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異国でコロナに罹ってしまった話

まさか自分がコロナに罹るなんて思いもしなかった。

薬局で買える検査キットで陽性反応が出た瞬間、ショックを隠し切れなかった。

それと同時に、この病気を他人事にしていたことにとても恥ずかしくなった。

人によって出る症状が違い、毎日コロコロ症状が変わるこのウイルス。

私が実際に出た症状を時系列でまとめてみた。

ちなみに、タイのコロナの現状は、全国で感染者数が一日約2万人。

陽性が出た人は即入院または病院と連携しているホテル(ホスピテル)での隔離が義務付けられている。

そのため病床はひっ迫し、病院で簡単にPCR検査をすることさえ難しい状況だ。



8月8日。

症状は、前頭部の重い頭痛から始まった。

おでこを使う目の動きをするときが一番きつかった。

実はこのとき生理1週間前で、最近PMS(月経前症候群)の症状が重くなる月が多かったため、コロナのことなんて一ミリも気にしていなかった。

8月9日。

引き続き頭痛は続いた。それに加えて、節々に違和感を感じ、少し身体が熱っぽい感じもした。

熱を測ってみると、36.6℃。

私の平熱は元々低く、35.3℃だから微熱程度だった。

それでもやっぱり「今月のPMSひどいなあ」としか思っていなかった。

ただ念のため、風邪を引いたときに必ず服用している総合風邪薬を、寝る前に飲んだ。

8月10日。

頭痛は治ったが、熱っぽさは残り、加えて鼻づまりと喉が少しイガイガしだした。

大体、その薬を飲んだ次の日には身体が軽くなっていることが多いのに、今回は違った。

「これはちょっとおかしい」と思い始めたのがこの日。

この前週、友達の家に泊まったときエアコンが顔面直撃だったから、それで風邪を引いたのかもと思っていた。

この日も前の日と同じ薬を寝る前に飲んだ。

8月11日。

平熱に戻ったが、明らかに鼻づまりと喉の痛みが前日より増した。

「これは扁桃炎か?」

この時もまだコロナだとは思ってなかった。

一旦、薬は飲み続けて、早く寝るようにした。

8月12日。

昨日まで喉の全体が痛かったのに、この日から左側の扁桃腺だけがものすごく痛くなった。

唾を飲み込むのさえ辛かった。

書くのを忘れていたが、微熱で少し身体のだるさはあったけれど、食欲が減ることはずっとなかった。

8月13日。

喉の痛みがとにかく辛かった。

鼻づまりもひどく、少し苦しさがあった。

日本人の友達から連絡があり、前週会ったタイ人の友達1人がコロナに罹った。

「え?まさか私もコロナなのか?」

動揺が止まらなかった。

この日の夜、連絡をくれた友達が薬局で買える検査キットと、タイ人がコロナに罹ったときに必ず服用するといわれる抗生剤や解熱剤、ビタミンを買って持ってきてくれた。

検査キットを使ったら、すぐに反応が出た。

結果は陽性。

「最悪だ。」これに尽きた。

そして追い打ちをかけるように、この日から嗅覚障害が出た。

タイ人の友達に通訳を頼んでもらい、かかったことのある病院や大きなインターナショナル病院に問い合わせたが、どこもだめだった。

先述した通り、今は病院でPCR検査を受けることが難しい。

「陽性が出たら即入院」ということは知っていたから、私が入っている海外旅行保険の保険会社と提携している病院に問い合わせ、やっと検査ができる病院を見つけた。

(ちなみにタイに入国する際、コロナにかかったときにその治療費等をカバーし、保険金額が10万ドル以上の保険を持っていないとタイへ渡航することができない。)

8月14日。

朝ごはんで食べたコンフレークの味がしなくなった。

朝9時ごろ病院へ向かい、医師の診断を受けてからPCR検査を受けた。

結果は次の日電話かメールで来ると言われ、何種類か薬が処方された。

8月15日。

前日、鼻づまりを軽減する薬をもらったおかげか、鼻の通りは少し良くなり、喉の痛みも少し和らいだ。

味覚は戻ったが、鼻が利かないせいでご飯の美味しさはわからなかった。

ただ、痰が絡んだ咳が出るようになり、若干肺のあたりに痛みがあった。

夕方病院から電話があり、結果は陽性。

次の日家の前まで迎えに来るから、着替えや洗面道具等をまとめておいてください、とのこと。

「人生で初めての入院がコロナか」と思った。

8月16日。

喉の痛みはほぼなくなったが、鼻声は治らず咳も出た。

お昼ごろ、家の前に迎えの車が来た。

到着した場所は、病院から一駅離れたホテルだった。

私の症状は比較的軽いから、ホスピテルで14日間の隔離が始まった。

この日は採血とレントゲンを撮った。

8月17日から19日。

身体が少しだるく、咳と鼻づまりも続いた。

パルスオキシメーターの数値は日によって変わり、99のときもあれば、96の時もあった。

8月20日。

だるさはなくなり、咳もだいぶ減った。

鼻づまりに効く薬とヤードムのおかげもあってか、鼻づまりがなくなり、鼻声も治った。

そして鼻の近くでにおいを嗅げばわかるようになった。

8月21日。

咳は全く出なくなった。

嗅覚の調子は前の日よりいいかなと思えるくらいになった。

パルスオキシメーターの数値は97だが、この日撮ったレントゲンは特に問題なかった。

そして今日、8月22日。

症状はほぼ落ち着き、嗅覚さえ元通りになればいいなというところ。

まだまだ油断できないが、今日まで症状が重症化せずに良かったと安堵している。

このウイルスに罹ってわかったことは、人によって出る症状が本当に違うことと、毎日症状が変化することだ。

とんでもなく恐ろしいウイルスに感染してしまったんだと改めて感じた。


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