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経験学習における3つの誤解

 こんにちは。えーじです。
 本日は経験学習における2つの誤解について書いていきたいと思います。

1.経験学習とは

 そもそも経験学習とはなんでしょうか。以前の記事でデューイを紹介しましたが、そのデューイは人は知識を詰め込む容器のようなものではなく、能動的に経験を生み出し、経験から学ぶことのできる生きものだとしました。

 このように人は経験から学ぶことができるという考え方は、現在の組織開発の源泉になっていますし、アクティブラーニングなど経験から学ぶ手法は研究が続いております。

2.はびこる経験至上主義

 一つ目の誤解は「経験がすべて」ということです。ベンチャー企業なんかもとにかく経験しろ、というイメージを勝手ながら抱いております。
 しかし、デューイは経験から学ぶとはしましたが、それとセットで内省(リフレクション)が必要であるとしました。人が学ぶのは経験をした時ではなく、経験を内省したときです。

3.PDCAサイクルである

 2つ目の誤解はPDCAサイクルのようなものであるという理解です。有名なのがコルブの経験学習サイクルですね。

引用元 https://www.cultibase.jp/articles/870

 しかし、コルブが述べたかったことはPDCAを回すことが本質というわけではなく、「抽象⇔具体」と「能動⇔内省」の2つの軸で考えるということにあります。
 それぞれを行うことが重要であり、自身の学習スタイルや環境に合わせて学びのスタイルを変化させていくことが重要です。

3.イノベーションとは無縁

 最後の誤解はイノベーションと経験学習は無縁であることです。イノベーションはシュンペーターの訳の通り「新結合」というとらえ方をされることが主流であるため、自分たちの技を少しづつ向上させていく経験学習サイクルは関係がないように思えます。
 しかし、実際はそうではなく、コルブの経験学習を突き詰めると知の深化だけではなく新しい領域への知の探究も併せ持っています。
 経験学習とは少しことなりますが、野中郁二郎氏は企業のイノベーションの源泉として知識創造のプロセスに着目していました。これは個人の経験などの言語化できていない知識(=暗黙知)を、ともに経験することによって表出化させていくというプロセスがあります。よって個人的にも自身の経験を内省により言語化していくということは、イノベーションに通じると考えられます。

 本日の内容はこちらのアウトプットです。
 それではまた次回!


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