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河伯にはなれなかったのだよ

※ 今回もセンシティブな内容となっています。
何故なら前回の続きでありますので。
脂腺母斑(しせんぼはん)という病気について触れています。
繊細な方は回れ右で前回から引き続きで申し訳ないのですが、もうしばらく回り続けていてください。
そしてどうかどうか呆れず次回も相手してやってくださいませませ。

先日は確か、私が河童!?衝撃の事実!!私はお母さんの娘じゃなかったの!?ってところまで話したかと思いますが、地元には各地にありがちな河童伝説があります。

ですが地元出身の作家さんが脚色した作品を発表してからは、そちらが有名になり、私自身も子供の頃はそれが若松の河童だと思い込んでいました。
何よりそちらの河童の方が若松の人の気質に合ってますしね。

若松の元々の河童伝説はこうです。

「高塔山(若松にある山の名前です)の周辺は、修多羅(すたら)と呼ばれる村であったが、昔その近くの池で一匹の河童が馬を引きずり込もうとした。
ところが逆に馬に引きずられてしまい、とうとう庄屋に捕まえられてしまう。
そこで河童は「二度と悪さはしない」と命乞いをしたため、庄屋は地蔵の背中に舟釘を打ち込んで、この釘がある限り決して悪さをしないと誓わせたという。」

対して、創作の河童伝説はこうあります。

「修多羅(すたら)と島郷(しまごう)に棲む河童たちは毎夜のように上空で戦いを繰り広げ、翌朝になると戦いで死んだ河童の死体が粘液のようになって田畑に落ちており、近隣の人々は難儀していた。
それを見かねた山伏の堂丸総学が河童を封じようと祈祷を始めた。
この山伏の法力を知っていた河童たちは一時休戦して、祈祷を止めさせようとさまざまな妨害を繰り返す。
術を好くするものが美女となり誘惑し、金銀を積み誘惑し、怪異なる姿となり恫愒し、数百の河童が山伏の周囲にくまなく糞尿を垂れながした。
しかし山伏はそれに屈することなく、祈祷は一向にやまない。
そしてある時、山伏が地蔵の背に触れると、柔らかくなっている部分を見つけた。
すると用意した大釘をその背中に打ち込んだ。
釘を打つために経文を手放した山伏は河童によって襲われて力尽きたが、釘は見事に地蔵に打ち込まれたため、河童は全て封じ込まれてしまったのである。」

このお地蔵様は実在していて、皆には河童地蔵と呼ばれています。
河童の姿のお地蔵様ではなく、お地蔵様の背中に大きな釘が打ち込まれていて、地元の子供たちは、この釘を抜くと河童が溢れ出すと言われて育ちます。

高塔山にある河童地蔵です。
結構優しげなお顔をしています。
背中に丸く見えるのが釘のようです。
あ。間違えた。

かなり前にこのお地蔵様の祠が何者かにイタズラされたんですが、河童地蔵の脇の別のお地蔵様へのイタズラで、河童地蔵そのものにはイタズラはされていなかったんですよね。
だから犯人は地元の、あの釘を抜くと…と言われて育った誰かなんじゃないかと疑っています。
私だって、あの釘は抜いていいと言われても抜けません。

脱線にもほどがありましたね。
脂腺母斑の説明の続きにこうあります。

年齢とともに脱毛斑の表面がやや盛り上がるようになり凹凸が生じ、表面の皮膚もざらざらしてくる。
色調も褐色調を帯びてくる。

色は確かに小学校高学年頃には赤味を帯びていた記憶があります。
大きいから鏡でしっかり見えるんですよね。
あと成長するにつれて、触るとゴツゴツしてきていました。

ちなみに私はあまりこのことを気にしていなかったので、周りの女子のほとんどには打ち明けていました。
高学年になると、髪型をあまり変えないことを指摘されたり、髪の毛をアレンジしてあげるよ。と声をかけられたりの機会が増えたからです。
クラス女子全員が知っていたと思います。
でもその誰一人として、脂腺母斑のことで私を河童みたいだと揶揄ったりする子はいませんでした。

本当は2回目の手術は小学校にあがってすぐという話だったんですが、当時、既に物心つきまくってきた私が手術という言葉にビビりまくりの拒否しまくで中学2年の夏休みになりました。
嫌な理由はただただ怖かったから。
注射が(笑)
何故か誰も信じてくれないけど、絶対に大きかったし!
50センチくらいあったし!(嘘)

手術を決意した理由は以下になります。

さらに思春期以降になると、脱毛斑内に種々の皮膚腫瘍が発生します。
皮膚腫瘍は基底細胞癌、各種汗器官系腫瘍、脂腺系腫瘍、毛包系腫瘍、有棘細胞癌の順に多い。
脂腺母斑と診断された場合は、思春期前には、切除手術を受けた方がよい。

中学2年生の時になってから聞かされた話です。
今!?今言う!?ですよね。

でもきっとこの年齢がこの話をするのにギリギリだったんですよね。
小学生の私にはこの話は難しいし怖がらせるだけですよね。
中学に入ってからの私は、部活の先輩ともめて少し不安定だったり、紫外線にアレルギーが出始めたりとそれどころではなかったような。
中2の私が精神的にも期限的にもギリギリ。

でももう物心なんかつきまくってあさまのかなたですよ。
頭の中を様々な悪いことが過ぎります。
もう後はありません。
中2になってもまだ思春期のカケラも見当たらなかった気もしますが、思春期が所謂、第二次性徴期となれば話は別です。
決断の時です。

あと一回だけ続けさせてください。

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