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「私なんてまだまだです」という謙遜が罠〜〈がんばり屋さん〉こそ知っておくべき〈理想の自分〉を手放す方法

「がんばりすぎて、しんどいだろうな」
と感じるほどに成長意欲の高いA子さんは、私のチームメンバーです。

A子さんと一緒に〈がんばり屋さん〉が陥りがちな罠のカラクリを読み解いていくと、彼女の瞳がキラキラと輝いてきました。

肩の力を抜いた自然体の自分に自信が持てるようになった A子さんのエピソードを、今回はご紹介します。

「私なんて、まだまだです」謙遜を美徳とする文化の罠


「A子さんみたいになりたい」
 と後輩から憧れられるような、仕事ができる先輩になりたい。

そんな目標があるA子さんは、すべての仕事に全力投球。

「その業務、勉強のために私に担当させていただけますか?」
と担当業務以外のことにも積極的に取り組む 〈がんばり屋さん〉 です。

・丁寧な言葉遣い(謙譲語を多用)
・迅速なメールの返信(必ず返信)
・プラスαを加えた提案
など、真摯に取り組む彼女の姿は、仕事で関わるすべての人々の背中をシャンと整えてくれています。

そんな彼女の口癖が、
「私なんて、まだまだです」

謙遜を美徳とする日本文化の影響もあるのでしょう。

ですが、私は
なんて、もったいない!
と思うのです。

過剰な謙遜は自己否定につながる


「私なんて、まだまだです」
とは、つまり
自分が目指している目標に、自分はまだまだ及ばない」
という意味でもありますよね。

では、ここで目指している目標とは何か?

1。「◯◯さんみたいになりたい」と〈特定の誰か〉を指す場合
2。尊敬するロールモデルと重ね合わせた〈理想の自分〉 を指す場合
があります。

いずれのケースも、実は、目指しているのは〈幻想〉です。

実際には存在しない、究極の理想とも言える〈幻想〉を目標にしているのです。

そんな〈幻想〉と、現実の自分を比べたらどうなるでしょう?

そう。

どんなに努力を重ねても、
「私なんて、まだまだ」
と考えてしまうのです。

何しろ、比べている相手は〈幻想〉ですから、追いつきようがありません。

〈幻想〉と比較しては、
「私なんて……」
というセルフ・トークを繰り返していると、
「私はたいした存在ではない」
「何をやっても十分ではない」
といった自分を否定するセルフ・イメージがどんどん強まります。

こうなると、何をどんなにがんばっても自分にOKを出せなくなってしまいます。

本当に「自分はまだまだ」なの?事実を確認しよう


「A子さんみたいになりたい」と思われたいA子さんの場合、事実としての彼女の仕事ぶりは次のとおり。

・仕事が速くて正確
・必ず納期を守る
・周りへの気遣いが言動にあふれている
・多数の関係者との調整が得意
・自分がどんなに忙しくても、困っている後輩を手伝う

そう、すでに 〈仕事ができる人〉なのです。

にもかかわらず、
「私なんて、まだまだ」
と思いこんでいます。

そこで、私から質問しました。

「こんなときはどうしてる?」
上記の事実を確認してもらいます。

「こんなときは◇◇して、あんなときは□□してます。……あれ!? 確かに私、ちゃんとやっていますね!」

そうなんです。
彼女はいつも役割以上の仕事に取り組んで、私やメンバーを助けてくれています。

〈理想の自分〉という名の幻想を手放そう


事実が確認できたら、次のステップ。

「後輩から憧れられるという〈理想の自分〉 は、本当にあなたがなりたい姿?」

〈理想の自分〉になれたかどうかは、自分でわかる?」

A子さんは答えに詰まります。

しばらく考えた末に、
「誰かにプラスの評価をされない限り、できたとは思えない……ですね」
と答えました。

できたかどうかを判断するのは、自分ではなく第三者。

つまり、自分で自分に⭕️をつけられない状態を理想としていることにA子さんは気づきます。

・「よくやってるね」「ありがとう」と人から言われないと安心できない
・人から評価されない限り、自分には価値がないと思っている

あなたにも、思い当たることはありますか?

人の評価を求めるということは、自分軸の判断基準を持たず、他人の判断基準に左右されるということ。

この状態は、自分の人生ではなく、他人の人生を生きているのと同じです。

誰かがOKを出さない限り自分にOKを出せないとなると、自分に❌をつける機会が多くなります。

だから、しんどさを感じてしまうんです。

これが、〈がんばり屋さん〉が陥りがちな罠のカラクリです。

目指すべきは、他人軸の〈理想の自分〉 ではなく、自分の才能を生かしきると決めて自分で自分を評価すること、だったんです。

自分の評価も、自分軸で判断しよう


自分の仕事ぶりや自分の人生に⭕️をつけるのは、他人ではなくあなた自身。

人の評価に左右されない自分軸の判断基準があれば、自己評価に迷うことはありません。

自分で自分にOKを出せれば、人から褒められなくても、まったく気にならなくなります。

たとえ貶されたとしても、動じることがなくなります。

人に左右されない《自分軸》を定めるには、《人生で最も大切にしていること=最高の価値観》を言語化することが1番の近道です。
(後述します)

言語化ができるまでの間は、自分を労る言葉かけから始めましょう。

眠る前に、「今日できたこと」を振り返ります。
できなかったこと、ではありません。
慣れるまでは、「できたこと」が浮かばないかもしれません。

そんなときは、「今日は〇〇をした」と行動した事実を思い浮かべましょう。

ノートに書き出して、花マル💮をつけると、さらに効果的♪

「よくやってるね。私」

自分で自分を労って、心が温まるのを感じてからゆっくりお休みくださいね。

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Dr ディマティーニ  バリューファクター®︎公認ファシリテーター
御影石 千夏


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