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水上の越境バス(ウユニ/ボリビア)1/4

2023年11月14日、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。だいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。

38日間過ごしたペルーからボリビアへ。
世界旅行第二歩目の国。

バスでペルーのプーノからコパカバーナ経由で国境を越えてボリビアのラパスへ行く。
さらにラパスから夜行バスでウユニまで行く。
計26時間ほどの移動。

初めての陸での越境も問題なく、スムーズだった。
税関での警察によるスリに注意せよという情報をよく見かけていたので気は張っていたけれどなにもなかった。
移動のハイライトはコパカバーナからラパスへ行く途中、チチカカ湖を渡る時だった。

バスを下ろされて、私たちはボートに乗り換えて向こう岸に渡った。
さくっと10分ほどの距離。

橋がないのでボートで移動


わたしたちのバスはというと運転手のみが乗車したまま、車両専用の船に乗っていた。
かなり新鮮な光景。トミカみたいでちょっとかわいい。

シュールな様



ボートを降りてバスと合流。
ふたたびバスに揺られ、ひたすらぼーーーっとした。

チチカカ湖が美しい。湖とは思えないほど広い。
穏やかな波、メリハリのなさがだだっ広さを助長しているようにも思える。
荒れないことがさも当たり前かのような雰囲気を纏っていて湖らしいなと思った。
そしてやっぱり海が好きだなあと、湖を見ながらそんなことも思った。

車内、座席が開閉できる窓の近くっていうのが最高で外から吹き込む風が気持ちよかった。
音楽を聴いて、湖を眺める。詩の世界に入り込む。
言葉が美しくて、旅に出た自分の心情が具体化されそうな気がした。
そろそろ旅そのものについて向き合った文を書いてみたい。

凪いでいるチチカカ湖。さらば。




ラパス付近になると緑の中、キャンプをしてる人たちがいるなとおもったけどホームレスかもしれない。

テントを張り、家族で楽しそうにしていたのでわからなかったが街中にもテントを張っている家族たちがいた。
ボリビアは南米で最貧困の国。
国境を越えてすぐ、車窓を眺めているだけでペルーとの違いを感じた。

湖の周りでの団欒


ラパスのバス停に着き、乗り換えのバスを待つ間ベンチに座って荷物を守りながら中央にある大きいモニターをみていたけどおそらくだが、行方不明者が表示されていた。
スペイン語で表示されていてはっきりとはわからなかったが不穏な雰囲気と左上の警察のマークのようなものでなんとなく察した。
画面に映るのは人の写真と、その人の情報、など。
20秒くらいすると次の人に切り替わる。
1時間ぐらい眺めていたけれど動画がループされることはなかった。
行方不明者数の多さに驚いた。
若い女の人が多いけれど、老人も子供も、ガタイの良い男の人もいた。
ただ画面をじっと眺めていただけだが、治安の悪さをひしひしと実感した。

ペルーでは治安の悪いところに行く事はなかったので少し気が緩んでいたかもしれない。
自分の身は自分で守るしかない。
盗難なんかだったらまだしも、行方不明なんかになるわけにはいかない。
このタイミングで両親が見送ってくれた日のことを思い出した。
ラパスでは警戒してバス停からでずに4時間ほど待機し、夜行バスに乗り込んだ。
広くて快適なバスだった。嬉しい。

すぐ呑気になるわたし

南米の長距離バスは安くて快適なシートが多いけれど、この夜行バスは特に良かった。
申し分ないリクライニングの角度、ふかふかのシート、もちろん充電もできるし、ブランケットもついていた。
ただスリが多いとのことで警戒しながら寝た。
いやまあ、そこそこぐっすり寝た。

そして、ウユニ到着


ウユニは観光客がたくさん訪れる小さな村なのでラパスほど治安は悪くない。
(ラパスで街歩きはしなかったので勝手なことはあまり言えないけれど。日中は問題なく楽しめたよ!という旅人が多い。あとこれは私も実感したけれど、ボリビアは宿やレストランの人たちはニコニコしていていい人たちばかり。)


泊まった宿のキッチンがなんというか、今までで1番慣れない感じのキッチンだった。

広くていいよね


なにが慣れないって、水道がない。
ペットボトルに入った水と桶で野菜やお米、使った食器を洗う。
汚れた水は外に捨てる。

お米はしっかり洗いたい派


この日初めて水が蛇口からでることが便利ということに気づいた。

昔、学生の時一人暮らしして初めて水を使うのにお金がいることを意識した。
そこで水が貴重なことを実感したつもりだった。

大人になり、宮古島に引っ越して美しい海を目の前にしたときこの水がどこからきて、下水がどう処理されているのか知らないことにも気づいた。(宮古島は一部の区域で汚水が処理されることなく海に放たれている。)

自分が使う水について理解を深めたいと思い調べたりした時期もあったけれど、意識はその時限りで普段、水が貴重で大切な資源であることを忘れている。
便利なことはいいことだけど、地球の尊い資源や先人たちの努力の上で成り立つインフラのありがたさを見逃してしまっていると思った。

蛇口を捻るだけで水が出ることは
世界規模で見れば当たり前なんかじゃない。

ウユニの夜は寒い。
シャワーはちょろちょろとしか出ず、かなり冷たかったが悪態はつけなかった。
でもまた日がたてばすぐにぶつくさ言っちゃうんだろうな。

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