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飲酒ガイドラインは修正案でほぼ了承。純アルコール量の把握をスタートと考え、自分に合った飲酒量を決めるためのファクトを伝える

11月22日に第5回飲酒ガイドライン作成検討会が開催されました。
資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000202961_00030.html

9月28日開催「第29回アルコール健康障害対策関係者会議」で、前回の検討会案に対して、かなり厳しい意見が出て、議論が沸騰していました。
レポートはコチラ「飲酒ガイドライン 飲酒量は、リスク飲酒だけ、それとも低リスク飲酒を入れるべきか?」(note) ↓↓↓

そのため、ガイドラインはどうなるのかと思っていましたが、事務局からの修正案でほぼ同意され座長一任となりました。
資料1 「飲酒ガイドライン案」

https://www.mhlw.go.jp/content/12205250/001169984.pdf

前回、いちばん議論されたのが、純アルコール量の記載の仕方でした。
「1日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g以上、女性 20g以上」を生活習慣病のリスクが高まる数値として普及啓発することに、複数の委員から「ここまでは飲んでもよい量ということにとらえられるのでは」と意見が出ていました。これについて、修正したガイドライン案では

「アルコールのリスクを理解した上で、次に示す純アルコール量に着目しながら、自分に合った飲酒量を決めることが大切です」

【資料1】飲酒ガイドライン案

と記載され、純アルコール量と疾病のリスクなどの一覧がガイドラインに追加となりました。

【資料1】飲酒ガイドライン案

アルコールは少なければ少ないほうが健康への影響は少ないこと、
「生活習慣病のリスクが高まる数値」までを適正飲酒という間違った情報提供とならないようにすること、
そして今回の追加記載である


「本ガイドラインは、アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために活用されることを目的」

【資料1】飲酒ガイドライン案

という点からも、
「ファクトを伝える(by事務局)」ことを意識して修正したようです。
「まずは今自分がどれだけ、純アルコール量を摂取しているかの把握がスタートと考えている(by事務局)」とのことでした。

飲酒ガイドラインについて、この検討会を受けてメディアでも「純アルコール量」で摂取量を把握することの重要性について多く報道されており、適正飲酒量といった数値が独り歩きすることがなく、伝え方として成功だったのではと感じました。

また、ガイドライン自体はとても読みやすく「 (3)健康に配慮した飲酒の仕方等について」などはアルコールとの上手な付き合い方として、健康教育などに活用されるのではと思いました。

今後、国民向け用に「リーフレット」の作成も予定されています。事務局が前回提案したリーフレット案はかなり厳しい意見が出ていました。今回のガイドラインが委員の先生方の意見をうまく取り入れ調和の取れたものとなったように、リーフレットにも期待したいです。

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