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神様が与えてくれたもの・・・

「こんなはずじゃなかった」

それが社会人一年目当時の、僕の“心の言葉”

毎日毎日残業に出張。仕事の中身は掃除に雑用・先輩の使いっ走り。

なんのためにやっているのか?

何を目標にやっているのか?

なぁんにも見えない日々。

しかし・・・


やがて気づいたのは、実に先輩達の“圧倒的な技術”なのだった。

VMDという仕事に携わってみたものの・・・

34年前に僕が入ったアパレルメーカー。

当時すでに大手と言われており、沢山のお店に商品を卸していた。


職種は、VMD:ヴィジュアルマーチャンダイジング。

店頭を、より魅力的に光らせるのが僕たちの仕事。

ショーウインドウのディスプレイ、店内のレイアウト替え、ファッションショーなどのイヴェントのスタイリストなどなど。

毎日いつ終わるともわからない仕事。

お店のオープン前、日中、閉店後。残業という概念もどこからどこまでなのか?よくわからなかった。

出張に行く前に先輩にカメラ屋さんに連れて行かれ、一眼レフのカメラを強制的に買わされたりもした。先輩のディスプレイをより美しく撮影できるように。カメラ代はボーナス払い。まだ入社したばかりでボーナスが貰えるかどうかもわからなかったのにね。

今の時代じゃまるでBlack企業。「アウト!」な働き方かも(笑)


やっているのは、お店にやってきてくださるお客様を感動させるためのお手伝い。

考えてみれば素敵な仕事だ!

でも当時はそれになかなか気が付かなかったなぁ。


キツイ仕事の中でただただ先輩の技術に追いつこう!

とりあえずあんなふうに自分が出来るまで頑張ろう!

それさえ叶えばもうあとはどうでも良い、とまで思っていた。

「辛くて悔しいけど、でもあの技術だけはどうしても手に入れたい!あんな風に魅力的に商品を表現したい!お店を演出したい!」

そう思わせてくれるのが、僕が直面した仕事だった。


そのあとも決して順風満帆とはいかなかった。

ファッションのトレンドと同じく、表現のトレンドも移り変わる。

「先輩に追いつこう、負けないようにしよう」から「人のやらない表現をしよう」と目標も変化した。

そして僕たちが手掛けた表現に惹かれて入ってきたお客さんが、笑顔でお買い物される姿を見るうちに、大切なことに気が付き始めた。

『そうか、僕たちの仕事はだれかをちょっぴりしあわせな気持ちにさせているんだ・・・』


やがて会社の業態も大転換。

今までの仕事を全否定されたり、感覚では通用しなくなったり、すべてを数値で置き換えるようになったり。

感覚でやってきた仕事から、ロジカルに売上につなげる方法へ。

「ロジカルに発言できない奴は、もう会議に出るな!」とまで言われた。

技術だけでなく、その成果をメンバー全員に伝わるように伝え方も試行錯誤を重ねてみた。

結果的には更に大きな仕事量と責任を抱えることにはなったけれど、やり甲斐もひとしおになったことも事実・・・

自分の仕事を広めたいという思い

そうした中で芽生えていった思い、それはこの技術を広く活かしていったほうが良いんじゃないか?自分の会社の中でだけ発揮するってちっちゃいんじゃないか?他の業種にも伝えていったほうが良いんじゃないか?ということ。

そんな思いが膨らんで独立することになった。

アテも縁故もないけど、腕には自信があったし、伝わるように伝える事ができる様に思ったから。


今では毎回のようにファッションの大きな展示会に招聘されて講演をしたり、海外から視察に来たアパレル関係者にセミナーさせていただいたり、中国に招聘されてコンサルティングしたり、ファッション以外の業種の方へもVMDを啓蒙させてもらったりしている。

偶然に出会ったVMDという仕事かもしれないけど『天命』だったと思える。


ねぇ、神様は宝物を授けてはくれないんだよ。
でもね、それに変わるものを授けてくださる。
そしてそれは、『苦労』に良く似ている。
だからみんな、なかなか気がつかないだけなんだ。

社会人一年目の自分にもしも出会ったなら、そんな言葉をかけてあげたいな。

君は・神様に・仕事という宝物を・もらった


読んでくれてありがとう!






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