見出し画像

お姫様とジェンダー/若桑みどり

昔のこと。
ある時、女性に言われた。
「女の子はいいの、働かなくて。結婚しちゃえばいいのよ。」
またある時は、働いている女性に言われた。
「女はね、結婚して子育て。あとはね、パートしてればいいの。勉強なんかしなくていいのよ」

思えば、小さい頃からそういう類のことをよく言われていた。なんとなく聞き流していた。
今思えば、なんというセリフなんだろう。
女が自分の人生を蔑ろにするようなことを言ってしまう世の中って終わりじゃないか。いや、本人たちは蔑ろにしてるつもりはなかったのかもしれないが、自らを諦めているように聞こえてしまうセリフは言われる度に反発したくなるし、悲しくなる。
子供ながらに、「一体何を楽しみに生きればいいんだ?」という気持ちになったものだ🤒

この本は、美術史家でもある若桑みどりさんによる、ディズニーアニメのプリンセスストーリーやプリンセスそのものを通してジェンダーを紐解き、社会や表象における女性の扱いを考える一冊📖
私がフェミニズムのフの字に触れた最初の一冊だったのかもしれない🌏🌱

いつか結婚して家庭を持たないと居場所がないんじゃないか…私も昔はそう思っていたし、時々今も思ってしまう瞬間はある。きっとそういう人は多いと思う。

「こんなに世界は広いのに、どうして家庭にしか居場所がないと女性は思ってしまうんだろう?」

今でも時々、あくまで社会に横たわる一般的な価値観に振り回されて、"主体的に生きる"ということがわからなくなってしまうことがある。
女子学生さんたちの声がリアルで、たまらなく痛い。
思い出したように読みたくなる本で、今でも時折、若桑みどりさんの言葉や怒りが、必要になる。

でも、「嫌なら仕事辞めて結婚でもすればいい」とか「いいよな、女の子は結婚しちゃえばいいんだもん」というような男性の声から見えてくるものも考えなくちゃいけないなと思う🤔
抑圧されているのは女性だけではない。

それに、プリンセスを好きでいる自由にもできれば
寛容でありたいと思う。私自身はプリンセスやらお姫様には憧れはないが、憧れる人は別にそれでいいと思う。ただ、現実とプリンセスたるものを引き合わせようとすると、苦しいことも多いのではと私は思います🌂

個人的には若い人にぜひ読んで欲しい一冊📖
ジェンダーを考える入口にもなりそうです。
これがすべてだとは言わないけれど、何かが変わればいいと思う。
もし若桑さんが今もご存命だったら、いまの社会を見てどんな本を書いていたのだろう?と思ったりする。

結局、性差によって障壁を感じたり、社会的充実感を得られない人が出てくるのは、全然フェアじゃない。そんな社会が続かないことを願うばかりだけど、願うだけではだめで、社会を作っていくのは私たちなのだ。
自分にそう言い聞かせて生きていこう。


なんだか、色々考えてたらふと思い出したこちらの本について投稿したくなったので📕
(読んだのがかなり前なので、若干ズレたことを書いているかもしれません)
🌾因みに、私はディズニーアニメを否定しているわけではなくて、勿論大好きな作品もあります🐘🐩
でも、全世界に配給されるということは、社会や人間に多大な影響を与えることだなぁと改めて思わされました。功罪ともなるそれと、どう向き合いどう折り合いをつけるかの指針となる思想に出会うことってなかなか少ないのではないかと思うので、オススメという言葉はおこがましいけれど、キャプションとして残します🌾

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?