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思いがけず暮らしが豊かになったものと、私にとって食とは


ずっと気になっていたせいろを買った。

せいろというと少し高級な中華料理屋で出てくるイメージだけど、その調理方法は意外と簡単。そして、蒸し料理は栄養素も落とさずに火を入れることができて、何よりヘルシーに調理できる。
実家に帰ったときに、母に「せいろ欲しいんだよね〜〜」と言うと「結構面倒臭いよ」と一蹴され、ややその気持ちはしぼんでしまったが、やっぱり憧れは捨てられない。

買うなら、妥協せずそれなりに良いものを…と思ってしまうのが私。特に調理器具はよく触れるものなので納得できて購入できるのがいちばん。そうなると少し値が張る。
生活用品はパートナーと共有したお金で買っていることもあり、ワガママすぎるかな〜となかなか自分の欲しいものリストから消えることなく、しばらくの間、リストの上位に君臨していた。

でもやっぱりあのフォルムと蒸し料理にチャレンジしたくて、おそるおそる「買ってもいいかな…?」と尋ねると案外早く「いいんじゃない?」と。
ぜったいに元を取るぞ!(この考えは関西人特有?)と言わんばかりの心意気で購入を決意した。

ぎゅっと野菜が詰めている間は、これが蒸気だけで中まで火が通るのか内心どきどき。

しかも硬い食材ばかり

いろんなサイトを見ては、
「焦げ付かないように濡らしたらいいんだな」
「え、せいろって消耗品なの?!」
「沸騰したお鍋に載せて数分でできちゃうんだ…!」
と新しい発見ばかりで、ゆっくりひとつひとつを確認しながら調理する過程は胸が高鳴った。

所謂!なフォルム

どきどきで調理してみた結果、あれだけ購入を悩んでたのに「もっと早く買えばよかった…!!!!!」と思うほどの感動アイテムだった。

ふわりと湯気が立ち込めた中には、ほくほくの野菜が並び、食べると今まで食べていた野菜の味をこれでもかと凝縮した旨みが口いっぱいに広がる。

野菜ってこんなに美味しかったんだ!
今まで知らなかった扉を開かれた心地がした。

茹で野菜にしろ、焼き野菜にしろ、どれだけ素材自体がよいものでも、やはり塩はほしい…と思ってしまっていたけれど、野菜本来の旨みがしっかり感じられるので、味付けは不要。それにも驚いた。

映えは気にせず

何もつくる気が起きない日でも、冷蔵庫に野菜さえあれば、立派なごはんに。
よくよく料理するのが面倒だなと思って、ストックのパンやごはんならまだしも、お菓子のようなもので済ませてしまうときには罪悪感を覚えるのだが、これなら多少栄養のあるものを食べれて気持ちも満足できてよいじゃないか…!

我が家に届いてからというもの、休日の2日に1回はせいろが登場しているような気がする。


栄養素や食べ物のことに興味を持つ中で、安価なものほど美味しくなるようにたくさんの添加物や化学調味料を含んでいることを知り、可能な範囲でシンブルなものでいただきたいと思うようになった。

万能調味料はほとんど家にないし、インスタント食品もほとんど買わなくなった。安売りされた食材も濃い味付けしゃなくても、ちゃんと美味しい。じんわりと幸せが溢れてくる。
ジャンキーなものは快楽的な“おいしい”は感じるけども、ただエネルギーを補給するだけ、それも身体によいものばかりじゃないものを。心が満たされる感覚は乏しい。

また、ボディメイクに力を入れ始めてから、より口にするものが身体をつくっているなと感じるようになった。私は小麦をたくさん食べるとお腹が張ってしまう。甘いものを食べると、もっと甘いものがほしくなる。お菓子をたくさん食べることで、そのときは満たされた気持ちになっても、あとあと身体が重くなったり、なんだか「いつもと違う」を感じるようになった。

仕事終わりや夜勤のお菓子はやめられないし、必ずしもいつも”ていねい”な食事ではない。それでも、意識してシンプルなものを選ぶようになってから食というものに有難みを感じるようになった。

衣食住どれも大切だけど、食は「生きる」に関わってくる。少しばかりの意識が一生乗り換えができない自分の身体を労ることに、生活の豊かさに、つながってくるんだろうなと思う。


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