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もっと簡単に考えてみるエシカル消費のこと


心地よく暮らすことについて考えていく中で知った、「サスティナブル」「エシカル」「SDGs」などの言葉。

自分だけじゃなくて、生産する人や資源、未来まで大切にできる考え方に興味をもって、色んな情報を見てみるけれどもなんか難しい。多くはビジネス的な目線であり、私のような一般人にはイマイチぴんとこないというのが本音だった。

また、正しいことを言っているけれども、「〇〇は悪い」「△△がよい」となんか極端でもやもやする。急にお肉やプラを辞めたり、エシカルブランドしか買わないなんでできない。

もっと気軽にできるにできることってないだろうか、と思ったときに出会った「はじめてのエシカル」。

これが私の中にすっと入ってきて、より簡単にできるエシカルなことを意識するようになった。
この本を読んで改めて大事にしたいことや意識していることをまとめてみました。


エシカル消費とは


そもそも「エシカル」とは。
朝日新聞社の「2030 SDGsで世界を変える」の中のエシカル消費について解説されている記事から引用すると、

エシカル(ethical)とは、直訳では「倫理的な」という意味。一般的に理解されている「倫理的な」こととは、法的な縛りはなくとも、多くの人が正しいと思っていることをいいます。
その「エシカル」と「消費」を合わせた「エシカル消費」というのは、環境や人権に対して十分に配慮された商品やサービスを選択して買い求めることをいいます。
https://miraimedia.asahi.com/word_ethical/

ほうほう、なるほど。
でも、なんとなくまだ難しい。

本の中でも同様の解説がされているけれど、その後にわかりやすくこう綴られている。

私たちの手元に届くものはすべて、誰かの「おかげさま」で作られている
周囲と助け合うのは「お互いさま」だから
食べ物や身の回りのものを粗末にしたら「もったいない」

日本人に馴染みのある言葉たちはエシカルの核心をついていて、自分の幸せだけでなく作っている人や作られている環境への思いやりこそが「エシカル消費」ということなんだ、と初めて納得できた。 


SDGsの中に「つくる責任、つかう責任」という目標がある。
2050年までに今の生活を維持して世界の人口が96億人に達すると、地球3つ分の天然資源が必要と言われていて、もう何かを犠牲にした消費活動はできないことを意味している。

「環境にいいことをしましょう」というとなんか難しいし、それを横文字にするともっととっつきにくいけれど、今ある物を大切にし、手にするのならよく考えて購入するというと分かりやすくて、誰にでもできるのではないかと思う。



必要な分しか買わない・受け取らない

まず、私が一番に目を向けたことがこのことだ。
ひとり暮らしを2年ほどしているが、未だにやってしまうのが冷蔵庫にあるものを腐らせてしまうこと。

安売りだから今のうちに買っておこう、と買ったものは意外と食べれなくて、気づいたら腐りかけ、罪悪感でいっぱいになって破棄することがしばしばあった。

今は、一週間で食べきれる分だけ買うこと、冷蔵庫を空っぽにしてから買い物をすることを意識している。

献立を大体で考え、もし使い切れない食材があれば1日を鍋やカレーにする。それでも残ってしまうなら冷凍することにした。週の真ん中で買い足すこともあるけれど、以前より無駄にすることが減ったし、節約にもなっている。


また、食品だけではなく買い物の際は使う分だけにし、過剰なストックは持たないようにしている。
あったら便利は、なくても困らない。本当に必要なものだけを愛着を持って使うことは、どんなに値段が安かったとしても大切にするようになった。

また、スーパーのチルド用の袋や使い捨てのカトラリーも使わなければ断るようにしている。

そもそも、一個人が管理できる物の量は限られている。それよりも多く持たないことが使う責任を果たす上で、まず大切になるのではないかと思う。


今あるもので工夫して使う

今までも、あるものを考えて買って、大切にしていると思っていた。
だけど、特に気になったのは、便利を求めて使い捨てられるものの数の多いこと!

袋類やペーパー類はその代表格だと私は思っている。

使い捨ては確かに衛生的だけど、必ずしも全ての場面に必要かと言われればそうでないことに気づいた。さっと拭くのであれば、キッチンペーパじゃなくてふきんでいいし、食材が入っていた袋はゴミ袋として再利用できる。


また、もともとお洒落することが好きなこともあり、ファッションに関するものの消費が多かった。最近は「好き」が定まってきたこともあって、ほしいと思っても「あの服があるからいいや」と思えていて消費をすることが減っている。


ある物を活かす工夫を考えることは飽きないから楽しくって、資源を使いすぎることがない。そして、消耗品を買う頻度が減って、ゴミが少なくなった。それの循環が最近心地良い。


ものの行く先を考える


みなさんは買い物の際、その物を手放す先を想像しているだろうか。
意外と手にすることは考えるが、手放すことはそのときにしか考えないのではないかと思う。

私は手放す先は循環できるところを選ぶようにしている。

紙であれば燃えるゴミよりも古紙回収に。
洋服は使い古したものは掃除で使うウエスに、まだ着れるものは古着回収に。

ユニクロや無印良品は自社製品を回収し、エネルギーに活用したり必要な人へ届ける衣料支援、回収した製品から新たな製品を作る試みを行っている。そのため、お洒落さを求めていないシンプルな衣類は上記のブランドで買うようにしている。

もちろんエシカルなブランドで購入することが一番よいことであると思うけれど、お洒落よりも生きるために必要だからと着ているものではなかなか手が届く値段とは言い切れない。そして、生活が不安になるほどの購入を求めるのは「持続可能」とは決して言えない

ファストブランドの生産過程はしばしば問題になっているが、昨今では透明性やより配慮されたものになってきているのではと私個人は思う。

ファストブランドが悪い、エシカルブランドならいいという目線ではなく、生産過程や自分の生活、その物の行く末を総合してベターなものを選んでいくのがよいのではと思う。


考えて物を手にする癖を


長々と綴ってしまったが、「エシカル消費」というのはこれだけじゃないと思う。特に本の中ではフェアトレードや認証マークの話もされている。それらを選ぶのもとっても大切。

だけど、もっともっと身近でお金がかからない方法ってなんだろうと思うのです。

製品が作られる過程で誰かが搾取されることってあってはならないことだと思う。
だって、自分がちゃんと働いて給料がもらえなかったり生活がよくなかったら、とっても怒るし許せないはず。それを自分は許してないのに、他人はよいなんてない。

だけども、自分の生活がままならないのに、他人を思いやるというのはなかなか難しいものだと思う。

自分の生活は自分しか大切にできない。だから、自分の幸せを大切にしながらも資源やその裏で働く人たちもよりよく過ごせる方法って「考えて手にすること」なんだと思う。

現代社会は物が過剰に供給されている。
だからこそ、これからを生きるために取捨選択や想像力が一個人に求められているんだろうな。


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