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情報を最小限にすると、感覚が戻ってくる。

この前、鎌倉の小さなホテル「aiaoi」に泊まってきました。

「 暮らしの延長にある宿 」 aiaoi

友達から聞いて、ずっと気になっていたホテル。

私は旅が好きだけど、何ヵ国横断するとか一回で様々な場所をたくさん見る!ということにめっきり興味がなくて、一度行くのであれば10日はその場所にいたい…!というタイプ。

観光地も楽しいけど、スーパーとか公園とか市場をまわるのが特に好き。なんなら疲れている日はホテルで動画見て終わる日があってもいいみたいな。そんな暮らすような旅が大好き。

だから「暮らしの延長にある宿」というワードに、ずんっと心を掴まれて泊まってきました。


その前に腹ごしらえ

ホテルは長谷駅にあるのだけど、長谷なんて修学旅行ぶりだし、2日間長谷から出ないぞ!って決めた。

とりあえずお腹がすいたので、ホテルの前にカフェへ。ここがまためちゃくちゃ素敵だった〜〜〜〜!たまたまふらっと入ったのだけど、2階が器とか道具屋さんになっていて、きゅんとするものたちでいっぱい。

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1階のカフェも雰囲気抜群でした。しっかりどっしりしたチーズケーキっていいよね。

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長谷序盤からポテンシャル高い!

というわけで、お腹も満たされたのでホテルに向かいます。



海の近くの雑居ビルにあるホテル

意外すぎて写真を撮るのも忘れてしまったのだけど、いわゆる雑居ビルの3階にホテルがあります。「ほんとにここかな?」と思いつつ階段を登ってみると

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わーーーもう好き。

壁の、色味、階段の木、材質、、、もう、、好き、、、、!(変態)


「靴についた海の砂をこちらでおとしておあがりください」

この桶の中にブラシがちょこんとあるのが個人的にすごくツボだし、粋な計らいで素敵。

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ロビーは写真NGなので撮っていないけれど、どこを見渡しても「選んだ」ものしか置いていないという印象を受けた。強い主張はしないけれど、しっかりと「ここにいる」って感じのものたちばかり。


そしてそしてお部屋!
今回は「asahi」のお部屋でした。この窓から朝日が見えるんだって。明日頑張って起きよう。

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本当に無駄なものは一切置いてなくて、置いてあるものは見た目と使いやすさの両方が考えられて置かれている気がした。

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特にパジャマに感動。こんなにも素肌に触れて気持ちの良いものがあるんだって驚いた。(CMのセリフのようで陳腐になってしまう笑  でもほんとにそうなの)

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極め付けはこの床!色味も渋くて素敵だし、素足であるくとすごく気持ちの良い床だった。写真は部屋の床で、廊下は凹凸のある床張りでそこもすっごく良い。「足の裏が喜ぶ床」でした。普段、今自分は何を踏んで歩いているかなんて意識していないな…ごめんよ足の裏…って思った。笑

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夜は外でしらす丼を食べてふらふら探索してから、ホテルにあったこの本を読んで就寝。人生フルーツっていう映画(まだ見れてない)のおじいちゃんとおばあちゃん。畑がやりたくなる本だった。

ああ、なんて贅沢な夜なんだ。



長谷2日目。 朝日に起こされる

朝日と共に起きるのは無理だったけど(笑)朝日に起こしてもらって、ぎりぎり見れました。5:45ぐらいだったかな。

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それから人がほとんどいない朝の海を散歩。波がきらっきらしていました。

2回目いいかな。ああ、なんて贅沢。

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そんなこんなしていてもまだ7:30だったから、部屋でもう一眠りしてから8:00に朝ごはん

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シンプルだけどおいしくて沁みる朝ごはんでした。

私たちを含んでその場に7人いたのだけど、驚くほど静か。私はいつもテレビを見ながらとか、誰かと話しながらご飯を食べてばかりだから、恥ずかしながら静かにご飯を食べることに慣れていなくて(笑)最初は「なんか気まずいな〜」と思ってキョロキョロしながら食べてた。

でもだんだんと慣れて静寂が心地よくなってきて、自分の噛んでいる音が聞こえてきたりとか、魚の骨をいつもよりゆっくり丁寧に取ったりとか「食べること」に集中し始めたんだよね。そうすると、これどうやって作っているんだろうとか、そもそもどこから来たんだろうとか、想像することを始めるの!よく「生産者を考えながら食べてみよう」とか言われるけど今までできたことなくて。でもこのときは自然とそうなった。


人はやることがないと想像することを始める。


これが面白いな〜〜〜〜と思った!

朝ごはんの後は長谷のパン屋さんとかアンティークショップとかを歩き回ったり、海をぼーっと眺めたりしてから帰宅。

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ホテルaiaoiはお寺に似ている

これが泊まってみて私が思ったこと。前にお寺に泊まったことがあって、そのときの感覚にすごく近いものを感じた。たぶん両者に通じるものって

「余計な情報が少ない」

ってことだと思う。内装とかはもちろん全然違うのだけど、テレビがなかったりアメニティも最小限だったり、旅館のような豪華なご飯ではなかったり。最初は正直、温泉もなくて夜ご飯もなくてこのお値段はちょっと高いかも・・・って思った。でも最終的にものすごく満足だったし、提供している価値が違うんだな〜って。


私は刺激がないと生きていけない人間だから情報が好きだし、情報によって助けられることはたくさんあると思う。でも情報を少なくすることで得られる感覚とか想像力も、豊かに生きるためにすごく大事だ。知らず知らずのうちに「何かしていないと不安」「効率よくしないともったいない」と思っている自分がいて、ながら生活を思った以上に日常的にしている。今、自分が何を食べているのか、何を踏んでいるのか、何を見て、何に触れているのか。全く考えずに生活できてしまっていることに気がついて怖さを感じた。

この旅で思った「贅沢だな」って気持ちは、ぼーっとしたりお金をかけていないときに感じていて、そうだこういう豊かさがあるんだったーって。


これはどっちがいいという話ではなくて、どちらも良い距離で楽しむのが自分には合っている気がしたな。たまには情報をシャットアウトして、感覚をのびのびと開放してあげる。耳をすましてあげる。「自分で考える」ことのできる人間になるためにも必要なことだと思った。


なにはともあれ、長谷もaiaoiさんもすっごく良かったので感覚鈍ってきているな〜という人には特におすすめ。



私は結論、鎌倉に住みたい。

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曇天の海もまたよき。








おわり。


#鎌倉 #長谷 #aiaoi #旅 #エッセイ  

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