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初めて一人で海外に行ったはなし

「ここが私のアナザースカイ、スイスです!」


チューリヒの運河を背にこのセリフを言う日が来るまでは絶対に死ねない。そう思っていますHarukaです。いかがお過ごしですか。


初めて一人で海外に行って、そこで見たもの触れたもの出会った人。それが私を大きく変えました。この記事はそんな私のはなしです。




チャレンジからエネルギーを受け取る


私は5歳の時からある団体に所属していて、世界最大の青少年教育団体なんですそれが。ボーイスカウトというやつです。

スイスアルプスの山の中、Kanderstegという田舎の村に世界中からボーイスカウトをやっている仲間が集まる場所があります。(以下「センター」と呼びます)


世界中とは言っても、ヨーロッパ勢が多く、アジア人特に日本人はほとんど行きません。

ある時たまたまそのセンターの存在をネットで知り、「行ってみたいかもしれない」そう思った日からずっと行けるチャンスを待ちました。

なかなかチャンスが訪れず、待てば待つほど行きたくなり、待てば待つほど魅力的に見えるセンター。




チャンスは突然訪れます。

20歳、数字の区切りが人生の区切りになりました。

どんな経緯でどんなチャンスだったか、説明し出すと記事の趣旨から逸れてしまうので、その段落は全消去。それはまたいつの日か。



そんなこんなで行けると決まったわけです。テンションは高く高く舞い上がり、地球を俯瞰で見られるほどです。

飛行機のチケットを買い、ホテルの予約をとります。そしてそこで気付きました。

「私、一人で海外行ったことないし、一人で飛行機乗ったことない」

修学旅行や家族旅行で海外に行ったことはあるものの、単身海外へ行った経験は持ち合わせていませんでした。

いつかの記事で、「私は臆病な性格である」と書きましたが、その時に限ってはそんな臆病な私はどこかへ行ってしまっています。なぜならその時のテンションは最大値。臆病から一番遠いところでルンルンしていました。



いつもなら尻込みするかもしれないことでも、なぜだか私にはワクワクして感じられました。それ以降、どんなチャレンジからも前向きのエネルギーを受け取るようになりました。


挑戦できるきっかけを得た瞬間に、そこから何が学べるのかどう成長できるのか、その判断ができるようになるには、もう少し時間がかかりそうです。しかし、尻込みせずに「何かわからないけど良いきっかけになるかもしれない」そう思えるほどには成長できました。




計画を立てると計画外のことが楽しめる


20歳の冬。超真冬。航空券とパスポート、ありったけの防寒着を持ち、初めてスイスへ降り立ちました。


チューリヒの市街地は運河を挟んで旧市街と新市街が向かい合う。オシャレ度100%の街でした。

全部がキラキラして見えて、ついでに自分もキラキラ輝いてる気がしてくる。


「明日の朝、センターに向かって出発する。チューリヒは目的地ではなくただの中継地点」そう分かっていても、あの時の高揚感はとても言葉じゃ伝えきれないものでした。

次の日。朝。昨日より寒い。必要以上に早く目が覚め、あっという間に出発の準備を整えた私は、チューリヒ中央駅へ向かいました。



帰りはもしかしたら何かあるかもしれないから、と片道切符にしました。駅員さんに「目的地の駅はスーパー田舎だから、切符買っといた方がいいよ。駅員さんいないかもよ。」と言われましたが、冒険モードに入っている私はそれを断り、ドイツ語だらけの切符を握りしめ、電車に乗り込みました。

計画をしっかり立てた後、予期せぬ事態を楽しめる心の余裕を持つと、思ってもないチャンスを活かせるかもしれない

ビビりのくせに前の晩ベッドの中でそう考えていました。



いまだかつてない程の集中力を発揮し、ミスなく目的地についた私を待っていたのは、自分の想像や期待を遥かに上回る夢のような経験でした。


ただその話はまた別の機会に。






いわゆるカルチャーショック


17の国から集まった同世代のボーイスカウトの仲間たち。


みんな英語がペラペラ話せて、自分の国に詳しくて、私のことにも興味を持ってくれる。

ショックでした。



みんなの言っていることは理解できるし、言いたいこともちゃんと言える。でもなんとなくコミュニケーションに乗り遅れている気がする。

日本のことが分からない。

相手の何を聞いて良いのか分からない。

日頃、いかに自分が閉ざされた環境に暮らしていて、共通言語のある相手としか接していなかったか。それを痛感しました。



自分の興味や好奇心はすでに蓄積された物からしか生まれない。


自分の暮らす範囲、社会や文化の外に目を向けて初めて気づくことや知れることがあります。しかし外に目を向けることはなかなか簡単なことではありません。


ボーイスカウトという私にとって慣れ親しんだ環境と海外に興味があるという今までの自分の性格が重なって、たまたまスイスへ行くチャンスを掴み、そこで奇跡的にそのことに気付けました。


それ以降、意識的に自分の興味の外に目を向けるようになりました。




スイスは結局チーズが美味しい



スイス。ハイジ。山。チーズ。

渡航が決まってからの私の頭の中はこの4つのワードがグルグル回るだけ。

実際に私が経験したスイスはハイジみたいな世界観で、見渡す限り山だらけ、毎日ご飯にチーズが出てくる。都市部での滞在が長ければそんなこともなかったのでしょうが、山の中の田舎の村はイメージ通りの世界観でした。



みんなでチーズフォンデュを食べていると、会話の中からたくさんの気付きを得られました。

家族のはなし、国のはなし、将来のはなし、チーズのはなし。


そうすると、人を国別に分けていた私の分類方法は時に正しくないとわかってきたのです。


その人がどこの国の人か、肌の色は何色か、何語を話すのか。

それらは特徴として語ることはできるかもしれないけど、その人自身を表わせるものではない。


私の髪の毛は黒いし、肌は黄色で、目は茶色いけど、クルクルした金髪で目の青い白人のあの子とは話が合うし、見た目の違いは気にならない。

もちろんそうじゃない時もあって、なんで部屋の中で靴脱がないの?お米食べようよ。食べるなら箸で。って思う時もある。分かり合えない時もある。


でもそれが私たちの関係性の終わりを告げるわけじゃなくて、世界は広いね。広いのに、それなのに出会えて嬉しいねって言えばいい。


人に優しくできる人でいたい。と思う私は、また一つ、優しくいるための、もっと優しくなるための、ちょっとした心のあり方を学びました。


だから私の好きな食べ物はチーズ。優しさや思いやりを思い出せるから。






臆病な私が思い切って冒険して、そしたら思ってた以上に色んなことを学べた。今回はそんなはなしでした。

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