可読性症候群)」、つまり文字の可読性へのアンチテーゼです。タイポは読めるべきか読めないべきか、という議論を超えて、ビジュアルに特化した作品作りをされてきました。

会期中に作品が入れ替わるかも?

決められた枠に収まるのではなく、自由に作品を作りたいというアーティストとしての強い思いを感じられる作品となっています。

ゲーム界隈の教訓をもとに「レベルを上げて実績で殴る」を座右の銘として掲げ、今後もさまざまな分野で活躍されることと期待しています。

あなたにとってタイポとは?

「自分という存在をダイレクトに伝えられるもの」。言語情報と非言語情報を同時に伝えられるのは、音楽と文字だけだと思っています。

プロフィール
みなせしゅん / 1994年 / フリーランスのマルチクリエイター
Twitter:@ShunMinase
Instagram:@shun_minase_
Youtube:みなせしゅん
https://www.youtube.com/channel/UC0qZuULLSvHus3b6M5SQpaA

インタビューを終えて

ここまで5名の出展者さんをご紹介しましたが、プロアマ関係なくクオリティが高くて、私も取材しながらわくわくしていました。

今回ご紹介した作家さんは全員グラフィックアートを制作されている方でしたが、タイポ展ではアナログで作品を作っている方もいます。

同じタイポグラフィというカテゴリでも、本当に色々な作品を見ることができる貴重な機会です。

当企画展は、もともと今年のゴールデンウィークに開催される予定でしたが、緊急事態宣言などを受けて会期が延期となっていました。申し込み期間はこのような事態になる前だったので、突然のことに私も戸惑いがありました。

だからこそ、延期が決まった時点でまだまだ先が見えない状況だったにも関わらず出展を決め、ここに集まれたことを嬉しく思います。

大変な時期ではありますが、デザインフェスタギャラリー原宿では入口ごとに消毒液が設置されているなど、防疫対策もされています。お近くの方ぜひお越しください。

また、Twitterでは「#DFG作字の夏祭り」でおうちでもタイポ展気分が味わえます。

ちなみに、私とせあたで出展している「セアトル製菓」については、下の記事で紹介しています。

更に、SUZURIでは出展作品を使ったオリジナルグッズも期間限定で公開しているので、見るだけでもぜひチェックしてください〜!個人的にお気に入りはコレ。

ギャラリー公式ブログでも紹介していただきました!私たちの作品はVol.2に掲載されてます☺️

タイポ展詳細

タイポ展

📌デザインフェスタギャラリー原宿
🐣EAST館 アートピース
📆2020.8.23 Sun - 9.5 Sut
📎公式ウェブサイト

↑上の記事でもチェックできます

最後になりますが、突然のお願いにも関わらずご協力いただいた出展者のみなさん、本当にありがとうございました🙇🏻‍♂️

またいつか企画展でお会いできますように!

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