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HTTPクッキー技術の代替となるUID(ユニファイドID)とは

デジタルマーケティング業界では、
ユーザーのネット上でのトラッキングのために、
HTTPクッキーが長らく活用されていました。
しかしプライバシー保護の問題により、欧州のGDPRや米国カリフォルニア州のCCPAといった法規制の流れや、Apple社やGoogle社のクッキー情報の取得を困難にする流れが急速に進んでいます。
最近ではiOS14.5へのアップデートを機会にデータの取得が困難になりWEBプロモーション上でのCV計測は徐々に欠損が見られています。
当該環境下において、UID(ユニファイドID)と呼ばれる取得方法が
業界標準となっていくことが見込まれます。

今回はUIDとはどのようなものなのか、
国内と米国の業界環境を簡単に交えつつ概要を説明したいと思います。

■HTTPクッキーによる情報取得の現状
5/23現在、クッキーによる情報取得は既に一部で困難な状態にあります。
2021年4月末にiOS14.5へのアップデートがあり、iOSユーザーはiOS経由で利用する各社のサービスについて、利用時に情報取得の許可を選択することが求められるようになりました。
米国iOS 14.5ユーザーの96%が「アプリトラッキング透明性」でアプリ追跡を無効にしたとの調査報告も出ています。
日本のスマートフォンユーザーの約50%がiOSを利用しているため、
計測できなくなるユーザー数は急速に増えていくことが想定されます。

■HTTPクッキーに代替される技術
デジタル広告業界はUIDという新しい標準へと移行を進めています。
ユニファイドIDの略で、暗号化された識別子になります。
現在はメールアドレスを基点に識別されており、これらがメインになってくると見込まれています。
米国のニュースサイトなどパブリッシャー側のサイトを訪問すると、
記事を閲覧する前に、メールアドレスの登録を求められるケースが多くありますが、
広告主やパブリッシャーは、このIDにアクセスすることによって、
これまでと同じようなターゲティングやフリークエンシーコントロールが可能になります。

■各社の動向
iOSのアップデートに伴い、GoogleやFacebookについては、iOSユーザーでの情報取得を行うための
対策をグローバルで急速に進めており、どちらも広告主の保有するファーストパーティデータを計測に活用できるように広告代理店、広告主に案内を強化しています。但し、これらの動きはGoogleやFacebookといったメガプラットフォーム経由の広告出稿により計測を可能にする施策であり、デジタル業界全体としては、AppleやGoogleの独占環境を高めることにつながることが懸念として挙げられます。
米国では、その流れの中で、The Trade Deskが音頭をとり、Live  Ramp、ニールセン、ワシントンポストなどがUIDに賛同し、導入を進めています。

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