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分からないことだらけ。



 専門病院は初診を受け付けてくれる曜日が固定だったので、初診まで2週間待つことになりました。精密検査が決まってから初診を待つまでの間が、しんどい時期1回目です。

調べる期

 まず、得体の知れないものを抱えたまま2週間過ごすのが不安でした。リンパの腫れじゃないのなら、このしこりは一体何なのか。こういうときに検索してはいけない、とよく聞きますが私はかなり調べました。見たのは、がん情報センターなどの信憑性が高いサイトのみ。「首 しこり 片側」という風に単語を並べて、とにかく調べました。私の場合は病気について知ることより見通しが立たない方が不安なので、調べることを選びました。このときに、「甲状腺がん」という言葉に辿り着きます。甲状腺腫瘍は良性がほとんどだと知っても、安心することはできませんでした。

初診が怖い

 そして私はしこりの正体よりも、初診でどんな検査を受けるのかが気になっていました。「がんが疑われているから穿刺吸引細胞診をするだろう。」とは思っていましたが、初診で受けるのか後日検査をするのか。予約を取った時点では分かっていませんでした。初診で何をするのか分からない、というのが最も不安でした。細胞診をするということは、しこりに針を刺すということで。首元に針を刺されると考えるだけでも怖かったです。初診で細胞診をする可能性が考えられる状態で病院に行くのは、かなり覚悟が必要でした。

検査について伝えた人

 初診までに、精密検査の話をした人が数人いました。母、大学の先生方、仲が良い友人数名です。診察代などの支払いや受診のときに出てきてもらうことも考えて、母には1番に連絡しました。このとき、「腫瘍が悪性かはまだ分からないから、自分で勝手に調べないでね。」と伝えていました。
 そして、大学の先生。実は「早めにもう一度受診した方がいいよ。」と言ってくれたのは、先生でした。精密検査をするのが決まったことを伝えるため、耳鼻科の帰りに直接会いに行きました。自分が置かれた状況を言葉にするうちに、ようやく実感が湧いてきて泣いてしまったんです。そんな私を見て、「全力でサポートするから。」と力強く伝えてくれました。
 あとは友人。自分だけで抱えているのがつらくて、親しい友人には話すことにしました。家族ではないからこそ、言えないこともあるかなと思って。入院中にすぐ頼れる人を作っておきたいという考えもあり、早い段階で伝えることを決めました。

いち香的・不安軽減策

 精密検査の日とともに、卒業論文提出日が近づいていました。卒業論文を出さないと、大学を卒業できません。のんびりじっくり派の私は、提出日ぎりぎりまで修正を重ねていました。この頃は家にひとりでいるのが何よりもつらくて。何かしている方が気がまぎれたので、「卒業論文を書く」というタスクがあってよかったです。
 あとはひとりでいるのを避けるために、検査を受けるのを知っている友人に頼んで一緒にいる時間を増やしてもらっていました。診断を受けていない段階で友人に伝えるのか迷いましたが、私の場合は伝えて良かったと思っています。週末や大学の帰りに、色々なところへ連れ出してくれました。
 周りの人に助けられながら過ごし、ようやく初診の日を迎えます。


▽ 続き

▽ まとめ


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