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東京百景 #偏愛のすすめ

梅雨の時期。

霧雨は湿気で髪がボサボサになり服も傘をさしてるはずなのに気づいたら水だらけになっている大変厄介な雨だ。そんな雨の日は嫌いだけど、ちゃんと、地面を叩きつけている雨の日は全く嫌いでは無い。同じ雨なのに不思議。湿気もないし、心なしか緑も喜んでいるような気がする。

「話は変わって、今年の夏はあまり暑くなさそう。

あい変わらず季節に敏感でいたい。」

くるりの東京という歌のワンフレーズ。東京に来て気温以外、あまり四季を感じることが少なくなったけど地元に居た時の自分の感覚を失いたくないなと思ったり。だけど、東京に慣れた自分を褒めてあげたくなったり。東京は不思議なところです。

この曲に出逢えたのは又吉直樹作の「東京百景」の作中にこの曲が登場していた。そこから私は毎日聴いている。「劇場」を半年ほど前に観て号泣。その後も、引くほど引きずりあの二人どうなったのかななんて気になってしまう程だった。上京して一緒に夢を追っていく姿は、自分自身にも投影出来たからかもしれない。なんだか、又吉作品がとても気になり書店に向かった。有名な「火花」と「劇場」はもちろんあり、どっちを買おうかどっちも買おうか迷っていた時、ふと「東京百景」という題名が目に入り作者を見てみると又吉直樹作。以前書かれていた連載をまとめたエッセイ集だった。目次を見てみると、知っている景色達が沢山ちりばめられていてワクワクしすぐレジに向かった。


本の中には又吉さんの青春がちりばめられていて、百景という題名がしっくり来た。


きっと当時はしんどい思い出でも何年後かに記憶を辿って、景色のように眺めた時輝いてたり笑えたり、美しく思える東京の百景が広がってるんだな。と。本人はこの題名を付けたのは全く別の理由と本書に書かれていたが、私にはこう思えた。


そして本当にすごいなと思ったのが又吉さんの文章って本当に面白くて声に出して笑える。爆笑。さすが芸人さんって素晴らしすぎると感動。尊敬。

読んだ後、エンドロールのように東京が流れてきた。見終わったときの余韻が心地いい作品。

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やっぱり、スカイツリーより東京タワー見た時の方がグッと来るんだよね。なんでだろうね。

梅雨も明けたすっかり夏になった。空が高くてカラッとしていて心地いい。さて、今年の夏はなにを読もうかな。「東京」って題名の曲を集めてプレイリストでも作ろうかな。


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