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『She Was Pretty』はただのロマンスじゃない。

数年前にアメリカの留学先のホストシスターとハマって観ていたこの韓国ドラマ。日本語タイトルは『彼女はキレイだった』。懐かしくなって見始めたら止まらなくなってしまい、16話を一気に観てしまった。

ネタバレ満載なので、是非先に作品をご覧ください〜


かもみーるポイント

1. 人間的に愛おしくなる主人公

2. ロマンスとしても最高にきゅんきゅん

3. 純粋なキレイさ、詰められた教訓

あと、挟み込まれたちょっとしたユーモアと音楽のセンスが好き。


1. キムへジンがどんどん愛おしくなる。

自己嫌悪ばかりで自信がなくて自分を脇役にするへジン。それが態度に出て他人からもそう評価される。そんなへジンにものすごく共感できた。多くの人が抱えている想いだと思う。

それでも、彼女には最大で最強の魅力がある。それは、どんな状況でも相手のために行動する思いやりと優しさ、つまり、自分以外の人への透き通った愛情深さだ。いつも人を気にかけ想う彼女の表情は親しみやすく、作品中の登場人物と同様に観客の私もどんどん彼女に惹かれ、応援したくなった。誰かのために本気で笑って怒って泣く。私もそんな人で在りたい。純粋で、不器用で、バカらしく見えるほど真っ直ぐ全力投球姿は、一生懸命すぎてコミカルにも見える。でも、時折見せる温かく揺らがない表情には、相手をしっかり見て感情や自我に流されずその人のためを考えて動く、器の深さと本当の意味での強さが滲み出ていた。


2. 絶妙なきゅんきゅんドキドキが詰まってる

私がグッときたのは、まずソンジュンの態度のギャップ。仕事の戦闘モード、優秀だが相手を萎縮させるほどの冷たい話し方、表情。ところがへジンの前ではネコのようなへにゃっとした笑顔と、子供のような無邪気な愛情表現。完璧なように見えて脆かったり人一倍寂しがり屋で、かっこつけるけど自分の中で悩むし失敗も沢山する。それをすぐに認められない。でもあとでちゃんと認めて傷つけた人に謝る素直さもある。そんな彼のギャップが人間らしくて可愛らしくて、彼の中のへジンの存在の大きさと合わさってドキドキした。

そして胸キュンシチュエーションをつくるのが上手すぎる。笑 沢山あるけど一番は、オフィスのデスクで壮大に船を漕いで寝落ちしているへジンの落ちそうになった顔を咄嗟に支えて、そのまま電話が鳴ったので彼女を起こさないように顔を支えたまま電話に手を伸ばしてなんとか止めるところ。更にそのときの彼の顔を、ふいに目が覚めたへジンがデスク上の鏡越しに見ていたこと!!このシーンをはじめとして、必然的な状況を作りその中でキャラクターを真実味を持たせたまま動かして胸キュンシーンを作るのが上手すぎた。日本のドラマとは違い、2人が結ばれてからも、カップルとしての胸キュンをふんだんに詰め込んでいるのも魅力的だった。不意打ちの強引さに何度もノックアウトを食らった。

凄く楽しめました、ごちそうさまです。笑


3. 人生を魅力的に、“キレイ”にするために大切なこと

純粋で温かく愛情深いキムへジンとその周りの人達のドラマから、学んだことが沢山あった。特に私に刺さったのはこの4つ。

“人がためらうのは思考と感情がズレたとき”

“チャンスの神様は、髪の毛が前髪しかないので後ろから掴めない。だからチャンスは一度きりなんだ。”

“やりたいことをしているときが一番キレイ”

“自分を主役にするのも脇役にするのも自分自身。誰だって主役になれる。自分が自分にそうしてあげれば。”

チャンスの神様の前髪の話は有名でもとから知っているけど、絵は初めて見たし、改めて内容を噛みしめた。

この4つに共通しているのは、「怖がらずに、余計な考えに縛られて慎重になりすぎずに、自分が感じたことを大事に、とにかくやってみよう」というメッセージ。これは、主人公へジンの人生、ソンジュンの人生、親友ハリの人生、ザ・モスト編集部の人生をはじめとしてこの作品全体を通した作り手たちのメッセージだと思う。

ただしこれは、自分勝手に生きろということではない。キャラクターたちのように、“本当にその人のためになる”ことをする重要性も学んだ。ずっとヘジンを見守り続けたキム・シニョクの居ずまいや表情の魅力といったら。


最後に

この物語は、キレイなところだけ描いている。みんな良い人だし、展開も最終的に良い方へ良い方へと転がっていって現実味に欠けるとも言える。けど観ていてずっと楽しめたし、寄り添い背中を押してもらったような気分になった。

現実には嫌なこともどうにもならないことも沢山ある。泥沼の中苦しみながら必死で生きている。だから眩しい希望や理想とはどこかで折り合いをつけないと、傷を正面から食らってしまい、より傷つく。だからどこかで諦めながら生きている。

でもだからこそ、私たちはもっと、子どものように、童話のような純粋で眩しくて温かくて優しい夢を見ていいんじゃないか。私たちの人生、自分だけの人生。たとえ傷つくことがあるとしても、愚直に、真っ正面からぶつかって、欲しがって、踏み出して、傷つく、そんな勇気と覚悟で生きていくほうが幸せなんじゃないか。

ヘジンは童話作家になるし、この作品にはそんな想いも込められているような気がする。

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