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なにわ男子LIVE TOUR 2023『POP MALL』に参戦したら全部がどうでもよくなった

「え、アリーナ席やん」
チケットを手にした友人がボソッと呟いた。

2023年7月29日、私と友人は大阪城ホールにいた。
友人がなにわ男子のライブチケットを取ってくれたからだ。

デビュー前からなにわ男子の存在は知っていたが、好きになったのはデビュー以降だ。バラエティ番組に出演していた大橋くんを見て「なんてかわいいんだ……!!!」と目を奪われたのがきっかけだ。

友人は昨年からファンクラブに入っており、いわゆる「なにふぁむ」である。昨年のライブツアーは落選してしまったのだが、今年はなんと、当選したというのだ。

グッズもなにふぁむの友人が事前にネットで購入してくれた。
私はペンライトとクリアファイルだけの予定だったのだが、「もし神席やった場合に、推しに『私の推しはあなたですよ!!!』ってアピールしないとあかんから!」と友人が言うので、推しである大橋くんのうちわも追加購入した。

でもまさか、本当に神席が当たっているなんて思わないじゃないか。

冒頭の友人の発言に戻る。
「え、アリーナ席やん」と友人が呟く。
私も手にしたチケットを見ながら、ほんまやなーとのんきに返事する。

正直、私はスタンド席の方が良いと思っていた。なぜなら、私の身長はあまり高くないからだ。アリーナ席の場合、前の席に座る人によっては、ほとんど何も見えなくなってしまう。そう考えると、前列後列の高さが異なるスタンド席の方が変に気を使うことも使われることもなく見られると思っていたのだ。

「なぁ、しかも1列目やねんけど」
「おお、ほんまやな」
まぁでもブロックによって1列目でも実質1列目じゃないこともあるし、期待しすぎんとこうや~と、またもやのんきに返事をする私と、「いやでも近いやろ……」とブツブツ言い続ける友人はチケット片手にアリーナへと歩みを進めた。

「……なあ! ほら! 近いやん!!! めっちゃ近いやん!!!!」
「いやー、まじかぁ……」

私たちの席は、アリーナ席の最前列だった。

嫌なこと続きにも程があるだろ!!! と思っていた毎日も、この席でライブを楽しむために、なにわ男子をオペラグラスなしで「人」として肉眼で認識するためにあったのかもしれないと思えたほどの神席であった。

しかも位置的に、我が推し大橋和也くんの立ち位置側じゃないか。

もう、少なくとも年内は、良いことないだろうなと確信した。2023年の運は、この席が当選することに全集中してしまったのだろう。でもそれでもまったく問題ない。この世の中に、推しを肉眼で「人」として捉えられ、目の前で歌唱している姿を惜しみなく堪能できる席を、必要以上にお金を積みすぎることなくゲットできる確率ってどれくらいだと思う?

自慢に聞こえてしまう方がいたら大変申し訳ない。
友人がゲットしたチケットではあるので、私の功績ではないのかもしれない。
だが、私はそんなことは置いといて、この「大橋和也を拝むのには最高すぎる神席」を存分に堪能することにした。

~ここから少々ネタバレを含む可能性があります~


開演前の注意事項アナウンスで、会場内の飲食禁止が放送された際「食いしん坊の大橋和也が目を光らせています」的なことを言っていたり、夜な夜な応援ボードなどを作ったなにふぁむに対しては「使いたい気持ちはわかりますが……我慢です!」とクスッと笑っちゃうような言い方をしていたり、なにふぁむには絶対「さん」付けだったり。開演前からどこかのテーマパークに来たような気分になり、とてもワクワクした。
(ジャニーズのライブって初めて参戦したけど、どのグループもそうなのか? それとも今回のPOP MALLだけ?)

セットも可愛いし、オープニングも可愛いし、登場も可愛いし、すべてが可愛いでスタートした。メンバーが登場した時は思わず横にいた友人をバシバシと叩きながら「可愛い! 可愛い! 可愛い!!!!」と延々と叫んでいた。いや、なにわ男子、可愛すぎた。全員まとめて愛でたい。

そして大橋くんが目の前で歌うことがめちゃくちゃ多く、うちわとペンライトを握りしめながらひたすら凝視した。自分にライトが当たっていないとき、ちっちゃい子みたいに目をゴシゴシするの可愛すぎた。大橋くんが目をゴシゴシするたびに、私は横にいる友人をバシバシと叩いた。文句を言わずに私の暴力を受け入れてくれた友人には、深く感謝する。本当にありがとう。

