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学習初期に大切なこと

年が明けて授業が始まりました。パリでは年明けから冷え込んで寒い日が続いていますが、子どもたちは楽しみだったクリスマスを過ごしてたっぷりと充電できたようで、集中力もやる気も高くいい感じに授業を再開できました。

🎄パリ市庁舎前のクリスマスイルミネーション🎄


今日は1年目のに在籍する子どもたちに授業をする時に大切にしていることについてお話しします。


フランスの音楽院では通常7〜8歳で楽器を始め、それと同時にフォーマシオン・ミュジカル(ソルフェージュ)の授業も始まります。

私が教えている音楽院では1年目からしっかり勉強します。他の学校の先生に何度か学習内容を共有したことがありますが、「1年目でこんなにできるの!?」といつも驚きの声が上がります。
1年目であっても初心者であっても十分に成果を上げられます。皆、普通の子どもたちです。ここでの「普通」というのは一部の神童みたいな子どもではないということです。もちろん時々飛び抜けて飲み込みが早い子、器用な子もいますが、それぞれに得意不得意があり、訓練していくうちに徐々にできるようになっていきます。なので他の音楽院の生徒たちも同じように成果を上げられると思っています。


では何が違うのでしょうか?教える側の能力の違いでしょうか?


私は「学習のリズム」を学んでいるかどうかだと思っています。

幼稚園と小学校では学習スタイルに大きな違いがあります。幼稚園では遊びが勉強の一部のようなものですが、小学校に入ると、静かに座って先生の話を聞き、勉強することを求められます。大人しい性格や集中力が続く子どもたちそれができますが、幼稚園を卒園したばかりの子どもたちにとっては簡単なことではありません。

音楽院のフォーマシオン・ミュジカルでもカリキュラムを進めながら、家庭や学校と同じように「勉強の方法や授業の受け方」を教えています。
授業はまず椅子にちゃんと座る、持ち物の用意や片付けといったことから始まり、家でどのように宿題に取り組むかを説明します。
宿題は毎週出されるので、それを家で2〜3回は練習して次の授業に備えるというリズムを身につけることが初年度で最も重要です。

1度リズムがつけば、その後は当たり前のように宿題をこなすようになります。音楽の基礎的な部分は学習障害などがなければ、どの子どもも繰り返し練習することで必ずできるようになると考えています。

子どもたちは想像以上に可能性を持っているということを、この仕事を始めて知りました。
必要以上に優しく、または厳しくする必要はないです。スパルタでやっていると思われがちですがそんなことはなく(実際に生徒や保護者の方からチアキは優しいとよく言われます!本当です!笑)、
学習のリズムを作ってあげる、何をどう練習したらいいのかを明確にしてあげることが大切だと考えています。
あとは子どもたちの可能性を信じて忍耐強く待つ。

これはフォーマシオン・ミュジカルに限らず、全ての習い事や勉強でも同じですね。

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