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歴史は未来を見つめている(マヤ文明のティカル遺跡/グアテマラ)

2023年11月14日、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。
パートナーと共にだいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。

グアテマラのティカル遺跡を訪れた。
ここはマヤ文明の中で最も栄えた場所である。

この記事では、特に歴史に興味のない私が旅行記を交えながら
マヤ文明についてゆるーく解説します。
私がオモロ!となった箇所だけカンタンに共有します。



その日、ティカル遺跡は豪雨だった。

ふだんは気温40度にものぼるティカル遺跡。
覚悟してツアーに参加したが、今日は朝から曇りのち雨。
結構涼しくて、まだ雨が本降りじゃなかった時は灼熱よりマシだな、と思っていた。

しかし遺跡内を歩いているうちに、雨はどんどん強くなっていった。
靴が浸水する頃には、灼熱の方がマシだな、と思った。

ものすごい雨だった。
周りの音が聞こえなくなるレベルの降水量だった。

持っていたのは軽い防水のジャケットのみ。
下着まで浸水、靴の中には泥水が溜まり、足がその中を泳いでいた。

しかしどれだけ雨が降っていてもツアーは続く。
これが旅のリアルだ、豪雨すらも楽しめ。と、心で唱えた。

マヤ文明は一つの国のことを指すのではなく、複数の国の集まりのことをいうらしい。
3000年前くらいから始まり、1000年前くらいに崩壊した文明だ。
崩壊と言っても人がいなくなったのではなく、ゆるやかに国が衰退していったそう。

ガイドを聞き、思ったことは
“はるか昔の話だが、現代に似ている“ということ。
それがマヤ文明に対しての一番の印象だ。

現代と通ずる点をまとめると以下のような感じ

  • 農耕が盛ん

  • 天文学が発展している

  • 宗教があり、神に願う

  • 各地で戦争が行われている

  • 貿易が行われている

3000年前の文明で、現代と共通するところがこんなにもあると思っていなかった。
かなり発展しているし、大きい国だったんだなと思う。

ティカルとは、“貯水池“という意味らしい。
川や湖がないので雨水を溜めて生活していたという。
水がそばにないのにここまで発展するもんなんだなと思った。

一番の見どころ、テンプロ。

これがお馴染みの建造物。ピラミッドではなく”テンプロ”という。
これを見た瞬間、インディジョーンズのBGMが脳内で流れた。
ディズニーシーの奥のエリア、ロストリバーデルタのインスピレーション元の一つだろうな、と勝手に目星をつけた。

遺跡内にはこんな感じのテンプロやピラミッドが複数点在している。

へぇー、そうなんだ。と思ったのが、テンプロとピラミッドは別物だということ。
テンプロは記念やお墓のため。
ピラミッドは天体観測の計測など、展望台として作られたらしい。
つまりピラミッドは暦の計算など、カレンダーと時計の役割がある。
(太陽の角度を計算して作られているらしい。どうしてここまでの技術を発展させることができたのかは、未だ謎に包まれている。)

こちらがピラミッド

テンプロとピラミッド、
見た目は似ているが、宗教的目的と科学的目的で分かれている。
ここでガイドを聞く前は、全部同じピラミッドだと思っていた。

遺跡の謎は多く、未だ解明されていないこともたくさんある。
これまで調査はアメリカ、スペイン、ドイツ、日本がしていたそうだ。
グアテマラの大統領が代わってからは日本の調査はストップ。
次は台湾が調査の予定が決まっている。

長い間研究が放置されていた期間があったそうだが、その理由がなんと
「暑すぎる」と「マラリアが怖い」だそうだ。

え、マラリア…。
そういえば雨で虫除けスプレーは流れてるだろうなと思った。
豪雨すぎて蚊が少なかったのが幸いだった。無事です。


あと興味深かったのは、遠くの地と貿易が行われていたということだ。
この時代は打製石器が使われていた。
石だけであのピラミッドとかを作ったと思うとすごい。
その石は主に黒曜石で、この辺りでは採取できないそう。
今のグアテマラシティがある場所やお隣の国、ホンジュラスの方から輸入していたという。

さらにヒスイという宗教的に重要とされていた石は、カリフォルニアの方から輸入していたそうだ。
当たり前だが電気も車もない時代。
それどころか馬車や手紙すらない時代だ。
そのころに随分遠いところと貿易をしていたなんて。
科学の力なしに、ここまで外交の発展ってするもんなんだなと思った。


そんなマヤ文明もやがて終わりを迎える。
崩壊の理由ははっきりとはわかっておらず、説がいくつかある。

  1. 農業の生産性の低下
    あまりにも国が大きくなり、9万人に近い人口がこの土地にいたらしい。
    畑の収穫量を増やす必要があったが土地が痩せ、気候変動や病害の影響を受けやすくなった。
    そして食べ物を十分に調達できなくなったという説。

  2. 干ばつ
    雨が降らず、生活の水がなくなってしまった説。

  3. 水質汚染
    貯水池に水銀などの毒が増えていた説。最近の研究で確認されたらしい。

  4. その他説
    外敵の侵入、内紛、貧富の差によるごちゃごちゃ、貿易がうまくいかない。など。


以上を踏まえて複合的な要因で少しずつ衰退していったと言われている。

崩壊の原因は、今の地球が抱えている問題ととても似ている。
マヤの文明と私たちが暮らす今を重ね合わせて、
「もうすぐ地球が崩壊する!」みたいに言ってる人いそうだな。と思った。
学術的にも、スピリチュアル的にも説得力はありそうだ。

マヤ文明の中で、今に生きる教訓はたくさんあるだろう。
歴史を振り返るとき、同時に未来を見つめているのかもしれない。

そんなことを宿に戻ってから思った。
現地では、豪雨でそれどころじゃなかった。
雨に溺れるかと思った。
旅で思いを馳せるのは、案外現地ではなくベッドの中だったりする。

ちなみに、遺跡に行った日以外はいいお天気でした。



プロフィール:


1996年、サブカルインドア人間として大阪にて誕生。
服飾専門学校卒業後テキスタイルデザイナーを務めるが都会的な暮らしや流行に嫌気がさし退職。
2021年、沖縄県の宮古島に移住。
趣味だったハンドメイドウィービングや料理の仕事に就く傍ら、フリーダビングにはまり毎日海で泳ぐ。
さらなる自然への興味と世界を深く解釈したい欲が矢を放ち、世界を駆ける。
ラジオとゲーム実況が好き。


良ければインスタグラムも覗いてみてください。
https://www.instagram.com/_maryo.san_


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