感謝の気持ちを乗せて。
みんなに感謝を伝えたい
退院前日の夜。れごさんが来てくれたことも、私に伝えてくれた言葉も嬉しくて。かけてもらった言葉を忘れないように何度も思い出しては、その度に泣いていました。退院が決まってからたくさん流した不安の涙ではなくて、嬉しい涙でした。たくさんの看護師さんが気にかけてくれたのが嬉しい気持ち。看護師さんたちと会えなくなるのが寂しい気持ち。退院するのが不安な気持ち。色々な感情が渦巻いていましたが、れごさんのおかげで退院が決まってから1番元気になっていました。
明日退院するときに会えない看護師さんもいる。直接お礼を言えない看護師さん以外にも感謝を伝えたい。そう思って、お手紙を書くことにしました。きちんと文章を考えて綺麗な字でお手紙を書くのにはエネルギーが必要だし、私は手書きに苦手意識があります。少しかしこまったお手紙を書くのはハードルが高い作業。でも書きたい。「退院するとき、きちんと感謝を伝えたらよかったな。」と後悔したくない。私は病気になってから、「今しかできないことをする」と決めたのです。看護師さんにしてもらったこと、かけてもらった言葉が私を動かしました。
お手紙は最強アイテム
入院中にお手紙を書こうと思っていた人がいたので、手元にレターセットがありました。レターセットを持って行こうと思った入院前の私、グッジョブです。スマホのメモに下書きして、何度も書き直して。いよいよ清書です。受け持ちさん、れごさん、たいさん、お兄さんナースはもちろん、受け持ってくれた看護師さん全員を思い出して、気持ちを込めて書きました。
自分の字はあまり好きではありませんが、お手紙を書くのは大好きです。お手紙なら、ゆっくり考えて自分のペースで言葉を紡げます。普段なら言えないこと、相手を前にしたら少し照れてしまって伝えられないことも言葉にできます。お手紙は私にとって、本当の気持ちを伝えられる「最強アイテム」なのです。
お手紙を書くのと同じくらい大切なミッション。それは、お手紙を書いている姿を誰にも見られないこと。看護師さんに見つかったら台無しです。退院前日の夜に便箋が広げられていたら、何となく察してしまうかもしれません。お手紙を書いている最中に看護師さんが部屋に来ないかドキドキしながら書きました。ノックが聞こえたら便箋をすぐ隠せるよう、手元に書類の入ったクリアファイルを準備していましたが、ペンを置くまで幸い誰も来ませんでした。
一度読み返した後、「〇〇病棟の皆さまへ」と封筒の表に書いて、シールで封をしました。少し文字が歪んでしまったところがあるけれど、そこはご愛嬌です。気持ちがこもっているのでよしとしました。お手紙を無事渡せますように。受け取ってもらえますように。そう願いながら、入院生活最後の夜を過ごしました。
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▽ まとめ