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古代ローマの治療法。シビレエイで頭痛を治す、四体液説とは?

2000年前の古代ローマの治療と言うと、何かの葉っぱを塗ったり飲んだり、はたまた神に祈ったりして治療するんじゃないかと思いますよね。              勿論そう言う治療は主流でしたが、紀元前3世紀頃になると実はこの様な医療道具を使い手術まで行っていたのです。勿論患者に痛みを与えない様、麻酔薬の様なものも使って。
また古代ローマ人は歯に関しては非常に敏感だったので、如何に歯を白く磨き上げるか等歯磨き粉も熱心に開発されていたんですよ。
古代ローマの人々はスピリチュアルな事に敏感だったので、夢を見て病気を治していたんです。
その夢を見させるためにお手伝いをする人が夢治療師なる職業です。
この夢の治療に関しては、私も特に興味深くて、主旨は違いますが何故私が古代ローマの題材を取り上げたのかと言うと、小学生の頃と数年前に2回、あの滅ぶ直前のポンペイの夢を見た事があったんです。
それがきっかけで古代ローマの題材を取り上げたんですが、その話が絶妙なので次回にお話ししますね。


⚠︎この記事はYouTubeでUPしたものをそのまま文章として残したものになります。            これには聴覚に問題のある方にも共有する事を目的としております。

         動画はこちら↓

https://youtu.be/J17NbAXtpFw



【内科医】
・古代ローマでの初期の治療は冒頭で述べた様に薬草を塗ったり食べたり、おまじないをして治していたそうです。が…
前3世紀頃に戦争捕虜で大量にギリシア人が流入してくると、その中にギリシア人医師が混じっていました。 そこでローマ人の医療環境は変わります。
何故??
何故なら古代ギリシアでは理論的に説明が出来る科学的な医療技術を備えていたからです。
例えば四体液説。
これは古代ギリシアの哲学者であり医者のヒポクラテスが唱えた説です。
彼の説を噛み砕いて説明すると…                              『同じ環境で生活しているのに病気になる人とならない人がいるってことは、それぞれ体質ってものがあるからだ。
その体質と言うのは体液がかかわっている。
人間の体液は血液・粘膜・黄胆汁・黒胆汁の四つが流れており、皆それぞれバロメーターが異なる。よってこの四体液のバランスが健康を左右するのだろう。
だとしたら一人一人の治療法も変えるのが良いに決まっている。なので私は医術を原始的な迷信や呪術と一緒にするのは問題だと思う。』
と…。                                  古代ローマ人にとって、お祈りとかして病気と闘っていたのに、ヒポクラテスの理論的に患者を治療する医療技術は革命的でした。
そのため医者の奴隷ギリシア人は特別価値が高く、またローマ社会との需要と供給が上手く重なり、奴隷なのに良い暮らしが出来ました。
それと四体液説は、物凄く面白いお話しなので今度深掘りして動画を作成しようと思ってます。
それでは実際どの様な治療を行なっていたのかと言うと、例えば発熱した場合には瀉血療法をおこないました。
これも四体液説の『体液のバランスを保つ』という考えに基いた医療行為です。
しかし現代でも瀉血治療は根拠がないとされていますが、何故か古代人の中には瀉血を行なって体調が良くなる人が多かったので、神の治療法と言われていたとか。
まぁ確かに血を抜く、と言うのは少なからず血液を活性化させるので『あれ?何か身体が軽くなったかも』みたいな体感があったかもしれないですよね。
そして激しい腹痛の場合にはワインやキャベツを使った治療法を適応。
ワインにはブドウ果汁、キャベツは発酵作用が含まれているのでこれらが腸内にガスを引き起こし排便を促すことができました。
古代人はこれらが整腸剤代わりだったのです。
他にも頭痛や激しい箇所の痛みの際には自然電流を発するシビレエイを使い、治療しました。
何故シビレエイ??
我々の『痛み』と言うのはまず神経から通り脊髄に送信され、その情報が脳に送られる事で初めて痛覚を感じます。
それで、電流と言うのは神経を麻痺させるんですよね。
なので痛いところにシビレエイの電流を与えると、神経が刺激され痛みが脊髄に届く前に相殺や緩和をさせる効果があったのです。
痛みが脳にまで行かなければ、人は痛いと感じません。
このシビレエイの電流は胃痙攣や関節の痛みを取るほど有効で、古代ローマ時代、海岸で治療している光景が良くあったそう。
冒頭で言った様に初期の古代ローマの医者はお祈りとか呪術で治療していたので、胡散臭い職業と位置づけられていました。
しかしヒポクラテスが実践的な医術を展開した事により古代ローマ文明を発展させたと言っても過言ではありません。

【外科医】
内科医が血を出して治療するならば、怪我した血を止めるのが外科医のお仕事でした。
外科医は内科医よりも貴重とされ、何故なら手術スキルが求められたからです。
内戦や闘技場で活躍する剣闘士のためにも外科医の存在はなくてはなりませんでした。
2000年前の手術をする時に使用するものは…
・まずはメス。
これは代表的な器具で皮膚を切開する時に使用しました。
お次は鉗子。
これは体内に刺さった破片や矢を取り除くときに使用しました。
意外なのはカテーテル。
尿管からカテーテルを差し込み、膀胱結石を除去する治療も行っていました。
まさか古代にカテーテルがあったなんて驚きですよね。
さて手術に取り掛かる前にやはり痛覚を抑えるためには麻酔をしなければなりません。
と言ってもこの時代に麻酔はありませんので、
この様な時に使用するのが麻薬のアヘンです。
アヘンには痛覚を鈍くさせる効果があったので、それをワインに混ぜて飲ませます。
と言っても、完全に痛覚がなくなる訳ではないのでこの様に患者を抑えつけて手術を行いました。
また手術部位を縫合する場合にはこの様な骨を使って留めました。
最後に傷口の後処理としては、ツボクサとはちみつで出来た湿布を手術箇所貼って完成となりました。
ちなみ術後はやはり手術の影響で感染症に罹って死んでしまった人もいたのですが、8割は生き延びていた程完成度は高かったそうです。



【歯科医】
古代ローマでの歯は白ければ白い程良いとされ、美の条件の一つともなっていた様です。
そこで活躍したのが歯科医です。
彼ら歯科医は清潔で美しい歯を保つために、良質な歯磨き粉の研究を重ねました。
例えば、歯垢を取るためには灰を使いました。灰には黄ばみや歯垢を研磨出来る作用があったそうです。
口臭予防には動物の骨や卵の殻を焼いた物を灰にし、そこに鎮静作用や香りの良い甘松香や没薬を
混ぜて歯磨きをしました。
甘松香や没薬は現代でも漢方薬として使用されておりますよね。
更に意味不明なのが歯磨きの最後に若い女性の尿で口をゆすぐとより歯が白くなると考え、皆それで口を濯いでいたそうです。なんで若い女性限定なの?別に若い男性の尿でも良いじゃん。🤨

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