日記 * Miles Away
壁に這わせていたイルミネーションを外して、お酒の空き瓶に詰めてみた。透明なガラスボトルは表面が少しデコボコして、光は様々に反射し柔らかく広がる。
優しい明かりを見ながら幸せな気分になる。きれいだ。
外はチラチラと雪が降ってる。
私の中で、ぼんやり優しい絵が最近の流行。
フラワーエッセンスとワセリン
メンソレータムとスリープバウム
ファンデーションとリップスティックとメガネ
写真におさめた画像をお絵描きソフトに取り込んで、ささっと描く方法。
写真画像の上にレイヤーを1枚重ね、画像の輪郭をなぞる。ガタガタの線でOK、気にしない。
描けたら、下の写真画像のレイヤーを消して、色を入れるレイヤーを下に作る。輪郭から少々はみ出して色を塗ってもOK、気にしない。
色が塗れたら、上の輪郭レイヤーをぼかす。
輪郭線のガタガタも、下の色のはみ出しも目立たなくなる。
さらに、上に1枚レイヤーをのせる。ブラシツールを大きくして使って全体に、透明度の高い淡い色をのせてぼかす。
ぼやけることで境界がぶれるため、存在感が薄れるけど、存在の範囲はぼんやり膨れ広がる。そのモノの薄れた部分を目が補おうとするから、逆にその存在に無意識に惹きつけられてしまうかもしれない。ちょうど、老眼で文字がよく見えなくて目をこらすような場面に近いかもしれない。たとえが合ってるかわからないが、必要以上に見てしまう感じ。
明かりも同じ。ぼやけた柔らかい光に私は惹きつけられてしまう。
古い古いガラス窓から外を眺めたことがあるだろうか。今ではなかなか手作りガラスにお目にかかれないけど、私は時々札幌時計台のガラスを思い出す。きっと素晴らしい技術の職人が作ったものだろう。よくよく見ないと気が付かない、手作りのほんのわずかな表面の厚みの違い。そこからのぞいた優しく歪んだ世界は現在でありながら、なぜか懐かしい世界に見える。
古い建物に入ったら、必ずガラスはチェックしている。歪んでぼやけた向こうに誰も知らない特別な世界を探してる気がする。
もうひとつ、イルミネーションが壁にある。この明かりが気に入ったので、また同じお酒を買おうかと考え中。