1つずつ退く
私は放送部に所属している
これが過去形になる日はすぐそこにある
私は高校3年生
もう、引退の時期
放送部には、
アナウンスや朗読といった「読み」の部門
ドラマやドキュメントを作る「番組」の部門
がある
他の部員たちは、この2つの部門から
おおよそ同じ瞬間に引退する
もちろん、大会の勝敗次第だが…
しかし、私は違う
昨年の秋の大会をもって「読み」からは引退した
理由は、体調を崩したから・自分の読みが嫌いになったから、いろいろある
だから、その大会以来、ほとんど発声練習なんてしていなかったと思う
秋の大会は結構自信があったんだけどね、散々だったから
もうヤケクソになっちゃったんだと思う
それに伴って、校内放送もほとんどしなくなった
「校内放送も読みの練習の一部」だから、次の大会進出者に譲った
これは顧問からの指示だったけど、自分の本意でもあった
やったとしても、生徒の呼び出し放送くらい
そうこうしていると、半年が経ってしまった
もう自分の頭の中には、「自分が原稿を読む」という行動は消えかけていた
ところが、「最後だから」といって、お昼の放送のシフトをもらった
正直、嬉しかった
と同時に、複雑な気持ちになった
半年間も練習をしていない読みを公衆に聞かせていいものなのか?
原稿なんて当分作ってないから、作り方すら忘れかけている
でも、せっかくセッティングしてくれた舞台だからと読ませてもらった
第1項を作るのにこんなに時間をかけたのは、いつぶりだろう?
そして、こんなに読みで緊張したのは、いつぶりだろう?
読んでいる最中、原稿を読む手が目に見えるほど震えた
おかげで文字はすごく読みにくい
読みながら思ったのは、「読みってこんなに楽しいんだ!」ってこと
初めて楽しいと感じたかもしれない
なんとか読み切った
自分の最後の読み
放送を終えて放送室を出ると、1年生の時の担任の先生が声をかけてくれた
「3年間お疲れさま!なんか感慨深いね(^^)」って
どうやら、自分は涙が出そうになっていたらしい
あの日から数日経って、今思うこと
自分の読みって、いろんな人に助けてもらったんだなってこと
この機会をもらえて本当に良かった(^^)
ありがとう
いよいよ明日・明後日が残りの部員の引退になるかもしれない日になる
自分は会場に行って聞けないけど、遠くから応援してる
今日までいっぱい意見を言ってきたつもり
だから、思う存分楽しんできてほしい
この文章は伝わらないかもしれないけどね笑
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