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海外渡航ゼロ、10代の僕が1人で40日間欧州縦断バックパック旅に出た理由


きっかけ

世界を自分の目で見てみたい。あの美しい教会を、どこまでも青く続く海と地平線を、古めかしく威厳のあるお城を。

世界を自分の口で味わってみたい。あの肉汁滴るジューシーなお肉を、スパイス香る重奏的なスープを、二つと無い宝石のようなケーキを。

世界を自分の肌で感じてみたい。あの焼けるように照りつける太陽を、古く幻想的な街並みを、日本とは違う熱を帯びる潮風を。

幼少期から、世界を旅した母親の話を聞いてきた僕はいつからかそう思うようになっていた。

実際にバックパックに出たのは大学二年生の夏休みだ。実はそれよりも前にずっと海外旅の構想はあった。ただ、小中学生の頃は見知らぬ国が怖かったし、高校生の頃は勉強でそれどころではなかった。え、大学一年生の夏は何やってたかって? まあそれは一年目だし色々忙しかったんだよ。 ともかくコロナウイルスの蔓延で、とても旅行初心者が動ける状況ではなかった。

いつ旅行に出るか

気持ちはわかった。でも一体いつ旅に出れば良いのだろう。先に書いた通りコロナの状況が流動的で予測が難しい。各国の入国条件も緩和されたり制限されたりでややこしい。噂では日本は規制変更が多すぎて世界の航空会社が混乱しているとか。
正直なところ、複雑すぎて面倒くさくなり、また今度でいいかなと思ったりもした。どんな望みや夢でもダラダラするとお湯の中で放置した餅のような気持ちになる。

しかし、しかし! 大学2年の夏を逃したらもうチャンスはない。大学の残り2年は就活と卒論で潰れ、社会人になれば時間と体力は消えているだろう。

そう考えると「やらない後悔」よりも「やってどん詰まる後悔」の方が断然楽しいし、死ぬ時に後悔も少ないだろう。幸い、ヨーロッパでは夏にかけてコロナ感染者数は減少に転じているらしい。どの国でも1日数千人、数百人程度の感染者だ。

せっかく運がまわってきたのだ、この夏だ。それしかない。

チケットを購入

実際にチケットを購入したのは6月の上旬頃だ。どこを訪れるかなんて何も決めていなかった。しかし航空券は購入が早ければ早いほど安い。僕は小さな頃からイタリアに憧れを持っていたため、イタリアから旅を始めることにしよう。

そう決めたらはやい。「とりあえず」で何も考えずに成田-ローマ、ミラノ-成田を購入した。誰とも相談していない。もちろん深夜テンションだ。

当日のチケット


頭が飛んでるように聞こえるけれど、躊躇うだけ時間の無駄だと思った。僕はとにかく心が躍る選択をしたかった。さあ、行きと帰りは固まった。ローマからどこを巡ってミラノに行こうか。

あと戻りが効かなくなった後

往復でフライトを購入したということは、帰りの便までは絶対にヨーロッパを彷徨い続けなければいけないということだ。これほど真っ白なキャンバスはない、しかし同時に自由というものの重みを感じる。

大前提として「衣食住」を確保しなければならないし、具体的に考えると宿の手配やら入国条件の確認やらやることが多すぎる。頭が痛い。でも一つずつ潰していくしかないのだ。

・入国条件
・宿
・コロナ状況
・スマホの通信
・旅のルート
・移動手段

▲が主な課題だ。
まずは入国条件だが、行くのはEU諸国なので一律で調べれば事足りる。大丈夫そうだ。スマホの通信はさっさとヨーロッパ周遊SIMカードをAmazonで購入した。

問題は旅のルートと手段、宿である。とりあえずローマとヴェネツィアは絶対に行きたい都市なので宿を先に決めることにしよう。しかし残りはどうしようか。ゆっくり紅茶でも飲んで考えたかったのだが、運が悪いことに学期の真っ只中で恐ろしく忙しい。(授業をフル単+αで受け、バイトをし、サークル活動に参加して日々のワークアウトをする。過酷生活だ) まあ、いいや。宿とルートはどうにかなるだろう。死ななければOKだ。

ヴェネツィアとローマ


そんな「計画なき計画」を心配する時間もなく春の学期が過ぎていった。期末テスト期間が忙しすぎて蕁麻疹が出るというハプニングがあったが、それでも乗り切った。レポートを書いている間に何度来たるべき旅のことを想ったことか。

ともかくこれで「旅」と「僕」とを阻むモノは無くなった。強いて言えば自分の内から湧き上がる不安くらいだ。しかし来るものはくる。不安もあるが楽しんだ方が絶対に良い。

こういうのは案外吹っ切れたもん勝ちかもしれない。
そう考えたらワクワクが止まらなくなった。

〜次回からローマ編始まる



 初投稿で稚拙な記事でしたが、閲覧ありがとうございました。これから40日間のバックパック記録を綴っていきます。ではまた、次回はローマでお会いしましょう!

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