目があって手を振ってくれた(と私は思っている)のは、西畑氏とみっちーである。あろうことか、あんなに目の前にいたにも関わらず、私の推しとは一度も目が合わなかった。でも遠くの席に向かってファンサしている姿を見て「あーこういうところも好きだわ」とまた好きになった。大橋和也はどうしようもない沼製造マシーンである。私はファンサ貰えなくても、こんなに近くで拝めただけで満足なのである。

一番の推しは大橋くんなのだが、もちろん箱推しで、他のメンバーも大好きである。総じて言えるのは、みんなもれなく可愛かった。以上。それ以外の言葉が浮かばない。あと細い。みんなテレビで見るより格段に細い(大橋和也を除く)。絶対私とそんな体重変わらんやん……と思った(大橋和也を除く)。
西畑氏がハーフパンツ履いたときの足が細すぎて「ひぇえ……」ってなった。羨ましい。色白い。あんなんなりたい。
りゅちぇの喋り方の、ギャル具合が可愛かった。あんな弟欲しい。めっちゃ可愛がる。愛でさせてくれ。頼むから。
みっちーの顔面が綺麗すぎて、色白すぎて、女子より綺麗なんやめてくれ……と思わざるを得なかった。
謙杜はおめめがクリクリすぎて、可愛さ全面的に負けた。ノースリ+アウターの隙間から見える腕がこれまた細くて「ワシより華奢ぁ……!」って心の中で悲鳴上げた。
恭平は、スタンド席にいたきょへ担にファンサしていたのを目撃して、そのきょへ担女子が腰砕けて横の友達(丈くん担)に寄りかかっているのを見て「ああ、良かったねぇ」って思った(何の話)。そして丈くん担の友達が「良かったねぇ」ってきょへ担女子をよしよししているのを見て、ええ子やなぁと思った(お前はさっきから何を見ているんだ)。
丈くんはちゅきちゅきブリザードの寸劇がおもろいOFおもろいだった。

ちゅきちゅきブリザードのあれ、YouTubeでも何でもいいから制作してくれへんかなぁ……。笑

神席での神時間はあっという間に過ぎ去った。
楽しい時間って、例外なく時間感覚がめちゃくちゃ短く感じるよね。

ほくほくした幸せな気持ちになりました。


当たり前だが、夢のような時間が終わると、私たちに待っているのは現実だ。仕事かもしれないし、学校かもしれないし、家事や育児かもしれない。

学生時代、初めて東方神起のライブに行ったときは、アドレナリンが出まくって、夜が明けるまで勉強をしていた。翌日もまったく眠くなかった。だから今回も、ライブが終わったあとは「仕事嫌やけど、頑張るぞー!」と思うのだと思っていた。

けれど、違った。今回なにわ男子のライブに参戦して抱いたのは「なんか、もう全部どうでもいいや」だった。

前からキャリアについて考えていて、どうしようか悩んでいた。社内の事情も考えて、自分の進退についても考えていた。どの時期にどうするのが一番いいのかを考えていた。

でも、もうそんなのどうでもいいやと思った。なにわ男子を見ていたら、どうでもいいと思えた。楽しそうにライブをしている彼らを見ていると、私も自分の好きなことをしたくなった。好きなことをして働きたいし、好きなことをして生きていきたいと思った。

生きていくためにはお金が必要で、働かなければならない。ということは仕事をしなければいけないから、自分の好きなことでなくても生活のために働かなければならないこともある。実際私も、そういうところがある。そして、それがしんどくて苦しんでいる。

でも、もういいかなと思った。自分のやりたいことが業務内容の仕事をしてもいいじゃないかと思った。いくら社内事情について私が考えて配慮したとしても、何かあった場合、会社は私の人生に対して責任を取ってくれるわけでもない。極論、もしこのままやりたいことをやり切らずに死んでしまったとしても、会社には何の責任もない。
私は会社のために生きているわけではない。自分の、一度きりの人生のために生きているのだ。
キラキラした彼らを見て、余韻に浸りながら大阪城ホールを出て外の熱気に触れて現実に戻ったとき、ふとそう思った。ここ最近悩んでいたことや考えていたことなんて、どうでもいいや。自分のやりたいことやろう、と。


なにわ男子、素敵で最高な時間をありがとう。
しんどいことや大変なことも多くて、キラキラした部分だけではないことはわかっているのだけれど、それでも、あなたたちの力は偉大です。
また次に参戦できる日を楽しみに、私は昨日の余韻を力に、生きていきます!!!!!!



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